インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのレビュー・感想・評価
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伝統的なアクション満載!
過去の作品のアクションをしっかり踏襲しており、それなりに面白い展開が続き楽しめる。
逆に言えば目新しさが無いけどラストの約20分は?なるほど、こうなるんだ?と言うストーリー。
それにしてもハリソンフォードはかなり頑張っており、はまだ若いなぁ〜と思いました。
ハリソン・フォードが歳をとっても、監督が交代しても、これは、紛れもないインディ・ジョーンズ
全編、見せ場の連続で、2時間半という上映時間があっという間に感じられる。
アクションも、追いつ追われつのチェイスが主体となっていて、ハリソン・フォードの年齢が気にならないように工夫されている。
ただし、主人公のインディ・ジョーンズが、いったい何をしたいのかがよく分からない。
友人から壊すように言われたダイヤルを、なぜ大切に保管していたのか?
ダイヤルを敵に奪われても、それを取り戻そうとはせず、もう片方のダイヤルを手に入れようとするのはどうしてなのか?
敵も、当然、もう片方を手に入れようとしているはずなのに、それにしては警戒心が薄すぎるのではないか?(おかげで、せっかくのアントニオ・バンデラスが、あんなことになる・・・)
そもそも、2つのダイヤルが揃ったら何か恐ろしいことが起こると分かっているのに、なぜ、わざわざ敵に塩を送るようなことをするのか?(放おっておけば、ダイヤルの力が発揮されることはない!)
そこには、「考古学者の好奇心」では済まされない「自覚と責任」の無さを感じてしまうのである。
敵の爆撃機に乗り込もうとするヒロインが、少年に飛行機で付いてくるように指示する展開も、まるで、これから起きることを予見しているかのようで不自然だ。
ついでに言えば、爆撃機があんなに低空で飛ばなければ、撃墜されることはなかっただろうし、そのくせ、パラシュートで脱出できるだけの高度がいつの間にか確保されているのも辻褄が合わない。
最後は、インディの決断どおりのエンディングにしても面白かったのではないかとも思ったが、それでも、本当の「居場所」を見い出した彼の姿には、やはり胸が熱くなった。
ハリソン・フォードは、これが最後のインディ・ジョーンズと言っているようだが、CGの技術て若くなった彼が活躍するオープニング・シークエンス(これが、結構長い!)を観ると、まだまだ第二次世界大戦前後の時代(インディの敵は、ナチスに限る!)を舞台にしたシリーズが作れるのではないかと思ってしまった。
泣いた。ありがとうインディ。さようならインディ。
2023/6/30公開日に鑑賞。インディ四作を何度となく観たファンだが、泣いたのは初めてだ。インディを好きで良かった。
色々言いたいことはあるし、アクションはどうしても過去より動けないハリソン・フォード(そら80歳だし、むしろ凄すぎる)という制約があり、カメラワークで誤魔化してるのかなーと途中感じざるを得ず、過去三部作(あえて4作目は含めず)の血湧き肉躍るあの感じを求めると少し厳しい、何だか乗り切れない所もあった。
でも、このストーリーを通じて伝えたいメッセージが何か、何故インディはあの場所から帰ってこなければならなかったのか、なぜヒロインにぶん殴られたのか。それが分かった時に涙腺が崩壊した。
人は人生で色んなものを得て、早かれ遅かれ失っていく。そこから逃げたくなったり目を背けて、自分の好きなもの都合の良いものだけに閉じこもりたくなる(その閉じこもり方がインディは異常だが笑)けど、今ここで人は、失った痛みと共に今あるものを抱きしめながら、生きていくべきだ、というメッセージ。
考えてみればインディ映画は痛みの歴史。何かを手に入れるために戦い傷つく体の痛み。せっかく手に入れても、結果的に思ったようにならなかったり、手に入れなれなかったことへの心の痛み。(手に入れられる話、ハッピーエンドの魔宮の伝説は評判が悪い。自分もイマイチだ。痛みと喜びが混じり合う哀愁漂うレイダースや最後の聖戦が好きだ)今回は冒頭から痛ましい限りのインディが、どういうラストに向かっていくのか。そして、あのラストシーン!まあ考えつくレベルの発想かなとも思うけれど、あれであれが良かったんだと思う。
それにしても、「西に向かったようだ!」は迷言過ぎて酷い笑 なぜ誰もあれにダメ出ししないのか。笑 まあ、そんな言いたいことも色々あるけれど、なんだかんだで最後まとまったからオッケーとしよう。
大衆映画、ここに極まれり。是非多くの人に観て欲しい。
アドベンチャーおやじ。
伝説の秘宝「運命のダイヤル」を探す話。
バジルの娘ヘレナが成長しインディへの元へ、海へ落とし紛失したと思ってた「運命のダイヤル」半分はインディが保管していた、残りの半分を探し一花咲かそうと持ち掛けてきたヘレナ、秘宝「運命のダイヤル」を探す旅に出るインディとヘレナのストーリー。
インディジョーンズ特有の独特なBGMに、画面の色というか中国の黄砂のような色と書けば伝わるのか、洞窟内のシーンも何か見覚えのあるような感じで懐かしく、全て含め楽しめました。
とりあえずインディとヘレナ、口より先に手が出るな!って感じで笑えました!(笑)
本作でインディ・ジョーンズシリーズもラストとっ事でハリソン・フォードさんお疲れ様でしたって感じです!
