「演出が目的になってしまっているように思う」劇場版モノノ怪 唐傘 Qさんの映画レビュー(感想・評価)
演出が目的になってしまっているように思う
化け猫、モノノ怪でお馴染みの特徴的な演出(構図、色彩、カット割)は楽しめましたが、
このカット割のテンポに引っ張られているのか、構成や登場人物の心理もぶつ切りになっており、感情移入が困難でした。
パンフレットで読む分には、登場人物の設定や関係性は複雑でも難解でもないのですが、本編では妙に複雑で錯綜しています。
カットを細かく割るとリズムが出て「退屈させない、興味を持続させる」という効果がありますが、
この映画では「テンポ自体は同一、1時間以上ぶっ通しで画面を見続ける映画という媒体」という状況のためか、逆に退屈を呼び起こされるという現象が起きているのが興味深かったです。
過去作にはちゃんと意図した緩急や間があったので、なぜこんな止まることを許されないマグロのようなことになってしまったのか不思議です。
コメントする