「まあ、まず落ち着きなさい」ザ・メニュー ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
まあ、まず落ち着きなさい
と、シェフには伝えたい。
超高級レストラン、ホーソンは専用の船でしか行くことができない孤島に建てられている。
予約が取れないほどのこの人気レストランに、選ばれた数組の客たちがそれぞれの思惑で船に乗り込む。
辛口の料理評論家カップルや落ち目のムービースターなど、その中に若いカップルのタイラーと、一緒に来るはずだった客の代わりに来ることになったマーゴも船に乗り込んだ。
タイラーは料理に対する造詣が深いのに比べて、さほど興味のないマーゴ。
船の中でも牡蠣の一品料理が振る舞われるが、手の込んだ料理を絶賛するマイラーに対してマーゴは普通に牡蠣が食べたいと言う。
2人を含むレストラン客を乗せた船が孤島のレストランに到着する。
素晴らしい料理の数々が出されるはずのレストランでは、思いがけないフルコースが用意されていた。
あまり予備知識を入れず、余計な勘ぐりをせずに物語に集中して観るようにしたんだけど、ジャンル的にはサスペンス的な色合いが強いのかな。Wikipedia様でおさらいしてたらサスペンス・コメディってなってるけど、いやそれはちゃうやろと思う。アハハと笑える部分は、自分にはなかったかなぁ。
ずーっと、なんで?なんで?が続く感じ。
キャストは、監督さんがイギリス人だからかな、イギリスの俳優さんがメインに据えられてる。
主人公ではないかもだけど物語の鍵を握るシェフは名前を言ってはいけないあの人ことレイフ・ファインズ、料理オタクなのに…な彼氏にニコラス・ホルト、実は主役?の謎の美女マーゴにアニャ・テイラー・ジョイ。
アニャちゃんは物語の序盤で上着を脱いで、薄っすうすのワンピース一丁で残りのほとんどを過ごしてくれるので、もうその時点で星2.5は確保したも同然。
序盤からシェフのジュリアンが一品ずつ料理の蘊蓄を語ってから皿が運ばれ、その趣向に通…ぶった人達はいろんな言葉で料理を讃えていくんだけど、その間もなんとなーく不穏な空気が流れていて、これはよろしくない展開が待ってるなぁと想像させる。
中盤以降の展開は、序盤からの流れを丁寧に追っていけばある程度は想像できると思うんだけど、まあそれにしてもちょっとね。気持ちは分からんでもないけど果たして世の高級レストランのシェフ達は、そうそうそう!って頷くんかなぁ、だとしたらちょっとレストランでの振る舞いを考えんといかんわ。
全体を通じて、お料理に例えると素材に対してスパイスが強過ぎるんかなぁという感じ。そんなに毒々しい素材でもないのに、超絶マサラ風味が…あ、いかんインドの記憶が!
ともかく、序盤から中盤のアプローチはなかなか魅力的、メニューにいろんな思いを乗せて披露していくスタイルは面白かった。それだけにもう少しそのスパイスに見合う素材が欲しかったかなぁ。流れ弾多数な気がした。
最初に言ったようにアニャちゃんでもう星2.5ゲットしちゃってるから、まああとはお察しで。