「考えられる映画」劇場版モノノ怪 唐傘 くぼたさんの映画レビュー(感想・評価)
考えられる映画
アニメからやっと映画が観れる!と楽しみに行きました。
内容は観る人の価値観によって、全く分からない人も、深く共感する人もかなり偏るなと思いました。
アニメ版とは別の世界の薬売りさんも格好良かったです。変身後もゴツくて格好良かったです!
今回の物語で個人的には、歌山が顔とは違う年齢の現れている自身の手を撫でる様な、隠す様な仕草に目を惹かれました。
表では感情を殺し、時には冷徹な判断を下す歌山ですが、自身の手を見た時に自身の老い先と大奥のこの先が重なり、自身の力ではなく家の力を示す大友や不安定な淡島、コンプレックスの強い麦島ではなく、大奥の未来を見ているアサを指名したのでしょうね。
そして、カメとアサ。
最初から筆や紙といった仕事道具のみを持って覚悟を持って入って来たアサと沢山の祖母との思い出を持って来たカメ。二人が最後までお互いを大切にしていて本当に良かったです。
今回は水を受け入れたアサですが、この先の物語でどの様に関わってくるのかとても気になります。
唐傘については、完全に理解できた訳ではありません。
ただ、今回の物語の「水」を見て思ったのは
・涌いている様子のない止まった井戸=古きを伝える大奥
・井戸に大切な物を捨てる=過去を捨てる、大切な物を大奥に浸す事で大切な物も大奥の物とする
・生臭い水を受け入れる=大奥を受け入れる
・雨=周囲の意識
唐傘は「水に濡れたくない=大奥に染まりたくない、過去を捨てたくない」そんな人々の思いを防ぐために「傘」と言う形となったのかなと思いました。
今回は色んな伏線が残ったまま物語が終わりましたが、次の火鼠でどの様に回収されるのかとても楽しみです!御水様は何者なのか…今回のもまた観に行こ!