インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのレビュー・感想・評価
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冒険活劇の原点にして最高峰
メインテーマ流れた瞬間にあの頃と同じ感動が甦ります。過去作のオマージュ散りばめられているため、今作が初めての方は過去作見ておくと楽しみが増えますよ。
新たにあの帽子を必ず誰かに被ってほしい!リメイクとかではなく、新たな物語のために!
歳を取るのも悪くない
前作の時点で主役の老いが目立ってたから今作も?心配してたけど。面白かった、正直、長すぎたけど。ストーリーはハチャメチャだが、オープニンクのシーンが過去の話というのが良かった。80歳になった我らがインディジョーンズ、お疲れ様でした!
伝統的なアクション満載!
過去の作品のアクションをしっかり踏襲しており、それなりに面白い展開が続き楽しめる。
逆に言えば目新しさが無いけどラストの約20分は?なるほど、こうなるんだ?と言うストーリー。
それにしてもハリソンフォードはかなり頑張っており、はまだ若いなぁ〜と思いました。
ハリソン・フォードが歳をとっても、監督が交代しても、これは、紛れもないインディ・ジョーンズ
全編、見せ場の連続で、2時間半という上映時間があっという間に感じられる。
アクションも、追いつ追われつのチェイスが主体となっていて、ハリソン・フォードの年齢が気にならないように工夫されている。
ただし、主人公のインディ・ジョーンズが、いったい何をしたいのかがよく分からない。
友人から壊すように言われたダイヤルを、なぜ大切に保管していたのか?
ダイヤルを敵に奪われても、それを取り戻そうとはせず、もう片方のダイヤルを手に入れようとするのはどうしてなのか?
敵も、当然、もう片方を手に入れようとしているはずなのに、それにしては警戒心が薄すぎるのではないか?(おかげで、せっかくのアントニオ・バンデラスが、あんなことになる・・・)
そもそも、2つのダイヤルが揃ったら何か恐ろしいことが起こると分かっているのに、なぜ、わざわざ敵に塩を送るようなことをするのか?(放おっておけば、ダイヤルの力が発揮されることはない!)
そこには、「考古学者の好奇心」では済まされない「自覚と責任」の無さを感じてしまうのである。
敵の爆撃機に乗り込もうとするヒロインが、少年に飛行機で付いてくるように指示する展開も、まるで、これから起きることを予見しているかのようで不自然だ。
ついでに言えば、爆撃機があんなに低空で飛ばなければ、撃墜されることはなかっただろうし、そのくせ、パラシュートで脱出できるだけの高度がいつの間にか確保されているのも辻褄が合わない。
最後は、インディの決断どおりのエンディングにしても面白かったのではないかとも思ったが、それでも、本当の「居場所」を見い出した彼の姿には、やはり胸が熱くなった。
ハリソン・フォードは、これが最後のインディ・ジョーンズと言っているようだが、CGの技術て若くなった彼が活躍するオープニング・シークエンス(これが、結構長い!)を観ると、まだまだ第二次世界大戦前後の時代(インディの敵は、ナチスに限る!)を舞台にしたシリーズが作れるのではないかと思ってしまった。
思い出補正もありかな(^_^;)
1981年に公開された『レイダース』から40年以上の歳月をかけ、ついにインディアナ・ジョーンズシリーズ最終作(第5作)が公開された。ぼくはこのシリーズはすべて、公開初日か翌日には劇場で鑑賞している。
御大ハリソンは80歳。もうこの役は無理なんじゃ……と思わなくもなかったが、そんな不安を一掃するかのようなアクションの連続で、とても楽しかった。
例によってストーリーは単純で、ナチスが絡んだ“伝説の秘宝”をめぐる様々な状況での追っかけっこがメインだ。シリアスとドタバタのバランスが絶妙で、わかっちゃいるけど引き込まれ、手に汗握ってしまう。
そしてラスト。まさかこの映画で泣くとは思わなかった(;_;)。うぐっときた。
残念ながら監督は変わってしまったけれど、シリーズの雰囲気は損なわれていない。そしてルーカスもスピルバーグも製作総指揮として名を連ねている。
初期作品のワクワクを思い出した
前作があんまりにも突拍子もない感じでイマイチだったので、今回はどうなんだろうと疑いつつも鑑賞。
今作は序盤から勢いがあり、え?あれ?!なんで?!とか色々思いながら進んでいきます。
で、途中、中だるみをはさみつつの後半。
え?ローマ?っていう、あまりにもすごい展開に笑ってしまった(いい意味で)。
現代に帰りたくないと駄々こねるインディの気持ちもわかるなぁと思ったり、すったもんだのエンディング。
きれいな着地だったなぁ。
終わり良ければ全て良しってこういうことね。
久しぶりに前のめりにワクワクした作品でした。
このシリーズ全般そうなんだけど、勢いあるぶん殴りシーンが大好きです!
