ザ・メニューのレビュー・感想・評価
全92件中、1~20件目を表示
意識高いシェフが意識高い「系」クソ客の意識を他界へ送る
お料理美味しそう、からのギャアア!を行ったり来たりするのが忙しい(褒め言葉)映画。最初から悪いことが起こる予感しかしないのに、章立て代わりのメニュー紹介が進むと、次の趣向を見たくなってしまう。
不穏なレイフ•ファインズがとてもいい。因縁の客たちと母親の計12人を招いた破滅的な最後の晩餐に部下たちが付き従う、信仰に近い彼のカリスマ性に説得力をもたらしていた。
スローヴィクは、招いた客それぞれに恨み(料理の真価が分からないのに不遜な態度を取られたり貶めるような記事を書かれたりしたのかも知れない)があって凝った復讐をしたのは分かるが、何故自らもスタッフまで巻き込んで死を選んだのだろう。
あれだけの人数のセレブリティを殺せば隠しおおせるはずがなく、逮捕されることでシェフを続けられなくなるという現実的な事情は当然ある。
ただ、彼から溢れるシェフとしての矜持を見ていると、完璧な芸術と自負する自らの料理を理解出来る、腕を振るう甲斐のある顧客がこの世に存在しないという絶望が大きかったのではないかと思えてくる。
予約の取れない高級店で食べたというステータス目的の成金セレブ、シェフの出世もレビュー次第と考える不遜な評論家、食べたものを分かってない覚えてない客……あー実際いそう、こういう人たち。とか言ってる私も多分あの場で指ツメられそうな味覚レベルですが(汗)。
タイラーは口先だけの美食家だが、スローヴィクに盲目的に心酔していて、自分を含め全員が死ぬディナーと分かってもそれもまた芸術と理解を示した(私は全く理解出来ないが)から呼ばれた、ということだろうか。
だが結局は、自分では何も作り出せないことがバレて(というより最初から見透かされていた?)、他の客と同じ侮蔑の対象として死ぬことになった。
スタッフが死んでも他の客の指が飛んでも意に介さずモグモグしている彼を見て、不気味な反面ちょっと笑ってしまった。
最後の人間焼きマシュマロも、恐ろしいのにどこか隠し味のようなコミカルさがあった。
マーゴはシェフの部屋で気づいた彼の経歴を踏まえたオーダーをした。その態度は、あの場の他の客と違いあくまでフェアだった。だから助かったのだろう。
金さえ払えばお客様は神様だ、どう食べようが客の勝手だ、ではなく、芸術家や職人が技を尽くすことに対して客側も真摯であれ、対等であれということか。
ネットお勧めのお店に行って、評判通り美味しいねと、食事が情報確認の作業に陥ること。素人評論家がネットに跋扈し、言いがかりすれすれの辛口批評が時にバズってしまうこと。本作は現実のそんな風潮に対しても、創造する苦しみと厳しさを負う視点から辛辣なカウンターパンチを浴びせているように見えた。
私は、食べるのではなく味わうということをしているだろうか?とりあえず、本格ハンバーガーを味わってみたくなった。
説得力はさておき、ギミックと勢いだけでもかなり面白い。
劇中のレストランの客たちと同様に、とにかく何が起きてるのかが把握できないまま事態がどんどん進んでいく。意外性で興味や集中力を繋いでいくやり方は過去にもたくさん試みられてきたと思うが、有無を言わさず珍事に巻き込んでいくやり口に頭が下がる。
しかし真意が途中で明かされてしまうと、あまりにも込み入った計画に値するほどのターゲットたちだろうか?という疑問は湧いてくる。ギミックだけで十分に面白いが、作品としてもうちょっとやれるだろうと思ってしまうのは、説得力よりもオモシロが勝ってしまっているせいかも知れない。
とはいえこの映画のオモシロさは否定のしようがなく、クライマックスでアニャ・テイラー・ジョイが繰り出す渾身のトンチや、すっかりカルトに取り込まれてしまったみなさんがチョコレートの帽子を被ってるビジュアルの強烈な可愛らしさなどなど、「よくぞ思いついてくれた!」と拍手したいアイデアの宝庫でした。
