「なんでもあり」イリュージョン 鰹よろしさんの映画レビュー(感想・評価)
なんでもあり
一世を風靡した歴代マジックの種明かしを生業に、また自身らでより危険で過激なマジックを開発し世界的な注目を集めているロマノフ3兄弟。
この度さらなる飛躍を賭けたマジックショーに臨むが、なにやら不穏な空気が漂い始める。アシスタント兼フィアンセが消失しマジックに数々の妨害工作が。その時インカムから何者かの声が...
犯人との攻防をマジックの種明かしに託けて華やかな表舞台と地味で陰険な舞台裏の行き来を通じて、花形と裏方のいざこざギクシャク諸々を通してスリリングに展開していく様は見事だし、細かなブラフやフラグを個々の反応の差異や一挙手一投足で魅せようとする演出もかなり丁寧。
ただ、後々の種明かしのために必要な演出の数々を、その一連の流れにそぐわないカタチで強引に挿み込んでいるのは気になってしまうところだし、それに通じていくだろうちょっとした小ネタというか小手先のトリックを、その工程を描かずして結果だけ添えて魅せるのはどうやったって不公平感が付き纏う。
それに何より問題を解消する術(トリック)が、個々の能力や技術的な側面を一切排除した映画という媒体それ自体になってしまっているのが非常に残念だった。まぁでも気軽に手軽に面白いけど。
「グランド・イリュージョン」シリーズ...「プレステージ」(2006)...「グランドピアノ 狙われた黒鍵」(2013)...「フォーカス」(2015)...「ザ・モンスターハンター 魔界都市」(2020)...
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