「東映らしいご都合主義の娯楽劇」レジェンド&バタフライ bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)
東映らしいご都合主義の娯楽劇
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正月1作目の映画のチョイスで失敗したためか、2作目は制作費20億という本作。東映70周年と言ってもアラフィフの私でさえ、東映時代劇の本編(映画)では近年は『花戦さ』『多十郎殉愛記』ぐらいしか記憶が無い。むしろテレビドラマでは、かつては東映制作の長時間時代劇が年始などに放映されていたので、そちらの方が印象が強く、時季もあってかご都合主義の娯楽時代劇のイメージ。本作も時代が違うとはいえイメージ通りの建て付けを踏襲しており、桶狭間前から本能寺まで時系列で展開、やっぱり冗長に感じる。綾瀬はるかの濃姫が東映時代劇の象徴である北大路欣也の道三から使命を帯びて、キムタク信長とバトルを繰り広げる前半の方が綾瀬はるかのアクションも活かせて、ジェンダーレスの方向を打ち出す古沢脚本がマッチして見がいがあった気がした。キムタク信長はキムタクがキムタクであることが変わりない、いつものキムタク。信長より若い説を採用した宮沢氷魚の明智光秀は俗説と新説を採り入れた格好だが、古くから高柳光壽先生らが提唱した野望説の枠内で新鮮味は無い。ラストは一時、本能寺から脱して坂本龍馬の一部伝説のように海洋に乗り出す妄想が描かれるが、個人的にはお約束の焼き直しなら希望が持てる妄想シーンのままで終わった方が良かったと感じた。
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bluewaveskyさんのコメント
2023年2月15日
多分、妄想シーンで終わらせたかったんだろうが炎上する可能性もあるので、節目の作品だけにそれを回避すべく中途半端なラストになってしまったんでしょうね。