食事と芸術
高級レストランで食事をして芸術になる話
付き添いで雇われたマーゴはチーズバーガーを頼みシェフから持ち帰りを許され脱出できるが他のスタッフや来客者達は作品となり炎で清められるEND
富豪層と表示させられる側をテーマとした作品。本来の食に対する純粋さは喪われ芸術作品となり満足できないものであると風刺している。
パンは庶民の食べ物なのでチーズバーガーを食べたマーゴは生き残れた。タイラーの存在は謎だが裏切り者のユダがモチーフかもしれない。シェフが子どもの頃、父親を止められず母親はすでに死んだ存在で実は全員が死んでるとも考えたが多分違う。母親、盲目的なスタッフ達、死に抗わない客達が謎だが作中の情報では判断できない。
笑ってはいけない孤島レストラン24時
★ 長文レビュー失礼 ★
ツッコミ所が多すぎて、シュール系コメディみたい。ただコメディとするにはシリアスに寄り過ぎているし、かと言って真面目な?ホラーやミステリーと言うには、演出、伏線、人物描写などなど、色々と足りないものが多く、どっちつかずで中途半端。
気難しそうなシェフやスタッフの様子が段々とおかしくなって行くシチュエーションは今後の不穏な展開を期待させるが、様子がおかしくなるのが早過ぎて、起こっている事の虚実を疑う暇が無い。もっと料理に各人の罪を思い出させるような意匠が込められていて、それに気づくのは罪を知る本人だけ、と言ったじわじわとした恐怖演出とかを期待していたのに残念。
また、何であのシェフに他の従業員が狂信者のように従っているのかとか、招待客たちの選別基準は何か等、招待客とシェフたちの関係性や背景事情がほとんど語られないので、こんな事をする動機がはっきりしない。グルメ気取りの評論家とか不正会計?してる出資者を恨むのは百歩譲って分かるとしても殺すほどの事か?映画の俳優に至っては完全にいちゃもんレベルで、監督を恨まずに俳優を恨むのも「顔がムカツクから」くらいの理由(笑)。シェフの母親も意味ありげな割りには何のためにいるのか不明。
しかしそんな客の中でも最も存在理由が分からなかったのが、主人公的な立ち位置だったはずのタイラー。このシェフに心酔している事が窺えるが、客の指が切り落とされたり、人が拳銃自殺するような異常事態なのに、とにかく料理を食う事が最優先になっている様は狂気的でなかなか良いキャラだったのに、シェフに何か囁かれて素直に自殺して退場(笑)。何だったんだ。
そもそもあんな理不尽な目に遭わなければならないような客は一人もいないはずなのに、客たちがほとんど何の抵抗もせずに言いなりになってるのも意味不明(笑)。人数的にはやや不利でも、包丁など武器になるモノがたくさんあるのに、最後の最後まで無抵抗なのは何なの?人質を取られているから逆らえない、みたいな状況でもないし。最終的に全員を巻き込んで集団自殺するような理由が何も分からないので料理がテーマなのに消化不良感が凄い。
主人公の女も最後は「食べきれないからチーズバーガーを持ち帰らせろ」と言う、一休さん並みのトンチで脱出成功(笑)。いや、そんな事で逃がして良いのかよ。まさかと思ったけど、本当にそのまま無事逃げおおせて終了。ラストの爆発オチまで「笑ってはいけない」感があって最後に笑ってしまった。タイキック~。
さぁ調理の時間だ!
・めちゃくちゃ高い料金を支払い、孤島に連れられ、有名シェフのフルコースをいただくという作品。
・島に入る前に出席を取った際、彼氏?(タイラー)が別の女を連れてくるつもりだったことが発覚。しかし気にしないと言う主人公(マーゴ)
・「料理を撮影するな」と言われても撮影して、それがバレて「嫌われたかな…」ってタイラーさぁ…。
・副料理長が死んだ後も、客の一人の指が切られても一切動じず食事するタイラーのメンタル凄すぎないか?
