「兄弟揃って怪優路線」愛してる! いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
兄弟揃って怪優路線
「余り情報を得ずに映画は観る」というのが信条で、ネタバレの片鱗や連想も排除したい主義の自分は、髙嶋兄が監修までしてること自体、鑑賞後に知った位である 確かにその情報は後の方が良かったと胸を撫で下ろしている。というのもそれだけ影響力の強い俳優だけに先に情報を得てしまったら、もう兄の作品としか観れなくなってしまうからだ。別に兄が嫌いなわけはないのだが、あくまで今作品のキモは、まるで少年誌から抜け出たような天真爛漫さが信条の女の子が、カルチャーギャップに驚愕しながら持ち前の体当たりで周りの空気を変えていくという王道の"少年ジャンプ路線"に他ならないと感じた次第である だから、兄の言うSM論(執筆本は未読)がどこまで落し込まれているかなんてノイズとしか思えない。要は色眼鏡で観たくないということである
そんな企画だから、マーケティング的には受け入れられるストライクゾーンは広い 後は演技の問題だが、ここに引っかかりを感じた。いや、主役、敵役、サブキャラ、いずれにしても精一杯努力をしていたのは称賛したいし、きちんと及第点以上は完成している 引っかかる点は、どうしてこの作品に出演したいと思ったのかという動機である。失礼を承知で、勿論ビジネスだからという当たり前の理由は理解出来るし、プロフェッショナルの証は明白だ 只、純粋に"少年ジャンプ"と"SM"という対極の、喩えるならば囲碁と将棋の、プロレスとボクシングの異種戦に挑んだその蛮勇を訊きたいと思ったのだ 否、決して否定など毛頭無い それよりも女優としてのフィルモグラフィーに残るであろう事実を受け入れ、それがネットにTATOOのように残ることを受け入れた決意に、自分のような小心者には想像出来ない強さが伺い知れるのである 決して今作品が駄作という事ではなく、寧ろ、SMの入門として"剃毛"というプレイは理に適っていると、心の中で拍手を送る程である(先ずは羞恥、それをSが自分の身を費やして教える でも陰部の毛は直ぐ生えるけどねw)
主人公と、そのマスター、ライバル、周りの理解者と、第三者であるドキュメンタリー調を呈した撮影者 第四の壁を破る演出でリモコンバイブのスイッチを入れるのも、その羞恥心故の快楽なんていうかなり高度?プレイを披露することで、どれだけ鑑賞者がついて行けるか、その疑問をまるでスポーツ漫画のような演出や脚本で半ば強引に作劇する様は、なかなか実験的で興味深い
頑張ってのアフレコでの喘ぎ声や、決してエロティックとは正反対の健康的な裸体も、そのギャップ萌を意識した演出に、ちぐはぐさを超えたものを鑑賞させて貰った思いである
フィジカルとしての快楽を探し当てる、それを自分の知らない優れたところを認めてくれるそんな人を追い求める願望を叶えてくれる"夢"をもたらしてくれる一種の"神"としてのメタファーを今作品では描いているのだろうと想像するのは穿った観方なのだろうか…
まぁ、"緊縛"はオーバーリアクションだけどねw(でも、自己陶酔型はしばしばため息をつくし、盛り上がりの演出に一役買ってますけどw)
脱ぐのに抵抗はなかったと言っても、だからオーディションを受けているのだと思いますし、芸能人として仕事がない場合、脱ぐことも考えるかもしれません。でも、それがきっかけで売れる場合もありますから、難しいところですね。人間くさいといえば、人間くさい部分ではあります。
いばねまさんコメントありがとうございます!この映画はボンテージ着るだけでもできたかなと思いましたが、脱ぐのを否定している訳ではありません。
何がロマンポルノか?というところは今後も議論されるでしょうね。
本能をくすぐられる感覚なのでしょうかね、理屈を説明することは出来ませんが、他人を責める姿を見せられて自分は放置されるという、所謂放置プレイが快楽に繋がるということを初めて感情で理解できました。