人質 韓国トップスター誘拐事件のレビュー・感想・評価
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ファン・ジョンミンのファン・ジョンミンによるファン・ジョンミンのための作品
最初にファン・ジョンミン自身がファン・ジョンミン役を演じると聞いた時に「容疑者ホアキン・フェニックス」みたいなセルフモキュメンタリー的な作品なのかなって思っていたんですが、実際に観てみるとちゃんとしたストーリーがある作り込まれた劇映画って印象でした。
ストーリーとしてはタイトル通りファン・ジョンミンが誘拐されるだけという結構単純なお話。
けれど、ファン・ジョンミン自身が自分のパブリックイメージをセルフオマージュしているという点でメタフィクションとしてなかなか見どころのある作品でした。
ストーリーどうこうよりとにかくファン・ジョンミンの涙ぐましい頑張りを見るための映画だと思いました。
チンピラに絡まれるファン・ジョンミン。
誘拐されるファン・ジョンミン。
椅子に縛り付けられるファン・ジョンミン。
身代金を要求されるファン・ジョンミン。
理不尽にぶん殴られるファン・ジョンミン。
出演作のセリフを強要されるファン・ジョンミン。
ガラスの破片を取るために椅子ごと倒れるファン・ジョンミン。
誘拐犯が近づいてきて必死で椅子を起こそうとするファン・ジョンミン。
ガラスの破片を使って逃げ出すことに成功するファン・ジョンミン。
森を疾走するファン・ジョンミン。
崖から足を踏み外して転落するファン・ジョンミン。
ジジイに閉じ込められるファン・ジョンミン。
永田裕志ばりの鬼チョークスリーパーをキメるファン・ジョンミン。
誘拐事件のトラウマに苦しめられるファン・ジョンミン。
ここに挙げただけでも色んなファン・ジョンミンの一面を見ることが出来るのでファン・ジョンミンファンには堪らない作品になってるんじゃないでしょうか。
とてもよかった
犯人グループが恐ろしい。太った男がバカ丸出しな感じでレザーフェイスのような怖さがある。犯人たちが所持している自作銃が山上徹也の自作銃のように水平に銃身が2本並んでいるタイプで、犯人グループのリーダーが山上徹也の風貌に似ている。もう映画化したのか?と驚くのだけど、こちらの製作は2021年なので、奇妙なシンクロだ。
主人公が逃げ込む山小屋の狂ったじいさんも怖い。
【設定の妙に唸り、韓国ヴァイオレンスアクション映画のレベルの高さを再認識した作品。ファン・ジョンミンの身体を張った渾身の演技と、サイコキラーを演じたキム・ジェボムの不気味さにも唸ったなあ。】
ー ファン・ジョンミンと言えば、一見優しい風貌だが、実はとんでもなく怖い男を演じたら韓国映画界ベスト3に入ると思っている俳優である。(特に「アシュラ」かな・・。)
今作はそのファン・ジョンミンがファン・ジョンミン役として、極悪誘拐グループに誘拐されるという設定自体がまず、凄い。
そして、韓国ヴァイオレンスアクション映画の凄さを十二分に堪能できる作品である。-
◆感想
・ファン・ジョンミンが誘拐され、椅子に縛り付けられ多額の身代金を要求されるシーンから、物語はラストまで、一点の緩みなく進む。
ー 勿論、韓国ヴァイオレンスアクション映画ならではの、街中カーチェイスシーンも、凄い迫力である。-
・ファン・ジョンミンが誘拐された小屋には、別に誘拐されたソヨン(イ・ユミ)も居て・・。
ー ソヨンと共に誘拐されたコンビニ店長は、死亡。そのシーンをファン・ジョンミンに見せる残酷な極悪誘拐グループ・・。他にも、多数の骨が・・。ファン・ジョンミンの様な有名人を誘拐した、極悪誘拐グループの誤算が徐々に、見えてくるのも良い。-
・今作が見応えがある要素は多数あるが、一つは極悪誘拐グループのリーダーであるギワンを演じたキム・ジェボムが冷酷無比な、サイコキラーを演じきったところであろう。
ー 是非、今後も生き馬の目を抜く韓国映画界で活躍して欲しいモノである。-
・ファン・ジョンミンがその演技力で”持病の心臓病が悪化した”とグループの中でファン・ジョンミンのファンと公言する太った男を騙すシーンや、グループから暴力を受けるシーンは、リアルである。
ー で、一度は逃げるも・・、再び囚われる・・。心中”警察、何やってんだ!”と激しく突っ込みながら思いっきり、二転三転するストーリーに魅入られる・・。ー
<最後は、自分の力でサイコキラーを締め落とすファン・ジョンミンの渾身の演技。(一緒に、必死に締め落とそうとする私がいた・・。力が入ってしまったシーンである。)
2年後、ファン・ジョンミン誘拐事件を映画にしているシーンで、犯人役が現れた時の、見せ方も巧かったなあ・・。
韓国映画のレベルの高さを、十二分に堪能した作品である。>
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