前作『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』観たときには...
前作『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』観たときには2008年にもなってインディ・ジョーンズの新作が観られるとはと思ったが、そこからさらに15年後にまた新作が来るとは思わなかった。
ネタバレは避けますが今作はシリーズの名物の敵の面白い死に様(プロペラで頭が吹っ飛ばされる・蟻に食われるとか・ラスボスもたいてい酷い死に方する)がなくてアッサリしてたのはコンプラのせいかなとも思いましたがスピルバーグの趣味だったんだろうなと、改めて彼が監督してないことを認識させられました。
40年以上に渡って熟成された世界観から一歩もはみ出さない鉄板活劇、オーラスではアラカン大号泣
前作『〜クリスタル・スカルの王国』がプロットで冒険し過ぎて壮絶なスカに成り下がったのを反省したのか、かつてのシリーズへの原点回帰を宣言するかのような第2次大戦下で繰り広げられるオールドファッションな活劇は並のB級アクションならクライマックスになるくらい贅沢極まりないツカミ。運命のダイヤルを巡る冒険のイントロに使われる曲で時代を俯瞰してみせ、以降は期待を裏切らない安定した展開。40年以上に渡る年月を経てガチガチに構築された世界観から一歩もはみ出さずドラマの緩急の付け方やジョークの付け方もオーソドックスなので今回監督がジェームズ・マンゴールドに代わったことによる変化はほとんど見て取れません。
文句の付け所はどこにもありませんがこういう鉄板の冒険譚は映画に限らず無数に作られているわけで斬新な描写というのはもはや相当難しいのかどうしてもあらゆるカットに既視感を感じてしまい、今回チラッとアントニオ・バンデラスが出ていることも相俟って『アンチャーテッド』を観ているような錯覚すら覚えてしまいました。
しかし何といってもオーラスの展開。シリーズの歴史をリアルタイムで観てきた世代はここで号泣することになるでしょう。ということで『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』すら観たことがない人は何にも面白くないと思います。
たまたまですがアストラッド・ジルベルトへの追悼にもなっているところもグッときました。
インディ 最後の冒険の行き着く先は⁈
過去作は全作鑑賞済み
感想
インディ・ジョーンズの荒唐無稽で楽しいアドベンチャームービーの要素と現代映画のリアルな心情描写(引退目前の要素)を上手く両立させている"楽しい‼︎"作品だった。
インディが老いを受け入れて、それでも出来る範囲の限界に挑む強い生き様が素晴らしかった。
過去作のセルフオマージュシーンも懐かしさを感じられて嬉しかった。
今作でラストだからこそ可能だった⁈後半の想定外の物語展開も素直に受け入れる事が出来た。
考古学者の夢を叶えてお終いかと涙したが
ウォンバット(ディズニー)に引き戻され‥‥。
ハラハラドキドキ期待を裏切らない展開で良かった。
重厚な時代背景も納得させるし文句なし。
正直、インディがビートルズで目覚めた時ほっとした。前作がちょっと中途半端感が有ったのでさらに時を経てるので不安は有った。うまくまとまってよかった。
スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け の時も自らの人生の節目にスカイウォーカー家の進展を絡ませてしみじみとしてしまった。どちらもハリソンフォードだったな。ご苦労さんでした。
また全作見直してみたい。
文明の進化がもたらす功罪
回を重ねるごとに「月刊〇ー」チックなトンデモオチになっていった『インディ』シリーズだが、今回はある程度予想出来てたとはいえ、「そうきたか…」という感想。いやもう参りましたとしか言いようがない。