別の作品でまた元気な姿観たいな!と思いました。面白かった!
思い出補正もありかな(^_^;)
1981年に公開された『レイダース』から40年以上の歳月をかけ、ついにインディアナ・ジョーンズシリーズ最終作(第5作)が公開された。ぼくはこのシリーズはすべて、公開初日か翌日には劇場で鑑賞している。
御大ハリソンは80歳。もうこの役は無理なんじゃ……と思わなくもなかったが、そんな不安を一掃するかのようなアクションの連続で、とても楽しかった。
例によってストーリーは単純で、ナチスが絡んだ“伝説の秘宝”をめぐる様々な状況での追っかけっこがメインだ。シリアスとドタバタのバランスが絶妙で、わかっちゃいるけど引き込まれ、手に汗握ってしまう。
そしてラスト。まさかこの映画で泣くとは思わなかった(;_;)。うぐっときた。
残念ながら監督は変わってしまったけれど、シリーズの雰囲気は損なわれていない。そしてルーカスもスピルバーグも製作総指揮として名を連ねている。
初期作品のワクワクを思い出した
マンゴールド君、ちょっと来なさい
小学生の頃の僕は落ち着きがなく、薄っぺらい考えしか持ってないバカな児童でした。毎日のように先生に注意を受けてました。先生から雷が落ちる時は決まって
「らいくん、ちょっと来なさい」
この台詞を言われ、その後別室に呼ばれて大目玉を喰らっていました。
映画を観終わって社会人になった僕の横にもし監督がいたら彼を呼び出して視聴覚室に呼び出し、お説教をしたでしょう。
「なんで、マットを殺してるんだい?」
「なんで、地下鉄の馬疾走シーンでメインテーマ流さないんだい?」
「モロッコに行くとき、地図に赤線引っ張りシーン忘れてたでしょ」
「真面目にやりなさい!真面目に!」
いや、全体的には面白かったですよ。オープニングも別に悪くなかったですし。過去に行く場面でインディが真っ先に大陸移動の件に気づくシーンとか最高でしたよ。けどねあなたが作っている映画はインディジョーンズなんですよ。もっとハラハラさせてくれないと。
背後から大きな岩が転がってきてマズイ!逃げないと!
天井が下がってくる、やばい!早くスイッチを押せ!
足場が壁に引っ込んでいく、マズイ!みんな走れ!
これがない。マズイ!やばい!が。
別に紀元前に戻るのが荒唐無稽とかはなんも思わない。むしろロマンがあっていい。クリスタルスカルじゃUFO出てきたし。
ただインディの醍醐味のピンチが少なかった気がする、そんな映画でした。
ハリソン•フォードへ
今まで虫や蜘蛛の巣に纏われたり、泥だらけになりながら秘宝を追い求めてくれて、夢を追い求めてくれてありがとうございました。カッコよかったです。小学生のころあなたのムチ欲しかったです。
ps 僕の父が東京でバーテンのバイトをしていた時にハリソンフォードがジントニックを注文してきたらしい。
前作『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』観たときには...
