「中学生とヤクザ」カラオケ行こ! まこやんさんの映画レビュー(感想・評価)
中学生とヤクザ
内容もよく知らずに鑑賞。
面白かった!
ヤクザの親分の誕生日に毎年、スナックかつ子で開催されるカラオケ大会。そこで最低点を貰うと
親分からど素人の刺青を彫られるというおまけ付き。そこで、悩んでいたヤクザ成田狂児は合唱コンクールで歌っていた合唱部、部長の岡聡美君に声をかけ『カラオケ行こ!』と誘う。
この二人のやり取りが絶妙。真剣に歌を享受
しようとするヤクザに中学生が駄目だしをする。
しかも歌唱するのはXの紅。
綾野剛の歌う前、歌唱後も最高だ。
裏声が気持ち悪いですとか、手は振らない
方が良いの駄目だしの言い方も面白い。
岡君も彼のカラオケに付き合いながら、声代わりで少し悩む姿も微笑ましい。中学らしい悩み。
ライバルでもある後輩や、彼を補佐する副部長とのやり取りも部活っぽくて良い青春。
映画部の幽霊部員でもある彼は映画を観ながら、たわいもない会話をして答えてくれる同級生は有り難い存在。
部長故に悩みも相談しにくいし、自分とは
違う観点で答えてくれるのは心の拠り所。
愛とは与える物だと学び、母親が父親にシャケの
皮をスローモーションであげるシーンは中学生の
感受性を刺激。
不思議な御守り、鶴から亀になった傘。
怒るとフリーザみたいとかはクスッと笑う。
小ネタも小刻みよく登場。
最後に合唱祭に参加せず、狂児が亡くなったかもしれないと思い、スナックかつ子に突撃。
暴言も吐き捨て、紅を熱唱。
狂児は生きててトイレに行ってたと。
熱くもあり、涙腺が緩むシーン。
彼らの中で生まれた不思議な信頼関係。
拠点としていた南銀座も失くなり新しい
建物が。そこには狂児の姿が。
腕には聡美と刺青が彫ってあった。
二人の演技と、まの取り方、表情も良かった。
また観たい映画でした。