ジェットコースタームービーの代表作ともいえる本シリーズだけど、要となる追いつ追われつのチェイスシーンが、列車、トゥクトゥク、車、馬、飛行機と乗り物自体は代わるものの、どれも似たり寄ったりな印象。「文明の進化によってチェイスシーンを派手に出来る!」と踏んだのかもしれないが、詰め込み過ぎてメリハリがなくなってしまったような…乗り物が車やトロッコぐらいしか出なかった第1~2作目がいかに優れていたか。それより何よりも、ムチを使ったアクションが些末になってしまったのが残念すぎる。
過去作を観てきたファンに向けてのサービスシーンも悪くはなかったけど、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のような取って付けた感が否めず。
とまぁいろいろと苦言を並べたけど、それでもチェイスシーンは観ていて興奮したのは確かだし、80歳という年齢を感じさせないハリソン・フォードはさすが。若い頃のインディを描くために過去作のフッテージを使ったという技術にも驚き。ここでも文明の進化を感じずにはいられず。
あとジェームズ・マンゴールド作品といえば、主人公の仲間や善側になり得る人間をアッサリと躊躇なく殺してしまう傾向があるが(『3時10分、決断のとき』、『ローガン』あたりに顕著)、本作でもそれは踏襲。この不条理な作風はどこから来ているのか、一度じっくり考察してみたいもの。
どこのどいつや‼️❓ドイツ人や‼️❓
ドルビーアトモス、東宝最大画面、特別料金、で鑑賞。
ハリソンフォードはユダヤ人ですから、何か因縁めいたストーリーです。
ナチス再興のために動く悪役たち、なるほど狂信的な行動が必然的です。
アクションが昔風で、CGがあからさまな現代において、ほのぼの楽しめます。
初めてのSF風展開は不完全燃焼ですが、ある意味、インディらしいといえばらしい。
ナチスのミケルソン、名付け娘、少年、いい味出してました。
これなら、これからも作れそうですね、命ある限り、イーストウッドみたいに。
二時間半が夢の中でした、映画ファン🎞🎟🎬🎦なら、是非。
予告編が出来過ぎか…
インディシリーズは最後の聖戦を劇場鑑賞の最後と決めていたが、ハリソン▪フォードが本作をインディ出演最後と言明したので、敢えて劇場鑑賞。劇場で見ると決めて見たので、後悔はないが、色々と残念に思わせる作品。
帰還した飛行士たちを祝うパレードで馬で駆け抜けるインディ…このシーンは予告編で盛んに取り上げられて大いに期待していたのに、ストーリーが平坦で盛り上がりが今一つ。全体として、数種類の予告編を見て想像した、見たいストーリーを上回ることがなかった。
冒頭から同じようなアクションシーンが何度も繰り返されて、後半になると段々と眠気に襲われるようになりついに意識を失う。もっとコメディ要素を入れてもらわないとアクションだけでは、かつてはともかく今日では、他の優れたアクション映画に見劣りしてしまう。
スターウォーズ、ブレードランナーなどに続き、ハリソンの老いの演技を十分鑑賞させてもらい、失われたアークのオマージュでエンディングするのを見届けたことで、とりあえず納得して劇場を出た。
シリーズの面白さを損なわなかった最終作
インディ・ジョーンズ・シリーズは、1981 年に第1作、3年後に第2作、さらに5年後に第3作が作られたが、第4作までは 19 年の時間が空いた。今作まではさらに 15 年の時間が空き、第1作から 42 年が経っている。時代設定は第1作が第二次大戦前の 1936 年で、第2作はそれより前の 1935 年、第3作は 1938 年、第4作は 1957 年、そして今作は 1969 年の設定で、アポロ 11号の月面着陸を祝うパレードが行われたりしている。今作はシリーズ第1作との関連が多いので、第1作だけは見ておいた方が良い。
スター・ウォーズと肩を並べる人気作品であるこのシリーズが、半分ほどの本数にとどまったのは、伝説的な超常現象を題材として含むのが原因ではないかと個人的に思っている。第二次世界大戦前の時代であれば、ヒトラーのオカルト趣味などにかこつけて、失われた聖櫃や聖杯をネタにした物語が作れたが、時代が進むにつれて科学技術の進歩に反比例するようにオカルトは日陰者の存在となり、前作では宇宙人をネタにした話になっていた。人類が初めて月に足跡を残した時代まで進んだ今作の時代設定でオカルトのネタを探すのは極めて困難であるが、ヒトラーの時代に話の発端を置いて雰囲気作りに苦労している。