・股間を刺されても動揺しないシェフ(ジュリアン)強いなw副料理長に数度迫って断られても副料理長を解雇せず、最後に股間を刺されて「すまなかった」はなんというか…。
・女性陣だけレストランに戻ることになった際の、アシスタントが俳優の上着を放り捨てるの良いねぇ。俳優がアシスタントを見捨てる際にかけた上着なんていらないよね。
・タイラーが強制的に参加させられた逃走後(そもそもタイラーは逃げる気がなかった)、レストランに帰ってきて開口一番「(料理は)何が出た?僕が貰う」って食べるのもうやばすぎで…。
・「壮大なメニューが食べられます。最後には死にます」って言われてて、本命の子に断られて、「一人じゃ参加できない」って言われたからマーゴ誘うタイラー凄いわ色んな意味で。ジュリアンが「八か月やり取りしてこの世界を見せた」って言ってたけど、そのやりとりで洗脳というか、ジュリアン側に立っちゃったのかなぁ。
・タイラーがはやし立てられて料理するシーン、共感性羞恥を煽られますね…。
・タイラーが「できた」って言った後見せられた肉が生焼けで、おいおいってなっていたけど、名付けられた料理名が『タイラーの駄作』。生焼けの羊肉ってなっていて、やっぱりな!とちょっと笑う。
・ジュリアンに囁かれて涙目、呆然、頷き、「はいシェフ」と一言言い、シャツを緩めてどこかへ行くタイラー。自殺していました…やっぱりな。何を言われたんだろうね、タイラーは。
・タイラーが立ち去りジュリアンに「これで君も自由だ」と言われ、涙を一筋流すマーゴ(まだ自殺していることは知らない)。
・ジュリアンさん、大学を学費ローンで通わなかった女優に対して「死んでもらう」は何で!?苦労していない、ってこと?
・縺れた後給仕が死んで「きゃー!」となるもすぐに鍵を奪ってシェフの家に入るマーゴ強くない?
・助けに来てくれた人が実はレストラン側で、「助かった…!」と歓喜からの落差がいいですね。
・フルコースで出てきたどの料理よりも美味しそうなチーズバーガー。を、嬉しそうに作るジュリアン、いいね。自分で給仕するし。ちゃんと味わって食べきれなくて、「お持ち帰りしていい?」というマーゴ。無事に脱出成功でやったね。ジュリアン的には、そもそもマーゴは計画にいない・ジュリアンの美学に反していない・フルコースで満足できなかったマーゴがチーズバーガーで満足してくれた、っていう辺りで退店させたのかな。
・マーゴが退店する際にレストランを見渡したとき、売春相手の妻が手で「行きなさい」ってするのいいね。
・お土産にヴェリクの指はいらんわwwww
・残りの客たちはスモアになるときに逃げられず…というか逃げる気も見せず。まぁあの雰囲気はもう「はいシェフ」と言うしかないよなぁ。
・何とか逃げたマーゴが、チーズバーガーを食べつつ孤島が燃えるのを発見。その後現れる『スモア』の文字と、食材名。客スタッフシェフって言うな!
いやーヒリヒリして楽しめた映画だった!
結局招かれた客がしたこと、ってこういう感じなのかな。
・レストランのオーナー一味:会計的な部分で悪いことをしていた
・俳優:ジュリアンが休日に観た映画で、希望も何もない演技をしていた
・アシスタント:学費ローンを使わずに大学を出た
・マーゴの売春相手と妻:11回レストランに来たのにメニューを覚えていない
・タイラー:ジュリアンの期待に応えられなかった?
・料理評論家:ジュリアン以外のキャリアを潰した
・雑誌編集者:同上
最後、マーゴが退店できたのって、ジュリアンに料理をする楽しさを思い出させることに成功したからかな?
招かれた客たちの最期は想像するとキツイものがあるけど、俯瞰で見る料理皿(というかレストランフロア)は綺麗だった。客にチョコ帽子を被せるシーンで「おー」ってなった。
個人的には割と良い映画だった。
最初のホタテ料理で「えこれどこ食べるの?」ってなったのと、女性陣だけ食べた料理に「これ男のアレか?」ってなったので私には高級フルコースは無理そう。
しかしマーゴ役の人、どこかで見た顔だと思ったけど出演作に私が観た映画ないんだよなぁ…似た顔の人がいるのかな?
全員…さいごの晩餐?
…怖~い話だとは知らず驚いた
有名レストランで有名シェフ
イコール美味しい料理がたべられる
と思ってきたものの…
…たべたら終わりの世界
離島なので逃げることもできない
夢であって欲しい…思うけど
現実にあったらテロに合う
くらいの怖さ!
