「多言語が飛び交うので結構耳が忙しい、地味ながら複雑な味わいがあるポリティカルサスペンス」デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
多言語が飛び交うので結構耳が忙しい、地味ながら複雑な味わいがあるポリティカルサスペンス
びっくりするくらい地味なポリティカルサスペンス。フィンランド独立記念日の式典を開かれていた大統領宮殿がテロリストに占拠されますがまず展開されるのが交渉人を立ててのネゴ。結構ここに尺を割いている点が冗長ですが、ここで立てた登場人物のキャラがクライマックスで生かされます。戦争犯罪人の釈放が目的だったテロリストの行動が二転三転する展開はなかなかスリリングで、フィンランド治安警察の所属ながらEU合同警察に派遣されている主人公タナーが人質となった要人の警備に就いていて拘束された同僚シルヴィアを救助するためにEUとフィンランド双方の思惑に配慮しながらテロリストを追うストイックさがカッコいいです。勧善懲悪を拒否して不穏な余韻を残すエンディングが廃墟で展開されるありきたりなアクションシークエンスを上手く補っていて鑑賞後の後味は意外とスッキリしています。
英語、フィンランド語、スウェーデン語、フランス語、ロシア語と様々な言語が飛び交うので結構耳が忙しくなりますが、何の知識もない言語の中にも耳につくセリフがあったりしてそういうところも楽しい作品です。
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