前作で実の息子が登場して代替わりするのかと思ったが、息子のその後が台詞で語られるだけだったのは、交代が上手く行かなかったことを物語っているのだろう。どんな人気俳優を連れて来てこれが息子だとか言っても、聴衆は納得せず、ハリソン・フォードが出ていないインディ・ジョーンズなど見たいと思わないのだと思う。その気持ちはよくわかる。制作側もそれを認めたようで、今作がこのシリーズの最後の作品になるらしい。
今作のネタはアルキメデスが作った運命のダイヤルと呼ばれる遺物で、あまりに途方もない能力を持つために、悪用を恐れたアルキメデス自身が半分に割って残し、その2つを合体させて復活させるという話を主軸にして物語が進められる。発端となるエピソードは第二次世界大戦でのベルリン陥落の寸前ということなので、1945 年頃の話である。若い頃のインディがかなり登場するが、昔の撮影の使い回しだけでは足りず、今流行りの AI 技術で作った若い頃のハリソン・フォードの顔をスタントマンの顔に上書きしているらしい。やや違和感があるが、かなり頑張っている方だと言えるだろう。
第1作から続くこのシリーズの売りは、とにかく休む暇もなくハラハラドキドキのシーンが続くというサービス満点の作りである。本作も期待を裏切らず、次から次と素晴らしいアクションシーンが続く。カーチェイスやアクションシーンでの起承転結が丁寧に描かれており、次々とケリを付けていくのは小気味良く、それぞれのケリの付け方もいちいち洒落ていてよく出来ている。この辺は脚本家の手柄である。
息子が出て来ないのを補うように、旧知の友人の娘というのが出て来て、アクションの半分くらいをインディに代わってこなしている。旧知と言いながら、名前も聞いたことのない人物である。いきなり見知らぬ旧知の人物が出てくるというのは、現在放送中の大河で「ちむどん」並につまらないと評判のあのドラマで度々採用されている手法で、非常に既視感のある展開だったが、まあ、この作品ではやむを得ないだろうと思った。
アルキメデス絡みで出て来た紀元前 212 年のシラクサイ包囲戦の映像があまりに見事で、製作陣がどれだけ本気でこの映画を作っているかがよく分かった。ただ、空を飛ぶ方法がなかったアルキメデスが「時の切れ目」を作り出すなら、地上か海上のはずである。また、歴史に思い入れのあるインディがああいうことを言い出す気持ちはよく分かるが、あの装置があればいつでも好きな時に再訪できるはずでなので、それを考えないのはおかしいのではないかと思った。
ハリソン・フォードあっての作品であり、2015 年の自家用機墜落事故で無事だったからこそ出来た作品である。本当にビックリしたので、もう自分でレシプロ機の操縦などはやめて欲しい。第1作で馴染みのキャストも多く出演しており、良くぞ今まで健在でいてくれたと思わずにはいられなかった。シリーズをずっと見て来た人ほど感慨がひとしおのはずである。音楽もまた、第1作以降全作担当して来たジョン・ウィリアムスが自ら手掛けており、彼の長寿にも感謝しなければならない。監督は、これまでの4作を監督して来たスピルバーグが制作総指揮に回り、「ウルヴァリン」シリーズなどを監督したジェームズ・マンゴールドに代わっている。これまでのテイストを損なわずによくやってくれたと思う。第1作からリアルタイムで完走できた自分も運が良かったと言うべきであろう。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出5)×4= 100 点。
突っ込み入れながら 見るのが楽しいのねーん。
しかし 良く撮影頑張りましたね。
楽しかったし ラストちょっぴし泣かされましたわ
あのキスシーン
ヾ(((≧▽≦)))/♪♪♪きゅわわわぁーーーん!!
たーまーりーまーせーん。(^Q^)/゚
これぞインディ・ジョーンズ! 余計なことをしない、ファンのためのまっすぐな冒険活劇!
おおおお、何年経ってようがこのマーチかかると、アガるわ、タカブるわ!!
