「絶妙の間から繰り出される今泉マジック」窓辺にて bionさんの映画レビュー(感想・評価)
絶妙の間から繰り出される今泉マジック
今泉ワールド全開。会話の間がここまで面白い作品ってある?
会話自体がユーモラスなのに、絶妙な間から繰り出される思いもよらぬ次の句。驚いたり、笑ったり、すごく突き刺さったり、このマジックがあるからたまりません。
クズ属性をもつ男の役といったら、若葉竜也。今回も、世の女性が聞いたら激怒するようなセリフをさらっと言ってのける。かと思えば、奥さんの前でキョドったりして、めちゃくちゃ人間臭い。もう、今泉組に欠かせない。
今泉監督が、どこまで当て書きしているかわからないけど、玉城ティナの魅力を余すことなく引き出している。ロリータっぽい表情をしながら、おじさんライターの稲垣吾郎をSっ気たっぷりにからかったり、物憂げな顔で核心をつくような事を言ったりする。
鋭い感性を持つ高校生作家でありならが、ヤンキーの彼氏がいたりするなんて理解できないけど、理解したくなる。そんな久保留亜になりきってます。
今泉監督にかかると、すべての役者が生き生きとする。143分と時間は長めだけど、「好きという感情」は何であるかをたっぷりと味わって、自分の結婚生活まで振り返ってしまう。そんな作品でございます。
追記
作品中にでてくる喫茶店は、大森にある「珈琲亭ルアン」らしいが、なんとパフェはない。
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