【”世界と〇を駆けるインディー・ジョーンズ。”このシリーズはスピちゃん(昭和の香り漂うスピルバーグの愛称)製作だからね!忘れちゃいけないイケオジ、マッツ・ミケルセンも冷酷な科学者がバッチリです。】
ー 冒頭から”ロンギヌスの槍”や”アンティキティラ”と言うワードが矢鱈、台詞に出るので"もしかしたら!"と思ったら、案の定、”時の裂け目”により最後の冒険のラストは、古代ローマへ。”Back To The Past"ですね。-
◆感想
・第二次世界大戦の末期、ナチスの総統が侵略国から奪った財産を、ドイツに列車で持ち帰るシーンから、もうノンストップジェットコースターである。
・マッツ・ミケルセン演じるフォラー博士が、”ロンギヌスの槍”を偽物と見抜いたり、”アンティキティラ島の機械”から思い付いたとしか思えない、二つに分割された”運命のダイヤル”を巡る列車内外でのナチス将校とフォラー博士とインディ・ジョーンズの攻防は見応えがあったな。特に列車の上での攻防かな。
ー このシーンでのハリソン・フォードが若く見えたのだが、CGだろうか。-
・時は過ぎ、米ソ冷戦時代。フォラー博士は冷酷な手下と共に”運命のダイヤル”を執拗に追い求める。
ー イケオジ、マッツ・ミケルセンは眼鏡とスーツも当然、ビシッと決めているのである。-
・で、そこから世界を転々として、最後に辿り着いたのはイタリアのシラクサ。そして最後はヤッパリ、ギリシャじゃないか!
ー リキシャでのカーチェイスシーンや、何処かで観たことがあるリキシャ階段落ちシーンは少し笑ってしまったぞ。-
・そして、出会ったインディ・ジョーンズ憧れの、アルキメデス。
ー ”帰らない!”とごねるインディ・ジョーンズのあごに、それまで苦難を共にして来た親友の娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)の強烈なパンチ炸裂。
だけど、良いじゃない。目が覚めたら奥さんが戻ってくれていて。-
<序盤から、シリーズを支えて来た面白要素テンコ盛り作品。
今作は”アーラ不思議。154Mのやや長尺かなと思っていたら、もうエンドロールだ。”という映画内でも観る側も”時を駆ける映画”なのである。>
アクション大作だが…
インディジョーンズは昔TVで観た記憶があります。
インディが海に潜ったり、洞窟に入ったりしますが、全くワクワクしませんでした。
人生初のスリルなし、ワクワクなしのアクション大作を観た気分でした。
今作は、列車のアクションシーンやカーチェイス等、アクションシーンが多いのですが、既視感があるのか、胸に響きません。
1つ1つの場面も無駄が多い感じで、もたつくような感じがしました。
最後の時間を歪めたのは、まずまず驚いたのですが、ナチスの敵もあっけなく、墜落により死亡して物足りません。
過去作を観ていた人は、最後のシーンは胸に響いたかもしれませんね。やはり、過去作を観ていないと楽しめないのかな。
私自身、アクション映画はあまり好きではないので、全く観ていないミッションインポッシブルの新作の観るのをやめる決断ができたのが収穫かなと思います。
40年以上に渡って熟成された世界観から一歩もはみ出さない鉄板活劇、オーラスではアラカン大号泣
前作『〜クリスタル・スカルの王国』がプロットで冒険し過ぎて壮絶なスカに成り下がったのを反省したのか、かつてのシリーズへの原点回帰を宣言するかのような第2次大戦下で繰り広げられるオールドファッションな活劇は並のB級アクションならクライマックスになるくらい贅沢極まりないツカミ。運命のダイヤルを巡る冒険のイントロに使われる曲で時代を俯瞰してみせ、以降は期待を裏切らない安定した展開。40年以上に渡る年月を経てガチガチに構築された世界観から一歩もはみ出さずドラマの緩急の付け方やジョークの付け方もオーソドックスなので今回監督がジェームズ・マンゴールドに代わったことによる変化はほとんど見て取れません。
文句の付け所はどこにもありませんがこういう鉄板の冒険譚は映画に限らず無数に作られているわけで斬新な描写というのはもはや相当難しいのかどうしてもあらゆるカットに既視感を感じてしまい、今回チラッとアントニオ・バンデラスが出ていることも相俟って『アンチャーテッド』を観ているような錯覚すら覚えてしまいました。
しかし何といってもオーラスの展開。シリーズの歴史をリアルタイムで観てきた世代はここで号泣することになるでしょう。ということで『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』すら観たことがない人は何にも面白くないと思います。
たまたまですがアストラッド・ジルベルトへの追悼にもなっているところもグッときました。
インディ 最後の冒険の行き着く先は⁈
考古学者の夢を叶えてお終いかと涙したが
