「純文学」窓辺にて CBさんの映画レビュー(感想・評価)
純文学
テアトル東京とテレ東だ。けっこういい組み合わせなんじゃない?と期待しちゃう。そして期待は裏切られなかった。
傑作小説を書いた後、小説を書いていない男が、妻の浮気を知るが、それに怒りを覚えない自分に大いにショックを受けて日々を過ごすという話。
フリーのライターをしている彼が文学賞受賞式のインタビューで知り合い、なんだかウマがあうというか兄か父のように慕われる女子高生小説家との関係をまじえながら、今泉監督・脚本ワールドは、今日も淡々と語られる会話劇。
今回の作品は、今泉大人ワールド。小説でいえば、純文学。芥川賞であって、決して直木賞じゃない。その分、俺には少し敷居が高いらしい。
例えば「帰って来て手を洗う」という行為。繰り返されるので、何かを象徴しているのだろうな、と思うけれどわからない。面白い映画、楽しい映画なんだけど、そういうところがわからない自分がもどかしい。いつか、俺も成長したら、フルにわかるようになるのかな。それとも、「わかる」ものじゃなくて、「感じる」ものなのかな。
とはいえ、楽しかった。さすが今泉監督。ありがとう。
おまけ1
ラストでパフェを一つにしたのは、「いや、やはり彼女に言われて二人で食べるべきだよな」と思ったからなのかな。きっと主人公にとって、パフェの時間はちょっと幸せな時間だったんだろうな…
パフェ=フランス語でパルぺ。へえ〜。
おまけ2
ナレーション、誰だったんだろう?
以下は、劇中セリフなのでネタバレかも。観てない人、ご注意ください。
・手に入れる、手放す、生きているとその二つしかないのかな。
・相手を信頼することでしか繋がれない。
・喧嘩も手放すことも、相手を知りたいから起きること。それは、自分のためじゃない。
・嫉妬心や恋心が恥ずかしくて。
・周りの人間を見下しているから、誰にも相談できないんだよ。
CBさん
コメントありがとうございます♪
小説「ラ・フランス」の文章の引用が、ナレーションになっていたようですね。
音楽の少ない映画で、玉城ティナのナレーションの部分にだけ静かなBGMが流れていましたね。
後は、雨音とか水を流す音・・・などでした。
本当に純文学的な映画で、静かな稲垣吾郎演じる茂巳の生活に
動的な光を差す瑠亜。
離婚を選んでも不思議と心が静謐な茂巳。
CBさんの仰るように「幸福」の方向が今までの今泉作品とは異質!!
こう言う「一人」とか「孤独」に充足してる男性も多いのかも
知れませんね。
(やはり、私もよく分かりませんでした・・・)
でもロマンチストな男性の支持を多く受けていますものね。
じわじわと効いてきますね。
コメントありがとうございます!
今泉ワールド全開の映画でしたよね。私にとっても少し敷居が高かったですが、このThe・文学的映画にちょっぴりの笑いというのが最高に楽しめました。
おはようございます。
コメント有難うございます。
今泉監督自ら脚本を書き下ろした作品は、仰るように台詞が好きなんですね。何も起らないようで、登場人物の心の何かが微妙に変化して行く様の描き方は天下一品だと思います。では。