「映像美は良いが、話し言葉がすっと入ってこないので字幕上映が必要だと思う」劇場版モノノ怪 唐傘 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美は良いが、話し言葉がすっと入ってこないので字幕上映が必要だと思う
2024.7.29 MOVIX京都
2024年の日本映画(89分、G)
TVシリーズ『モノノ怪』の続編劇場版
薬売りが謎解きとモノノ怪退治を行うミステリー&アクション映画
監督は中村健治
脚本は山本幸治&中村健治
物語の舞台は、江戸時代の宮中・大奥
そこには天子様(入野自由)のために多くの女中がいて、それを管理するのは御年寄(小山茉美)の歌山だった
歌山は、教育係の淡島(甲斐田裕子)に新人教育を任せていて、女中たちは御水様のための儀式に向けて準備を始めていた
先の儀式はアクシデントによって日程変更を余儀なくされていて、今回は予定通りに行うことを肝に命じられていた
そんな大奥に、役職に就きたい上昇志向のあるアサ(黒沢ともよ)と、憧れを抱くカメ(悠木碧)がやってきた
淡島は二人を所定に配置し、教育を始めていく
二人の仕事は女中たちの食事の手配などを含む多くの雑用がメインだった
大奥は男子禁制の場となっていて、七つ口の警護には坂下(細見大輔)があたっていた
そんな彼の元に薬売り(神谷浩史)がやってきて、色々と探りを入れてくる
また、前回の儀式の延期に疑念を抱く時田三郎丸(梶裕貴)と平基(福山潤)が視察に訪れていて、それを歌山は快くは思ってはいなかった
映画はTVシリーズの続編であるものの、どうやら薬売りは複数いて、これまでの薬売りとは別人のようらしい
声優が交代し、ビジュアルも変わっているのだが、やっていることは同じと言う感じになっている
薬売りは謎解きをするものの、その先にはモノノ怪の始末というものがあって、そのためには「形」「真」「理」が必要になってくる
薬売りはそれを見極めてから退魔の剣を抜くことができ、それによってモノノ怪を斬れるという流れになっていた
TVの続編であることを知らずにパンフレットを購入し、その惰性で鑑賞することになったが、予告編の段階から、和紙のようなエフェクトがかかっているビジュアルが気にはなっていた
映像美を堪能する映画だと思いつつも、言葉遣いが独特で、専門用語らしきものもたくさん登場する
公式HPでいくつか学べると思うが、パンフレットは充実していたので、用語を頭の中に入れておいて、すんなり漢字変換できるようになった方が理解は進むと思った
いずれにせよ、ビジュアルに特化した内容の割にストーリーが結構難しいのが難点
いっそのこと字幕上映をした方が良い内容で、すっと言語が入ってこないのは難点だと思う
物語自体は理解できれば単純だが、そこに辿り着くのに時間がかかると思う
単純に大奥内の女性の嫉妬が原因でといういつもの感じなので、無理に難解に捉えるよりは、美と年齢、能力に嫉妬を覚える役職が自分の地位に固執してモノノ怪を生み出して、それが堆く積もり積もっているという理解で良いのでは無いだろうか