「考察」劇場版モノノ怪 唐傘 アニメ映画が主戦場さんの映画レビュー(感想・評価)
考察
まず、大前提としての薬売りの事。
作中でも公式でも明言されているが、テレビシリーズの櫻井声の薬売りとは別人である。
デザインが異なり、装飾(退魔の剣、天秤、薬箱、衣服)が異なり、声が異なる。
普通に考えれば別人なのだが、本放送から大きく期間が空いた事と某スキャンダル(俺は既に許している)のせいで中々気付けないものである。
なので神谷だから減点は宜しくない。
以下つらつらと
大奥と水と大切なもの
大奥の本来の目的は子供を授かる事である。
吉原や花街で水と言えば水子である。
人形とは人の代わりであり、古くは埴輪と同じ起源である。
つまり、あの井戸に落とされた多くの大切なものとは、井戸の底にあった多くの屍の意味するものは…。
子を無くしたために権力に固執したのか、権力の為に子を手放したのか。
まぁ、そんな事を考えながら観ていた。
唐傘
特徴的な一つ目、片足は産鉄民の暗喩であり(長い舌は不明)、唐は中国の事なので、次の火鼠との関連なのか…。
本作単体では水を避ける傘以上の意味を見出だせなかった。
無念である。
演出
天秤の動きが焦れったい。
ゆっくりカタン、カタンでは無く、怪異の接近を煽るようにカタカタカタカタと動くテレビシリーズの演出が好き。
被害者の姿を一部しか見せないのは配慮かも知れないが、映画なのだから悲惨な様を見せつけても良かったと思う。
エンドロール
長い。
なんだろう、CG自慢かな?
素直にナツノハナ流した方が何倍も良いよ(別に本作の曲が悪いとは言ってない)。
最も強い感想
最後の最後にカメちゃんは足取り軽く、大奥の境界線を飛び越え帰って行く。
その瞬間が「怪~ayakashi~(化猫)」の珠生さんが猫と屋敷から出て行くシーンと重なって感慨深かった。