シェフには
…理不尽で腹立つけど
シェフに逆らったアニヤが
一抹の救いがあった
だけど
セッションと同じように
胸○○悪いから★は少なめです
何だかんだ
・・引き込まれた感
チーズハンバーガーがよかった。
いかれた、いけてるメニュー
自分や仲間の人生を、大なり小なり、駄目にした人達を
おもてなしして、殺してしまうのは、かなりイかれてる。
ちゃんと、お会計までするあたりも、ちゃんとしてる。
みんな、財布ごと、投げてたけど、そりゃそうだよね。
そして、チーズバーガーが食べたくなる映画。
登場人物が多い割に客とシェフのバックボーンの描写が少なく感情移入できない
設定とか雰囲気は良いんだけど、いまいち何が言いたいか分からない作品だった。ホラーにしても客を惨殺するわけでもなく中途半端な印象。庶民と富裕層の食がテーマ?
登場人物が多い割に、客とシェフのバックボーンの描写が少なく誰にも感情移入できない。シェフはただのサイコ野郎にしか見えなかった。
テーブルとテーブルで別の組に会話がスムーズに切り替わるのはテンポ良かった。
オシャレな料理とか、高級料理の訳わからんちびちびした料理好きじゃないから、どれも美味そうに見えなかった。
パンの無いパン料理が予想外で笑った。ソースの方を食うとか発想が斬新すぎる。私だったら嫌だなー、さすがにパン屋ではパンを食べたい笑
テイクアウトで決着つける良かった。結局私の舌も庶民なんで、最後のチーズバーガーみたいな分かりやすいガッつける食い物の方が好き。久々にマックで食うかな。
殺人レストラン
美食家とその彼女が孤島の高級レストランに食事に行く物語、なんでも一人1,250ドル(18万5千円)というからどんな料理が出てくるかお楽しみ、ところが途中から話が怪しくなってくる、スタッフが突然自殺、やくざじゃあるまいに客が料理人に指を切られたり、訳が分からない展開、そうか、これはグルメを狙った殺人レストランのホラー映画でしたか・・。
荒唐無稽過ぎて何が何やら、こんなホラーをまさかディズニーが創るなんて唖然茫然、恐れ入りました。
アイデアが生煮えで美味しくない
B級シチュエーション・スリラー。ミッドサマーのレストラン版みたいなストーリーだが、あちらと違ってこっちは全然怖くない。演出が下手すぎるので…
面白そうな設定なのに全然活かしきれておらず、残念。とにかく、アニャテイラージョイの無駄遣い。なんでこんな企画受けたんだろう。
命をかけたコースメニュー
なかなか、変わった映画だった。ホラーというよりカルト的な映画かな。
お客様は神様を逆手に取り、レストラン側が常に主導していく。最高だが最悪のコースメニューを完成させるために。一つ一つの料理毎に、何かがあるのかも面白い。料理紹介もいちいち面白い!
完璧だったはずなのに、そこに混じってしまった予定外の1人の女性。唯一まともで、結局1番食を分かっていたんだなぁ。
ただ、シェフはなぜ彼女を1人で向かわせたのが少し分からなかった。そこだけは疑問。彼女だけが生き残る結末を作るため無理やりこぎつけた感あり。そこが残念かなぁ。
そして、やはりアニヤが美しい。あの客の中では1番上品だし、そんな職業と思えないオーラが。まさにスターのような美しさなので、この映画の配役とあってたかなとは思う。ま、でもアニヤに見惚れるのも含めて、面白い作品でした。
おしゃれホラー
かなり好き。何かおかしい不穏な空気、わくわくする。
ホラー好きならわかる、スーシェフ、ここで死ぬなとか。この馬鹿っぽい男早めに死ぬなとか、ここはもみ合って殺しちゃうなとか・・・もうちょいびっくりする裏切りがあってもよかったかな。
なんか急にめっちゃ美味しそうなチーズバーガー作って帰しちゃうとこはかわいかったけど。
アニャすばらしい。ぴったりの雰囲気。よかった。ナルコスのバカ息子もいたね。金持ちのバカが本当に似合って良かった。
マクドナルドしか勝たん
アニャテイラージョイ、どの角度から見ても可愛いの何なんだろうか。
赤髪と革ジャンが似合いすぎてて、ずっとハワワワ…ってなってた。
タイラーは狂信者のクソ野郎だけど、ずっとアホっぽくて可愛い。
それも洗脳の結果だったわけだけど。
ドキッ!男だらけの追いかけっこの間に提供された、女性陣の食べ物の残りを落ち目の俳優の背景でモッチャモチャしてるのクソワロタ。
パンッて手叩いて注目集める主人公、カッコ良いが滲み出過ぎてだな…。
ラストのチーズバーガー作ってる時の表情が、口角だけがたまに薄ら上がって、でも、それを誤魔化すようにまたへの字に戻すってのが最高に良かった。
あとは物語上の重要なキーアイテムである、トルティーヤを包んでたのが日本のすずがみって曲げられる皿でテンション上がった。
現代のグルメな人達と個性的な発想のレストランを皮肉ったブラックユー...