文明の進化がもたらす功罪
回を重ねるごとに「月刊〇ー」チックなトンデモオチになっていった『インディ』シリーズだが、今回はある程度予想出来てたとはいえ、「そうきたか…」という感想。いやもう参りましたとしか言いようがない。
ジェットコースタームービーの代表作ともいえる本シリーズだけど、要となる追いつ追われつのチェイスシーンが、列車、トゥクトゥク、車、馬、飛行機と乗り物自体は代わるものの、どれも似たり寄ったりな印象。「文明の進化によってチェイスシーンを派手に出来る!」と踏んだのかもしれないが、詰め込み過ぎてメリハリがなくなってしまったような…乗り物が車やトロッコぐらいしか出なかった第1~2作目がいかに優れていたか。それより何よりも、ムチを使ったアクションが些末になってしまったのが残念すぎる。
過去作を観てきたファンに向けてのサービスシーンも悪くはなかったけど、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のような取って付けた感が否めず。
とまぁいろいろと苦言を並べたけど、それでもチェイスシーンは観ていて興奮したのは確かだし、80歳という年齢を感じさせないハリソン・フォードはさすが。若い頃のインディを描くために過去作のフッテージを使ったという技術にも驚き。ここでも文明の進化を感じずにはいられず。
あとジェームズ・マンゴールド作品といえば、主人公の仲間や善側になり得る人間をアッサリと躊躇なく殺してしまう傾向があるが(『3時10分、決断のとき』、『ローガン』あたりに顕著)、本作でもそれは踏襲。この不条理な作風はどこから来ているのか、一度じっくり考察してみたいもの。
どこのどいつや‼️❓ドイツ人や‼️❓
予告編が出来過ぎか…
インディシリーズは最後の聖戦を劇場鑑賞の最後と決めていたが、ハリソン▪フォードが本作をインディ出演最後と言明したので、敢えて劇場鑑賞。劇場で見ると決めて見たので、後悔はないが、色々と残念に思わせる作品。
帰還した飛行士たちを祝うパレードで馬で駆け抜けるインディ…このシーンは予告編で盛んに取り上げられて大いに期待していたのに、ストーリーが平坦で盛り上がりが今一つ。全体として、数種類の予告編を見て想像した、見たいストーリーを上回ることがなかった。
冒頭から同じようなアクションシーンが何度も繰り返されて、後半になると段々と眠気に襲われるようになりついに意識を失う。もっとコメディ要素を入れてもらわないとアクションだけでは、かつてはともかく今日では、他の優れたアクション映画に見劣りしてしまう。
スターウォーズ、ブレードランナーなどに続き、ハリソンの老いの演技を十分鑑賞させてもらい、失われたアークのオマージュでエンディングするのを見届けたことで、とりあえず納得して劇場を出た。
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
センチメンタルになってしまったインディを、殴ってでも現代へ連れ戻すヘレナに感動しました!泣
最高の映画でした。
家族の物語が欠けたインディ
教授職を引退した70歳のインディが挑んだ
世界を股にかける最後の大冒険。
緻密に練られた脚本はインディ作品に相応しく
今回も知的好奇心と少年心を同時にくすぐられた。
過去シリーズがただのアクション映画ではなく
心に残る作品として語り継がれる理由の一つに
家族を形成、或いは取り戻す物語であったことが
挙げられると思う。
失われたアークで妻と出会い
魔宮の伝説では擬似家族を描き、
最後の聖戦では父との確執と和解、
クリスタルスカルで父になる、
しかし本作では家族の物語は描かれていない。
息子は戦死して妻は悲しみにくれて離婚した、
というシャイアラブーフの穴を埋める設定は
ベストな解決策だと思ったが
残念ながら過去作のような奥深さを
生み出すには至らなかった。
ちなみに好みとしては
マッツミケルセン演じるナチの残党考古学者は
マッドサイエンティストであって欲しかったとか
ショウは一貫したキャラで通して欲しかったとか
細かい点は幾つかあるが
インディの冒険がマリオンの元で終わるラストは
シリーズを締めくくるに相応しいと思えた。
(ディズニーが続編を作らないことを切に願う)
内容はそれとして、
現在80歳のハリソンフォードに
76歳のスピルバーグと78歳のジョージルーカスが
カムバックしてくれたことについては
感謝の思いでいっぱいである。
最後の聖戦に多大な影響を受けて
ヨルダンのエルハズネを訪れたりもした。
小学生だった私は大好きなインディと共に
歳をとり今では父親になった。
映画ファンにとって最高の幸せではないか。
シリーズの面白さを損なわなかった最終作