いやあ、大満足。
そうそう、インディ・ジョーンズはやっぱこうじゃなくっちゃね!!
金曜はテレワークなのをいいことに、8時20分からのIMAX回で視聴。
こういうとき、3割くらいの入りでのんびり観られる調布は最高だ。
もちろん予備知識ゼロ。なんの話かも知らずに、ただわくわくしながら観た。
ハリソン・フォードの80歳という年齢を考えると、さすがにアクション映画は厳しいのではとか、がっかりするような老人愛護映画だったらどうしようとか、観る前はいろいろ気をもんだが、そんな心配はご無用。
ハリソン・フォード、超ちゃんと動けてたよ!!
数年前に観たクリント・イーストウッド(当時91歳)の『クライ・マッチョ』なんかは、すでに半分「生き神様」と化したご老体の「年齢からするとかなり頑張ってる」挑戦を、ただありがたく拝みながらみんなで生暖かく見守る、ある種の究極のファン・ムーヴィーと化していた。
でもハリソン・フォードは、イーストウッドと較べればまだ13歳も若い。
今の80歳は、本当に元気だ。
多少、走り方がドタってるし、身のこなしも緩慢っちゃあ緩慢だけど、しょうじき全然気にならないレヴェル。
ぶっちゃけリーアム・ニーソン(70歳)くらいは、動けてる。
少なくともジェームズ・ボンド引退間近のロジャー・ムーアの50倍は、動けてる。
作中のインディ・ジョーンズの年齢が70歳で、冒頭で大学を退官するくらいなので、ちょうどよい頃合いで「めちゃ動ける老人」として動けている感じだ。
やっぱ、今でも飛行機飛ばしまくってて、ときどきガチで人命救助とかして、毎日自転車で50キロも走ってるような人間は違うね!
ちなみにアバンでは、大戦末期、ナチスが支配する城に囚われたインディ・ジョーンズが脱出し、疾駆する軍用列車の上で仲間の大学教授とともに、ナチスの軍人&学者と「聖槍」をめぐって大立ち回りする息をもつかせぬ大活劇が展開される。
このインディが、なんと壮年期のままの姿で登場し、軽やかにアクションを披露するのだ。
えええ? なんで???
観ているあいだは、昔『バットマン』とかでやっていた、フルCGもしくはスタンドのダブルに、顔だけCGではりつけるやつかと思って、ここまで出来るようになるともう俳優なんか要らねえな、みたいな微妙な気分でいたのだが、後でパンフを観てびっくり。
これ、昔撮ったインディ・ジョーンズの映像を(大量の未使用のフッテージもふくめて)再利用しているんだってね。
ちょうど、アニメで前の作品で使った動画を再利用するみたいなことを実写でやっているわけだ。
これだけ自然で流れるようなアクション・シークエンスを、ハリソン・フォードの「ありもの素材」だけで構成できちゃうのか……それはそれで、すげえな。
でも、それだけが延々続くとなると、なんで今「インディ・ジョーンズ」を銀幕に呼び戻したか、まるでわからなくなる。
基本の部分ではやはり、ハリソン・フォード「自身」がきちんとリアルタイムで演じるからこそ「映画の真実味」が生まれるわけで、ちゃんとこの映画はそこを怠っていない。
「壮年期のハリソン・フォード復活」の「お遊び」は冒頭数十分にとどめて、基本は今のハリー本人に結構負荷の高そうなアクションをしっかりやらせている。
だからこそ、冒頭の「復活ご褒美映像」の興奮を、観客は最良の形で「気持ちよく」ポジティヴに受け止められるわけだ。
― — — —
で、全体としての出来は、実際どうだったか。
映画としては、言いようによっては、普通っちゃ普通かもしれない。
てんこ盛りの超楽しいアクションと、秘宝をめぐっての悪漢とのデッド・ヒート。
愉快な仲間たち(勝気な美女と頼りになる子供)との丁々発止の掛け合い。
話の規模自体はかなり大がかりになっているし、あとから大風呂敷のSF要素も絡んでくるが、基本はただそれだけである。
でも、この映画はそれだけでもう十分なのだ。
ただただ楽しく、ヒーローの活躍に酔いしれる「大冒険活劇」。
それ以上でも、以下でもない。
でも、それでいい。それがいいのだ。
話としては結構取っ散らかってる気もしないでもないし、
話の枠組みを広げ過ぎて若干散漫になってる部分もあるし、
ヒロインに120%共感できるかというとそうでもない感じだし、
善玉側がこの「秘宝」に拘泥する理由が今一つわかりにくいのもある。
アクション要素もちょっと盛りすぎたせいで逆に感覚がマヒしてくるし、
カーチェイスは複雑なことをやりすぎて、イマイチ現象がつかみにくい。
潜水シーンはインディ・ジョーンズというよりはクライブ・カッスラーみたい。
(ちなみに「ウナギ」襲撃シーン観て、星野之宣の漫画『妖女伝説』の「メドゥサの首」をめっちゃ思い出しました!)