現代のグルメな人達と個性的な発想のレストランを皮肉ったブラックユーモア映画。
客は味もろくにわからない奴がやれ芸術的だのやれ値段だのやれ詳しい解説だのとまさに現代のSNS時代の悪いところを誇張しており、
一方でレストランは客には伝わらないようなセンスと演出で客の1番の欲求である食欲は二の次となっているような状況。
いい皮肉っぷりで好き。
料理の狂人
外界と切り離された孤島で幕開くのは、殺人事件。
しかしこちらは、その孤島にあるレストランで名シェフによるフルコース料理。
いやはや、何て贅沢。食べる前から美味。
が、何かがお・か・し・い…。
予約を取るのも困難なある孤島のレストラン。その名を轟かすカリスマシェフ、スローヴィクが腕を振る舞うフルコース料理。
船着き場に、マーゴとタイラーの若いカップル。タイラーは食通でスローヴィクに心酔しており、遂に食べれる時が来て興奮治まらない。
一方のマーゴは特に興味の無い様子。
招待された客は著名な料理評論家や映画俳優など、金持ちやセレブ。如何にここのシェフとレストランが“特別”なのか窺い知れる。
島に着き、給仕係のエルサが受付。何故かマーゴの名前が違う。タイラーが急遽連れてくる同伴者をマーゴに変更したらしい。
レストランに向かいながら、エルサが海岸や畑や養鶏場や薫製場を紹介。ここで作られる料理の材料は全てこの島で採れるもの。こういう所まで見せ、やはり他とは違う。
レストラン“ホーソン”に到着。外を一望出来るお洒落な内装で、厨房とも隔たりなく、スタッフが料理を作る様が見れる、何もかもがエンタメや一大ショー的。
程なくして、スローヴィク登場。ゲストたちに挨拶。
料理の栄養素、材料となる動植物や生態系について語る。カリスマシェフならでは。さらに、
「料理を食べないで下さい。味わって下さい」
分かる人には分かる哲学的な事を言ってるように思えるが、何処か不敵な笑み…。
そしてディナーが始まった。
1品目は、島を表したような料理。もはや芸術作品。タイラーに至っては、感涙。
2品目はパン料理なのだが、パンの無いパン料理。これも何かの演出…? 分かる人には分かる…?
3品目は、タコス料理。スローヴィクが同席している母親を紹介し、幼少時を語る。思い出の味と思いきや、衝撃の話に…。
さらにトルティーヤには、ゲストたちのある秘密が…。
何か、ヘン。マーゴは出される料理が口に合わず、鼻に付き、ほとんど食べない。
そんな異様な雰囲気が決定打となったのは、4品目。副シェフが作ったのだが、“後悔”と共に拳銃自殺。
場は衝撃、騒然、戦慄…!
それでも当たり前のように進められていくスローヴィクのフルコース料理。
一体、このレストランは…?
スローヴィクの目的は…?
ゲストたち各々の秘密と共に、振る舞われていく…。
贅沢で豪華な料理を楽しむ場ではなかった。
見ていると薄々と、ゲストたちに何かある事は察し付く。
その店の評判を上げるも下げるも料理評論家の声一つ。
偉そうなスポンサー連中。
シェフと友人だと嘘つき見栄を張る実は落ち目の映画俳優。
穏やかそうな老夫婦に至っては11回も来店しているのに何を食べたか覚えていない。
これは作る側にとっては屈辱。こんな奴らに左右されて利用されてたまるものか。
ゲストたちの前でオーナーを“料理”し、私は自由だ。
“料理の鉄人”ならぬ“料理の狂人”。
ゲストたちも揃いも揃って、訳あり、傲慢。
そんな奴らに、“制裁”というフルコース。締めはその命を持って…。
恐怖のフルコース・ディナーだった…!
