「エゲレス産の惚れ薬を売ってくれ」劇場版モノノ怪 唐傘 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
エゲレス産の惚れ薬を売ってくれ
ダシの効いた井戸水を飲む話
待ってました「モノノ怪」劇場版!!
初期の作品から惚れこんでシリーズファンだったので期待してましたよー
率直に言うと上がりに上がっていた自分の期待値を超えられたかと言えば超えられなかった印象です。完全に自分が悪い。作品は素晴らしかった。
十分に楽しむことができましたし、なによりあの世界観、背景や衣装の奇抜にして鮮やかなデザインなんかは見ごたえめっちゃありましたね。
そうそうこれこれ~って懐かしくもレベルアップした表現力が本当によかった!
薬売りのキャラクターは言わずもがなアサとカメもいい感じにかっこかわいいし、わき役も個性的でずっと飽きずに見てられます。
声優さん方もめちゃよかった!アサちゃんの「よいしょー」なんかもはや演技じゃなかった!色んな気持ちが乗っててかっこよかったわ~。
私の期待を下回ったのはストーリーですかね、もっとオドロオドロしく嫌な気持ちにさせてほしかったかな。
せっかく大奥で情念やら怨念やらめちゃくちゃ渦巻いてそうなのに結構あっさりだった印象。
退治すべき唐笠もあんまり怖くないし、もっとキツイ理由づけがほしかった。
登場人物に感情移入する前に話が進んじゃって置いていかれてしまった感も否めない。
まあ「モノノ怪」シリーズはかなり前の作品だし新規ファン獲得という意味では入門編として問題なしです。
続編もあるでしょうからこれからもっとドス黒くて陰鬱な感じになると思いますので続編に期待ですね。
その他の不満点
薬売り変身後のキャラデザは以前からあんましカッコいいとは思ってなかったけど、今作はもっとかっこ悪くなって気がする。
なまじ薬売りのノーマルモードがカッコよすぎるので仕方ないんだけど・・・
なんか神々しさとか鬼神ぽさとか控えめでちょっと地味だったかな。今後もっと強いモノノ怪が出てくるからバージョンUPすることに期待です。
カメちゃんがアサちゃんに事あるごとに差をつけられる度に心の闇を募らせていくシーンが有るんだけれど、結局その闇は爆発しないので、せっかくならもっと派手に爆発して唐笠と絡んで欲しかったかな。
まあキタガワがアサと同じ境遇だからしかたないんだけれど、要領よく仕事をこなすも自分をすり減らすアサとと劣等感や嫉妬心でもがくカメ。
カメちゃんがモノノ怪に取りつかれても良かったと思う。
いやそれだと安直すぎるか、アサちゃんだからこその意外性を狙ったと見ればしっくりくる気もする。
もともと二人とも新参者でそこまで大奥に深い因縁もなく怪異の被害者って立ち位置だからこれでよかったのかな。うーん難しい。
これからストーリーを広げていく序章として大奥の不気味さや不条理さは上手く提示できたが、続編への伏線やキャラクターのちょい出しが目立ち、1作品としての満足感、スッキリ度はちょっと消化不良だったのは否めないと思う。でも全部(三部作?)見たら絶対にいい作品になると思うから今後も期待してます。
色々書いたけど「モノノ怪」が復活してくれてうれしいし、薬売りにまた会わせてくれたことに感謝です。
つづきが早く見たいよー
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劇中セリフより
「私には捨てるのが惜しいと思うほど大切なものはございません」
捨てなければ一人前になれず、捨てれば支えが無くなる。
心の強い人しか大奥では生き残れない。
色々捨てられた井戸の水を飲むことで叶う願いはいったい誰の?
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※本編とは関係ない蛇足雑記※
このサイトで「モノノ怪」を紹介しているライターさんの記事がとても面白かった。
プロの記事ってのは凄いですね。
新規獲得のためのあおりがすばらしい。
これで「モノノ怪」ファンが増えたらいいですね~。
ライターさんは薬売りにどおっぷり沼ったようですが、本作を見るまではまったく興味なかったとの事。
映画のレビューを生業としていて、浴びるように作品を見なければならない大変な仕事とは思いますが予告編位は事前に見ていると思います。
あの予告編を見てもこの作品の凄さ、魅力が伝わらず、前作の予習をしたくなるほどではなかった感性が残念。
「逃走中」の記事は多くの人を虚無空間に誘い込む詐欺記事でしたが、お金もらってるからと言ってあんな記事書くのは業の深い仕事だなーと思いました。
「モノノ怪」シリーズエアプってのが嘘と言う可能性もありますが、新規に向けて素晴らしいプロの仕事を見せてもらいました。
以上、素人のお気持ち表明でした。