いろいろあげつらいだしたら、気になる点はいくらでもある。
でも、そういう細かいことはあんまりどうでもいいかもしれない。
この映画は、『インディ・ジョーンズ』や『ロマンシング・ストーン』や『グーニーズ』が撮られていた頃の「昔懐かしい冒険活劇」のテイストを現代に再現することを第一義につくられており、それ以上の変な野望や政治的意図をかませていない「ゆるくて、適当な、大風呂敷の映画」であるからこそ楽しいのであって、べつに「たいした映画」である必要はさらさらないのだ。
この第五弾の「特段要らないことをやらずに」ただひたすらB級活劇に徹している姿は、むしろいっそすがすがしいし、たいした度量を示していると思う。
実写版の『アラジン』みたいに、ヒロインの「女性としての自由」を強調したいがために「貧者は支配者の法に従う必要はない」みたいな極端な危険思想に陥ったりもしないし、
『スター・ウォーズ』エピソード7~9のように、昔馴染のキャラを殺したり絶対やらないようなことをさせたり特攻させたり過去の設定を台無しにしたりもしないし、
『リトル・マーメイド』のように人種とポリコレへの配慮であちこちいじくりまわしたりもしない。
インディは、年老いて偏屈にはなっているが、そもそも彼は出てきたころからけっこう偏屈だったし、昔どおりのキャラのまま齢を寄せて我々の前に姿を現す。
現地での昔馴染との共闘という繰り返される定番ネタ。
おきゃんな美しき相棒に、才気煥発な子供という、最高傑作『魔宮の伝説』そのまんまのキャラ配置。
「ナチス」という敵キャラのわかりやすさ(今回は少し『ダイ・ハード』っぽい「ひねり」がきいているが)。
『インディ・ジョーンズ』なら許される程度の枠内にぎりぎりとどめた形でのSF要素。
旧作を容易に想起させる小ネタの数々(鞭振り上げたら銃をみんなに突き付けられるのって、アレのセルフパロディだよねw)
すべてが『観客が期待するインディ・ジョーンズ』の範囲内にうまく収まっている。
それは裏を返して言えば、「期待していた想像の範疇にとどまる程度の映画」ということであるかもしれない。
実際、地下迷宮のシーンとか、あまりに『魔宮の伝説』のまんまで、ここまでリメイク感覚であちこちから元ネタ拾ってきてて、それで本当にいいのかな、と若干思ったりしたくらいでして。
でも「期待を裏切ってインディ・ジョーンズじゃないような映画になる」よりは、1億倍マシというものだ。
いっぽうで、「余計なことをしない」。その姿勢は徹底されている。
『クレオパトラ危機突破』みたいな「いかにも70年前後に居たっぽい黒人女スパイ」や、「ノルマンディー上陸作戦には参加してたけど今はホテルのしがないボーイの黒人男性」といった感じで黒人は出てくるけど、「まったく違和感のない」形でしか人種の多様性は追求されていない。
敵はほぼ白人ばっかりだし(その理由もあとではっきりと分かる)、女性も(ほぼ)ヒロインのヘレナしか登場しない。ヘレナは『魔宮の伝説』のウィリーよりはずいぶん能動的で今風だけど、このキャラクターを用いて何か政治的な主張をしようといった「いやらしい何か」は全く感じさせない。ピカレスクな部分はあっても、あくまでさっそうとした魅力的な女丈夫である(フィービー・ウォーラー=ブリッジは脚本家のイメージが先にあって、ちゃんと女優として観たのは初めてだったんだけど、この人、こめかみに結構大きなしみというかあざがあるのに、まったく気にする感じがないのね。すげえかっこいい!!)。
あとこの映画、別に殺しの許可証を持っているわけでもないインディ・ジョーンズとヒロインと子供の手にかかって、結構な数の悪党が命を落とすし、周りにもかなり甚大な被害が出まくっているが、作り手にそれを気にしている気配が全くない(笑)。
