「【”バタフライエフェクト”若き信長が武芸知略に秀でた濃姫を娶り戦国武将として名を挙げ、魔王と化した後も二人の海を渡り異国へ行く夢は尽きない様を描いた作品。古沢良太の新解釈シーンも魅力的な作品。】」レジェンド&バタフライ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”バタフライエフェクト”若き信長が武芸知略に秀でた濃姫を娶り戦国武将として名を挙げ、魔王と化した後も二人の海を渡り異国へ行く夢は尽きない様を描いた作品。古沢良太の新解釈シーンも魅力的な作品。】
ー 何しろ、信長(木村拓哉)と濃姫(綾瀬はるか)との33年間を三時間弱で描いているので、物凄いスピードと多数の登場人物を配し、物語は進む。
脳内フル回転で、学生時代に学んだ史実を思い出しながら鑑賞。
では、古沢良太氏の脚本が効いていないかというと、随所で効果的なシーンが用意されている作品である。ー
◆感想
・信長を演じた木村拓哉と濃姫を演じた綾瀬はるかさんの演技は、矢張りスターのオーラを身に纏っている、と感じた。
ー 一時期、木村さんの演技を貶すレビューが良く出たことが有ったが、今作を観ればこの方の役者としての成長が良く分かる。
又、慣らされた馬とは言え、あれだけ馬を乗りこなせる俳優は、現代では稀少である。
勿論、綾瀬はるかさんも然りである。-
・政略結婚であった二人の挙式&初夜のシーンは、完全に濃姫が信長を舐めて掛かっている。
ー 飲めない酒を無理して飲んで咽る信長の姿。そりゃ、軽蔑するよなあ・・。-
・だが、二人が徐々に惹かれ合っていく様の描き方が上手い。
ー 楽市楽座で、信長が初めて濃姫に買ってあげたカエルの置物。このカエルの置物の使い方がとても巧い。ラストまでキチンと引っ張っている。
濃姫が流浪の民に絡まれた時に、信長が身体を張って戦うシーン。
そして、信長が火を放たれた本能寺で、死を間際にして言った言葉・・。-
・濃姫の智謀により、桶狭間の戦いでマサカの今川義元率いる4万を超える大軍を打ち破るシーン。
ー 戦闘シーンは出て来ないが、意気揚々と引き上げて来た信長を見つめる、嬉しそうな濃姫の眼。-
■だが、信長は徐々に正気を失ったかのように、比叡山焼き討ちを決行するシーン。レイティングを避けるために、残虐なシーンは映されないが信長の異常さが顕著になって行く。
そんな信長を諫めてくれと家臣団に依頼される濃姫の箴言にも、もはや魔王と化した信長は耳を貸さない。そして、二人の別れ。
それ以降、信長はやせ細り、残虐性を身に纏う。
木村さんの演技が凄い。
・濃姫が病に倒れた事を知った信長が、濃姫を安土城に運び入れ手厚く看護する姿。
ー 一度惚れた女は、忘れ難いよね。信長に僅かに残って居た善性が伺えるシーンである。-
・信長が家康(ビックリの太った斎藤工)と和議を結ぶために、豪華な食事を提供するシーン。魔王の面影を無くした信長を観た明智光秀(宮沢氷魚)が、信長に進言した事。それは、食事を担当した光秀自身を罵倒する事で、往年の姿を家康に見せつける筈だったが・・。
ー ここからの本能寺の変を起こす、光秀の心の変遷は、古沢良太の新解釈であろう。
光秀の考えを信長の涙を見て悟った、愚鈍のふりを呈していた家康が信長に殴る蹴るされた光秀の元に近づきそっと”お見事・・”と言って席に戻るシーンはナカナカである。
それを、光秀の謀反の理由"信長は魔王でなければならぬ。"に繋げたとは、巧いなあ。
因みに、今作のMIPは明智光秀を冷徹に演じた宮沢氷魚さんだと、私は思った。(MVPは勿論、木村さんと綾瀬さんである。)-
<ラストの本能寺の変の、捻りを効かせた展開も、良い。
信長の”是非に及ばず”という有名な最後の言葉からの、信長と濃姫が夢に抱いていた異国への旅路を描いた夢、幻のシーンも印象的である。
そして、有名な「敦盛」を舞うシーン。
一方、濃姫も信長から渡された西洋楽器を胸に抱き、事切れている・・。
良く、信長と濃姫の33年間を三時間弱に収めたなあ・・、古沢良太脚本と思った作品でもある。>
NOBUさん、共感&コメントありがとうございます。
愛知県民にとって三英傑は郷土の誇りなので、戦国時代が舞台になるだけでワクワクします。本作は、信長の基本フォーマットを知っていることを前提に、そこに盛り込んだ新解釈とラブストーリーを楽しむという大胆な脚本が奏功していたと思います。この調子で「どうする家康」もたっぷり楽しませてもらいたいです。
役によってガラッと変わるカメレオン俳優の対極にいるのがキムタクなんでしょうが、どちらも俳優の個性ですよね。宮沢氷魚さんは今まで軟弱な役しか観たことが無かったんですが、声を張ると、お父さんに雰囲気が似てくると思いました。
時代劇を舞台にしこそすれ、一組のある夫婦にスポットライトを当て続けて「夫婦の春夏秋冬」なるものを描いた・・ たいへん「現代的なドラマ」だったと思います。
だから面白かったし、二人から目が離せませんでした。
ではでは。
こんばんは
NOBUさんが鑑賞済みだと知り(それだけの理由で)行ってきました映画館。
とても面白かったのですが、星5つ付けて送信後に他の方たちのレビューを見て、あまりの低評価にショックです(笑)
キムタク、良いですよね。
信長とキムタクは似ている、、、と思ってしまいます。実際の信長にはあったことがありませんが。
本能寺の変のシーンは痺れましたね。とにかくかっこいい。
カメレオン俳優さんも良いですが、キムタクが演じるとなんでもキムタクになりますが、そういう役者も良い役者です。