インディ・ジョーンズ・シリーズは、1981 年に第1作、3年後に第2作、さらに5年後に第3作が作られたが、第4作までは 19 年の時間が空いた。今作まではさらに 15 年の時間が空き、第1作から 42 年が経っている。時代設定は第1作が第二次大戦前の 1936 年で、第2作はそれより前の 1935 年、第3作は 1938 年、第4作は 1957 年、そして今作は 1969 年の設定で、アポロ 11号の月面着陸を祝うパレードが行われたりしている。今作はシリーズ第1作との関連が多いので、第1作だけは見ておいた方が良い。
スター・ウォーズと肩を並べる人気作品であるこのシリーズが、半分ほどの本数にとどまったのは、伝説的な超常現象を題材として含むのが原因ではないかと個人的に思っている。第二次世界大戦前の時代であれば、ヒトラーのオカルト趣味などにかこつけて、失われた聖櫃や聖杯をネタにした物語が作れたが、時代が進むにつれて科学技術の進歩に反比例するようにオカルトは日陰者の存在となり、前作では宇宙人をネタにした話になっていた。人類が初めて月に足跡を残した時代まで進んだ今作の時代設定でオカルトのネタを探すのは極めて困難であるが、ヒトラーの時代に話の発端を置いて雰囲気作りに苦労している。
前作で実の息子が登場して代替わりするのかと思ったが、息子のその後が台詞で語られるだけだったのは、交代が上手く行かなかったことを物語っているのだろう。どんな人気俳優を連れて来てこれが息子だとか言っても、聴衆は納得せず、ハリソン・フォードが出ていないインディ・ジョーンズなど見たいと思わないのだと思う。その気持ちはよくわかる。制作側もそれを認めたようで、今作がこのシリーズの最後の作品になるらしい。
今作のネタはアルキメデスが作った運命のダイヤルと呼ばれる遺物で、あまりに途方もない能力を持つために、悪用を恐れたアルキメデス自身が半分に割って残し、その2つを合体させて復活させるという話を主軸にして物語が進められる。発端となるエピソードは第二次世界大戦でのベルリン陥落の寸前ということなので、1945 年頃の話である。若い頃のインディがかなり登場するが、昔の撮影の使い回しだけでは足りず、今流行りの AI 技術で作った若い頃のハリソン・フォードの顔をスタントマンの顔に上書きしているらしい。やや違和感があるが、かなり頑張っている方だと言えるだろう。
第1作から続くこのシリーズの売りは、とにかく休む暇もなくハラハラドキドキのシーンが続くというサービス満点の作りである。本作も期待を裏切らず、次から次と素晴らしいアクションシーンが続く。カーチェイスやアクションシーンでの起承転結が丁寧に描かれており、次々とケリを付けていくのは小気味良く、それぞれのケリの付け方もいちいち洒落ていてよく出来ている。この辺は脚本家の手柄である。
息子が出て来ないのを補うように、旧知の友人の娘というのが出て来て、アクションの半分くらいをインディに代わってこなしている。旧知と言いながら、名前も聞いたことのない人物である。いきなり見知らぬ旧知の人物が出てくるというのは、現在放送中の大河で「ちむどん」並につまらないと評判のあのドラマで度々採用されている手法で、非常に既視感のある展開だったが、まあ、この作品ではやむを得ないだろうと思った。
アルキメデス絡みで出て来た紀元前 212 年のシラクサイ包囲戦の映像があまりに見事で、製作陣がどれだけ本気でこの映画を作っているかがよく分かった。ただ、空を飛ぶ方法がなかったアルキメデスが「時の切れ目」を作り出すなら、地上か海上のはずである。また、歴史に思い入れのあるインディがああいうことを言い出す気持ちはよく分かるが、あの装置があればいつでも好きな時に再訪できるはずでなので、それを考えないのはおかしいのではないかと思った。
ハリソン・フォードあっての作品であり、2015 年の自家用機墜落事故で無事だったからこそ出来た作品である。本当にビックリしたので、もう自分でレシプロ機の操縦などはやめて欲しい。第1作で馴染みのキャストも多く出演しており、良くぞ今まで健在でいてくれたと思わずにはいられなかった。シリーズをずっと見て来た人ほど感慨がひとしおのはずである。音楽もまた、第1作以降全作担当して来たジョン・ウィリアムスが自ら手掛けており、彼の長寿にも感謝しなければならない。監督は、これまでの4作を監督して来たスピルバーグが制作総指揮に回り、「ウルヴァリン」シリーズなどを監督したジェームズ・マンゴールドに代わっている。これまでのテイストを損なわずによくやってくれたと思う。第1作からリアルタイムで完走できた自分も運が良かったと言うべきであろう。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出5)×4= 100 点。
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