マーゴとタイラーは…?
自称食通のタイラー。その料理の知識を買われ、何か料理を作る事に。
思わぬ事に手が震え、旨く作れなかった料理の味は言うまでもない。スローヴィクに酷評され、ショックを受けたタイラーは…。
マーゴは老夫婦の夫と面識あり。実はマーゴは娼婦であった。
タイラーはこのレストランがどういうレストランか知っていた。彼が同伴者を変えた理由。ただ死ぬ為の同伴者。タイラーにとってマーゴはそんな存在でしかなかった。
金持ちやセレブの中で、マーゴは完全なる場違い。
スローヴィクはそんな彼女を見抜いていた。
かと言って、邪険に見下しはしない。
マーゴに問う。君はあっち側か、我々側か。
このレストランの中では独裁者のようなスローヴィク。
圧され、追い詰められる中、ある反撃に転じるマーゴ。どうしようもない愚かな連中で唯一、見かけによらずタフ。
ここ、結構痛快だった。狂人であってもスローヴィクは超一流シェフ。客のオーダーには応えなければならない。
一応グルメ映画でありながら、振る舞われる料理の数々に一切食指動かず。が、マーゴがオーダーしたアレはマジ美味しそうだった。
何を食べたいか、何が口に合うかは、人それぞれ。
マーゴにとっては(おそらく見る我々にとっても)B級グルメであっても最高の美味なのだ。
途中までは一応グルメ映画。
途中、男たち標的のデス・ゲーム。“料理の○人”から“逃○中”に…?
クライマックスは何と表していいか分からない味。
マーゴは脱出に成功。
自身も傲慢だった事に気付いたスローヴィクは、傲慢なゲストたちと共に、最後のデザート。
我らの愚罪を赦したまえ…。
グルメ映画としてもサスペンス映画としてもかなりの珍味。食事に好み分かれるように、本作も好き嫌い分かれるだろう。
先の読めない展開、スリルとブラックユーモア、オリジナリティー、レイフ・ファインズの怪演、アニヤ・テイラー=ジョイの魅力と美肌…嗜んだのは嗜んだ。
でも、メチャクチャ美味しかった。口に合ったとまではいかず。私もB級グルメ好きなのかな…?
よって、星3つ半!
ラストは意味がよくわかりませんがホラーでした。
船でしか行けない選ばれしものだけがいける超高級レストラン
出てくるメニューがおかしなものになっていく。
最終的には全員死ぬことで完成するメニューという全く意味のわからないとのを目指していくサイコホラー。
とはいえ、登場人物は本気でどうにかしようという気はないのか素直に出されたものを食べたりしててよくわからない。もう少し抵抗しても良いのでは?
シェフやスタッフの狂気じみた言動には、恐ろしさを感じるのでホラーとしては楽しめる。
ラストはチーズバーガーを頼んで持ち帰ります、ってことで主人公だけは生きて帰れるというオチ。
ちょっと意味がわからない。
正直、アーニャテイラージョイを見たくて見ました。
映画としては序盤は面白いけど、中盤以降は非現実的で言動が理解できないので面白みに欠けます。
奉仕や創作する人間への敬意を込めて
与える側の人は、この映画を見終わってスッキリするかもしれないけれど、私は最後のメニューに至るまでのシェフやスタッフの愛や美学に共感できず、モヤモヤした。奉仕や創作する人間への敬意を常に忘れずにいたいとは思った。海や炎のゆらめきや料理の映像が怖くて美しかったです。シェフはチーズバーガーを作るときは初心を思い出したみたいに嬉しそうで、何が彼をモンスターにしたのか‥切なかったです。
世にも残酷で悪趣味な晩餐会
舞台装置は完璧です。
太平洋のどこかの孤島。
レストランへ入る前に燻製室、肉の熟成所に案内され、
お腹は期待でぺこぺこ。
近代建築のような瀟酒な外観。
窓からは海が望める。
明るかった空は料理が進むごとに暮れなずみ、
メインディッシュが運ばれる頃にはどっぷりと日が暮れている。
その頃にはこの孤島に佇む一軒のレストラン「ソーホン」は
片道切符の魔窟だと、誰もがが知ることになる。
一人前1250ドルの料金に集まった客は11名。
払える客はもちろんセレブである。
埠頭で小さな船に乗ると牡蠣にレモンのゼリーをあしらった前菜が出る。
