「内容が薄いし、アニメファンだからこそガッカリさせられた」劇場版モノノ怪 唐傘 かわせさんの映画レビュー(感想・評価)
内容が薄いし、アニメファンだからこそガッカリさせられた
評価できるのは、声優と極彩色の映像美のみ。
アニメファンだからこそ、ストーリーの浅さに残念で仕方がない。
まず、今までのアニメでは『どんなモノノ怪なのか』事前にキャラなどからの説明、または有名なものならなんとなく想像がつくような映像があり、そこからさらにモノノ怪の『カタチ・マコト・コトワリ』に迫っていく。だが、今回は『唐傘』とはどういうものか?という説明も意識させる映像もなくストーリーが進んでいく。そのため、実際なぜそれが起きたのか、いまいち視聴者に丸投げのような形になっている。これでは今までのモノノ怪のようなミステリーを紐解いく魅力が大変損なわれており、残念・期待はずれという感想しか浮かばない。
そして、謎を解いていく途中で、モノノ怪の原因に関係しているキャラクターの人間性、人としての醜い本性が明らかになるという流れがあるが、これがまた浅い、浅すぎる。大奥でのストーリー・女の情念・嫉妬・憧憬などが題材なのであれば、モノノ怪になってしまった女性や他キャラクターに対する壮絶な過去の一つでも用意しておいてほしかった。味噌汁にネズミを入れられるとか、身体の見えないところに傷をつけられるとか、着物を裂かれるとか、、もっとあるだろう、、やる方もやられる方も、、、。これではドラマの大奥のがよっぽどモノノ怪が出てきそうな背景設定だ。結局なにを伝えたかったのか?一人ひとりに対するエピソードが浅すぎて、こちらに察してくださいとでも言いたいのかと思った。こんな浅い内容であれば約二時間も使う必要はないのではないのだろうか?精々、1時間でいい出来だ。
そして、最初に天子様もろもろが出てきたのは何のためだ?いらないだろう、続編で登場するから〜というよりかは、天子様と女性がお互いに水を飲ませ合うシーンは今回の『唐傘』には必要ないところだろう。あくまでも、表の話ではなく、裏方の女中の話なのだから。ここで、今作のメインキャラクターが天子様に見染められて〜とかならまだわかるが。
映像化は嬉しいし、動く薬売りさんを見れたのは非常に喜ばしいことだが、これでよくGOを出したなと思う。スポンサーに何か弱みでも握られているのか?それともよくある原作者と脚本家とのアレか?
期待値が高かったぶん、残念でほかならない。続編があるとのことだが、この分だと期待なんぞは小指の爪の垢ほども期待しないほうが良いだろう。