「監督の事後トークも含めて考えたこと」窓辺にて てつさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の事後トークも含めて考えたこと
留亜の文学賞授賞式の会見で、茂巳の丁寧な質問に対して留亜は関心を深める。その遣り取りで語られた愛を手放すかどうかという問題に関係して、監督の事後トークでは、愛を手放せない人物を描いた『愛はなんだ』に対照した本作のテーマであり、福島出身だけれど、東日本大震災後の家族の絆の強調には疑問があると言い、稲垣吾郎氏の台詞は監督の当て書きなのかという参加者からの質問に対して肯定された。文学書を読む場面が多いのは意図的なのかという質問に対しては、監督自身は学生時代は文学は苦手だったが、映画では意図的に入れ、自分で創作した内容をつくっている、と話していた。テレビドラマ『アンメット』に監督自身が出演したことに関係した質問に対して、二回出演し、そのときの若葉竜也氏の演技が、映画のときの演技と同じ動きにして、二人で楽しんでいた、と話していた。最後にパフェを二つ注文して一つに減らした理由についての質問に対しては、単純に相手が店から出て行って帰って来ないと思った、というのが一つの答えだが、観客がそれぞれ違う答えを考えるのも面白い、と話していた。画面のサイズに関する質問に対しては、スタンダードより少し横長にしているが、近年はスタンダードで制作する人が増えている、と話していた。対話の場面が多く、視点はどこに置いているのか、模範として小津監督や濱口監督を意識しているかという質問に対しては、観客と同じ目線に置いている、と話していた。贅沢に関して、パチンコで大勝ちするのもその一つだ、という話もあった。確かにパフェや焼肉は美味しそうだった。不倫をする役回りの男優二人が揃って髭面で、女優二人が揃って髪が長いところが、見分けがつかず、関係性がわかり難かった。