「ファンタジー寄りなホラー?」Come Play Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ファンタジー寄りなホラー?

2023年8月21日
Androidアプリから投稿

ユニバーサル映画の割には日本での扱いは「マイナー映画」の様だが、それなりに予算もある為かチープさはもちろん無い。だが、ホラーとして満足できるかと問われたら難しいところだろうか。その1番の理由はただ1つ。怖くないという事だ。近年、同じ様な感想をアメリカのホラーで感じることが度々あるが、例を挙げると「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」や「呪い襲い殺す」、「マーシー・ブラック」等だ。それら作品に共通しているのが、低年齢層に支持されやすいテーマの作品だという事だ。都市伝説やスマホ、ソーシャルメディア等の若者向けのテーマだとどうしてもエンターテイメントとしては良くても本格的な怖さが足りないように思う。
ただアメリカはこの手のホラーだけでなく本格ホラーやスプラッタホラーなど振り幅が大きい為ファンも離れずにある程度の興行収入を得ているのだろう。
本作では自閉症の男の子が主人公となるのだが、言葉が話せない為使用しているツールであるスマホを媒介して闇の友達が忍び寄ってくるというものである。ある種の行動制限とも取れる環境下で進む物語は非常にスリリングであり、執拗に追ってくる怪物も中々怖い。展開としてはベタだが、友情、家族愛、子どもならではの冒険心等が本作には詰め込まれている。ラストの展開は切ない様な愛おしい様な不思議な展開だった。
どうでもいいのだが、DVD販売時は原題の「Come Prey」であり、配信時は「ラリー スマホの中に潜むモノ」というタイトルになっている。パッケージも違ったりすると稀に同じものを観てしまう事がある為出来れば避けてほしい。

Mina