「コメディを交えて描く思春期ブロマンス」カラオケ行こ! にげたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディを交えて描く思春期ブロマンス
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年頃中学生・聡実くんと大人ヤクザ・狂児のカラオケを通じ、等身大の思春期と不思議な絆を描いた良作!
合唱部員達がみせる多感な年頃らしい不器用さや無邪気さには好感がもて、コメディシーンも素直に笑えて楽しめました。
歌に大切なのは愛というお花畑なアドバイスや、何度も繰り返される「紅」など、劇中の様々な要素が結びつき、ラストの聡実くんの歌唱には心動かされました。
今までのように歌えなくなる不安や大人への変化に対する戸惑いの中、聡実くんが狂児に抱いた感情は何だったのか。
友情であり、憧憬であり、親愛であり、恋のようにも見え。
一言では言い表せない、どこかもどかしいような感情は、思春期そのものと重なるように思えます。
巻き戻せないビデオデッキと消えてしまうミナミ銀座からは、一度きりの青春の尊さと儚さを感じました。
ただビデオデッキは買い替えられ、ラストで巻き戻されるVHSの映画たち。
青春は過ぎ去るだけでなく、いつか再び、そしてあっさりとやってくるものなのかもしれません。
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