「【”様々な愛情の形・・。”二組の夫婦と一組の恋人達の、相手を気遣いながら、不倫を絡めた愛を模索する姿を描いた、静やかなる作品。今泉力哉監督のオリジナル脚本のレベルの高さに驚いた作品でもある。】」窓辺にて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”様々な愛情の形・・。”二組の夫婦と一組の恋人達の、相手を気遣いながら、不倫を絡めた愛を模索する姿を描いた、静やかなる作品。今泉力哉監督のオリジナル脚本のレベルの高さに驚いた作品でもある。】
ー フリーライターで元作家の茂巳(稲垣吾郎)は、妻紗衣(中村ゆり)が、若い人気担当作家、荒川(佐々木詩音)と浮気している事に気付くが、怒りの感情が湧いてこない自分に困惑していた。
そんなある日、文学賞受賞式のインタビューを切っ掛けに、知り合いになった高校生作家留亜(玉木ティナ)に受賞作のモデルに会いたいと申し出るが・・。
又、茂巳の知り合いの正嗣(若葉竜也)と妻ゆきの(志田未来)との夫婦関係も、正嗣の不倫により、微妙になっていて・・。-
◆感想
・不倫は許されるものではないと思っているが、今作はその不倫そのものを”結婚していても、人を好きになる事はある。”と言う監督の想いで、物語は紡がれて行く。
・愛しているのに、切っ掛け(旅行など)が無いと、大切なことが聞けない二組の夫婦と、高校生作家のカップル。
ー 皆、自分が傷つく事よりも、相手を傷つける事を恐れている。ー
・茂巳は、紗衣の母(松金よね子)の家をケーキを持って、頻繁に訪れ、義理の母の写真を何枚も何枚も、撮る。
ー 彼の人柄を表しているシーンである。-
■映画の技法としては、夫婦が互いの想いをぶつけ合うシーンを長廻しのワンカットで撮影していることが、効果的である。
<人間とは、簡単に説明できる感情のみを持っている生き物ではない。
この作品は決して分かり易い物語ではないが、私は今泉監督が”愛情とは何か”を問い掛けてくる作品だと思った。
それと共に、2組の夫婦、カップルの愛情を求める姿を描いた今泉監督のオリジナル脚本のレベルの高さに驚いた作品でもある。>
> 今泉監督のオリジナル脚本のレベルの高さ
ですよね〜。相変わらず、素晴らしいです。ただ、自分は「街の上で」みたいな直木賞的な脚本の方が好きなのかもしれません。というか、純文学的なものを「感じる」力が足りないのかも…
共感とコメントありがとうございました。
夫とはほぼ恋愛感情が無く結婚して今に至るので、NOBUさんのように“この人しかいない!”と思えるのが羨ましいです笑
かと言って夫に愛情がない訳ではなく、惚れた腫れたで一緒に居る関係じゃないという……これもある意味、一つの夫婦の形、ですかね?
多くの作品で〈愛する〉について描いてきた今泉監督ですけど、本作は今までの作品以上にレベルが高かったです。
“自分が傷つく事よりも、相手を傷つけることを恐れている”
すごく考えさせられる言葉ですね。作中にも出てきそう。