ヒーローが活劇やったら、周囲の有象無象は死んで当たり前という「チャンバラ」精神をしれっと踏襲&発揮している。先にこの映画のスタッフは「肝が据わっている」と言ったのは、まさにそういう部分だ。
作り手は「面白くて、昔のファンがみんな喜んでくれるようなインディ・ジョーンズ」を製作することにとにかく全力を投じていて、それ以外のいやらしい「現代的な付け加え」や「政治的配慮」や「リメイクだからこそのチャレンジ」を見せつけようという「心底くだらないポジション取り」に(少なくとも表面的には)色気を見せない。
いやー、それでいいんじゃないすか? 個人的にはたいへん好感がもてるよね。
少なくとも、俺はスタッフの「旧作愛」をひしひしと感じたし、演じているハリソン・フォードも実に楽しそうだ。
仲間として出てくるアントニオ・バンデラス(俺、エンドクレジットまで気づかず。こんなにおじいちゃんになって……w かつてはアンディ・ガルシアと並び称されるセクシーガイだったのに)や、マッツ・ミケルセン(ヴェルナー・フォン・ブラウンが元ネタだよね。44年も69年もあんまり変わらない風体で出てきたが、この人自体四半世紀くらいで風貌に変化がなさそうな印象なので違和感なし。悪役やるときのマッツさんはホント生き生きしているw)も、本当にエンジョイしているのが伝わってくる。
それでもう、自分としてはじゅうぶん大満足なのだ。
当然ながら、本作は70歳のインディ・ジョーンズの活躍を描くことで、「老いらくのヒーロー」「ヒーローの終幕」をテーマにせざるを得ない。
いかにヒーローに齢をとらせるか。
ヒーローの最後(最期)にどのような華を添えるか。
悪役たちとインディたちが飛行機に乗ってから後の展開と、最後に訪れるエピローグは、未見の人に話す内容ではないから、ここでは敢えて触れない。
でも、個人的には、現地でインディが口にした「願い」にはちょっとほろっとしてしまった。このヒーローならではの「特性」がちゃんと反映された本当に心からの願いであり、一瞬「そう終わってもいいのかも」とか思っちゃった。
ラストも、微妙に狙いすぎの気もするけど、こうきたか、という感じ。
なお、こういう「懐古的」な冒険活劇の舞台を、よりによって1969年に設定する感覚は結構面白いかも。碩学マーク・カーランスキーに『1968 世界が揺れた年』という著書があるが、この時期はまさに政治の季節のなかで世界が揺れに揺れた頃であり、ベトナム戦争からキング牧師とケネディの暗殺、プラハの春、五月革命、アポロの月到達といった前年の激動を受けて、学生運動やフラワーチルドレンが活発化し、初めて人類が月に降り立ち、ウッドストックが開かれた。フランスではちょうど、ゴダールが毛沢東に接近して政治化していた頃だ。
そんな先鋭化したヒッピーカルチャー花盛りの時代を背景に、鞭を振り回す老考古学者の冒険家が、モロッコやシチリアといった「古都」をめぐって、馬やらボロ車やらを乗り回し、よりによってナチスの残党たちと戦っている「由緒正しい旧態依然の活劇感」が、なんとなくミスマッチすぎて、逆にオフビートな得も言われぬ味わいを生んでいるような。
個人的には、おすすめです。
あまり期待しすぎずに、インディ・ジョーンズ最後の冒険をぜひお楽しみに!!
見て損なし!
往年の大スターが無理やり皺を伸ばして若創りしている作品を見るとなんか侘しくなって来るのですが、この作品はその点の工夫が上手いです。
カーチェイスも含めハラハラドキドキ、どうやって撮影したんだろう?幾ら掛かったんだろう?と下衆の勘繰り迄してしまいました。
面白かった。
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