「ある意味で珍妙で人を選びそうだけど、真面目に作られたと思われるところも多々。」ザ・メニュー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味で珍妙で人を選びそうだけど、真面目に作られたと思われるところも多々。
今年333本目(合計608本目/今月(2022年11月度)20本目)。
結構ここでは評価が割れているみたいですね…。
予告編その他からなどからでは、「あるツアーで超豪華レストランに行ったら、そこのシェフ長と料理人たちが何か悪さをたくらんでいて…」みたいなストーリーに「だけ」見えますが、本編はそれは当然そうであるものの、結構あれこれ仕組まれています。
結局のところ、シェフ長の方の言い分はおそらく「高級食材の(貧富の差から生じる)極端な「食べる権利」の偏りに対する憤り」、あるいは、「シェフ長(あるいは、高級レストラン)とて、お金さえもらえれば何でもかんでも言い分をきいてもらえると思ってはいけない」、または単に「個人的なうっ憤がたまりすぎ?」等いくつか考えられますが、映画の中ではどの解釈も可能と思います(よって、この点は見られた方個人で解釈が異なるかな、と思います)。
一方で、「趣旨が若干よくわからない」タイプの映画である割に、出てくるそれぞれの料理に対して「料理映画」並みに細かい説明が英語で説明がある(もちろん、日本語訳もある)など「妙に変なベクトル」な映画で、おそらくそういう部分も含め、いわゆる「ブラックユーモア的な部分」も「程度の差はあれ」こめられたのではないか、という印象です。特に他の方も書かれている通り、「まともな料理」は大半出てこないのに、最後に出てくるチーズバーガーが一番おいしそう(日本で頼むと2000円くらいとられそう、いわゆるハンバーグ専門店などでしか食べられないタイプのもの)など、妙な突っ込みどころが多いです。
なお、一部、法律ワードが飛んできますが(お店の所有権を譲ってもらっただの何だのという話)、それは結局(日本でいえば)民法177条の話で、これをまともに解釈すると映画として成立しなくなるので(かつ、アメリカ映画なので日本民法の解釈通りとは限らない)、この一部の法律ワードは飛ばしても構わないのではないかと思います(それはストーリー上のポイントになっていません。これがストーリーのポイントになっていると大減点を免れない)。
採点に関しては下記を考慮しています。
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(減点0.3/やや「ジャンルだまし」という批判は免れない)
・ まぁ、予告編から「ある程度、ミステリーものかな?」という点はわかりうるし、ここでもさんざん酷評された「さすがに想定不能が過ぎる」という「「それ」がいる森」レベルでは到底ないものの、「おいしい料理を堪能できる映画」でもなければ、実は「ミステリーもの」とも言えない(ミステリーとホラーを足して2で割ったような感じ?)という部分はあります。
ただ、「一応推測はできる範囲」ではあるし、結局「ジャンルだまし」系での減点は、ここでさんざん酷評されまくった「「それ」がいる森」がどうしても基準のひとつになりますが、それと比べればどうみても「ジャンルだましの減点幅」はこの程度にすぎません。
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まぁ、多くの方が書かれている通り、「帰りに(2000円くらいする、いわゆる超高級)ハンバーガーを買って帰りたいな」という感想は多かれ少なかれ持たれるという点は賛同できます。