ニコラス・ホルトは完璧と感激し、キャンセルされた女友達の代役の
アニャ・テイラー=ジョイは「普通の牡蠣の方が良い」と不満気である。
この2人の温度差は縮まるどころが広がるばかりだ。
予約が取れないことで有名な「ホーソン」
オーナーシェフのジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)が
独裁者のように君臨している。
眼光の鋭さ、睨まれたら縮み上がる怖さ、そしてカリスマ性、
レイフ・ファインズは正に適役。
客は11人と少ないのに厨房スタッフはザッとみても20人位いる。
スローヴィクの命令にスタッフは、必ず大声を揃えて
「YES SHEF」と答える。
この掛け声、コロナ前の日本の居酒屋や回転寿司店の、
「いらっしゃい!!」を思わせる。
(お終い方で梅干しなども出て来る)
「私が、スローヴィクを見出して有名にした」と自慢する
有名料理評論家。
一品目で涙ぐむニコラス・ホルト。
すぐに煙草に火を付けたがるアニャ・テイラー=ジョイ。
(彼女の美しさ怪しさが一番のご馳走で見所なのだが、)
落ち目の映画スター(ジョン・レグイザモ)
マナーの悪いIT長者の3人組とグルメの老夫婦。
そしてなぜかスローヴィクの母親が1人混ざっている。
2品目。
パンの載らないパン皿。
パンは庶民の食べ物なので、セレブの皆さまには付けるソースだけ。
ソースの濁りを指摘した料理評論家には、大皿一杯なみなみの
御代わりが運ばれる。嫌味だ。
そうなのだ。
スローヴィクは客たちに悪意を持っている。
難癖をつける料理評論家。
海外へ違法に送金しているIT長者。
(トルティーヤに印刷された海外送金許可証)
11回訪れて料理名ひとつ覚えない常連客にも。
3品目は、
「記憶」でした。
4品目。「混乱」
副料理長の《ジェレミーのお持てなし》
これをを受ける頃には、
ここが何処だか客の皆が理解することになる。
天晴れなのはスローヴィクの権力に初めから反抗的で、
この店がやろうとしてる事をいち早く察知した
マーゴ(テイラー=ジョイ)
スローヴィクの自爆テロから脱出する知恵を持ったただ1人の客。
料理をテーマにした映画で私が一番好きで、一番涎が垂れたのは、
「シェフ三ツ星フードトラック始めました」でした。
高カロリー高高脂肪のB級グルメ。
サンドイッチがめちゃめちゃ旨そうでした。
ラーメン、カレー、オムライス、寿司、天麩羅・・・
そんな普通の料理が恋しくなる映画だった。
もちろんマーゴがお持ち帰りにする
肉汁の滴る「チーズバーガー」が一番美味しそうな
食べ物でしたね。
一番早く公開されたトロント国際映画祭の会場になった高級ホテルで
参加者に振る舞われた料理こそが、
チーズバーガーだったそうです!!
(観終わった観客が食べたくなるのは、誰もが、チーズバーガー)
(作り手にはお見通し・・・だったようです)
15万円のフレンチのフルコースとか食べてて、
威張って人を見下してる輩を
皮肉ってる映画だったのですね。
それなら、この映画大好きです。
料理×スリラー映画
最初はクイーンズ・ギャンビットで好きになったアニャ様目的で観に行ったのですが、
今までに体験したことがないホラー映画で恐怖で客を支配するシェフと神かのようにコック達がシェフに絶対的な忠誠をしている点が印象的な作品で、
ところどころ感情が揺さぶれて、実際にその場にいたら頭がおかしくなりそうでした😨💦💦
シェフの一拍で一皿また一皿が運ばれる間の”狂気な演出”が精神を極限までに追い込み、
優雅なひと時のはずのレストランのディナーが徐々に恐ろしいものに変容して客が予想もしてない事態へと向かっていく光景は、
私自身今まで味わったことがないシチュエーションでした😱
シェフのレイフ・ファインズさんがすごくハマっていたり、料理オタクのタイラーのニコラス・ホルトさんが空気の読めないサイコパスを演じていてこの作品の怖さをより加速させる一端を担っているのかなと個人的に思いました🤗
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