「シリーズのらしさは堪能できた」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズのらしさは堪能できた
ハリソン・フォードがどれくらいアクションできるのかなと思って見始めたら、若い頃のハリソンが冒頭30分くらいで大アクションを披露していて、「そうきたか」という感じ。これはボディ・ダブル的な奴だと思うが、単なるプロローグという位置づけ以上に見せ場にしているのが印象的。やはり溌剌としたインディが見たいだろうと制作陣は考えたんだろう。
インディ・ジョーンズのシリーズらしい世界をまたにかける冒険活劇がありつつも、SF的な要素に思いっきり突っ込んでいく後半の展開は大胆。まあ、「クリスタル・スカル」の時もそうだったが。人類が月の到着に湧いていた時代を背景に、人と科学の関係をアルキメデスにまでさかのぼって問い直すという発想はいいと思う。でも、やはり中盤の三つ巴で秘宝を追いかけるシークエンスが映画としては最も盛り上がるところ。
しかし、昔観た時ほどに血沸き肉躍る感じがしないのはなぜだろう。昔はネットもないし飛行機代も高かったし、世界の景色を観ることが貴重だったけど、今はスマホで景色だけなら簡単に見れるというのも大きいだろうか。観たことのないものを見せてもらった感じがあんまりしなかった。それはしょうがないことかもしれない。
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