「ファンタジーとリアルが交錯する純愛物語」愛してる! 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーとリアルが交錯する純愛物語
日活ロマンポルノ50周年を記念したプロジェクト「ROMAN PORNO NOW」で製作された作品の一つとして、白石晃士監督がSMの世界を題材に制作。
元女子プロレスラーの地下アイドルが、SMクラブにスカウトされ、奴隷研修を受けるうち女王様を愛してしまうというストーリー。
実際の地下アイドルでもあった主人公役の川瀬知佐子の、体育会系というか情熱的な雰囲気と女王様・カレン役の鳥之海凪紗のお人形のような冷めた雰囲気のバランスが絶妙。
演技経験が少ない?2人だけではやや心もとないところに、本人役で登場するベテラン高嶋政宏が加わることで映画としてのグレードが上がっているだけでなく、本物にしか出せない空気感が本作に一定のリアリズムを与えている。
逆にSMラウンジ「H」のオーナー役・ryuchellの存在はファンタジーとしての本作を象徴する存在感を発揮していて、高嶋政宏とは鏡合わせの配役になっていると感じたし、リアルとファンタジーが交じり合うことで、主役2人の拙さすら作品の味になっていると感じた。
クライマックスの怒涛の展開は、デイミアン・チャゼルの「セッション」に近い熱量を感じた。
白石晃士作品常連の“あの人”も登場するのでファンは嬉しいかも。
18禁。
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