「最強トリオ映画のラスト!ぜひ劇場で!」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル それもどうかなあ。さんの映画レビュー(感想・評価)
最強トリオ映画のラスト!ぜひ劇場で!
IMAXレーザーGTで鑑賞。
小学2年生当時、初めて劇場で観た洋画がシリーズ2作目「魔宮の伝説」で、その面白さにショックを受けて以来、洋画の面白さを知って、映画鑑賞を一番の趣味にしてくれました。
それからシリーズの大ファンになって、その後、中学生当時に公開された「最後の聖戦」では王道のハリウッド冒険活劇として、その完成度の高さに唸らされ、子供も持つオッサン世代になって、まさかの続編公開となった「クリスタルスカルの王国」では、世間の評価通り、シリーズの評価を落とす事になったものの、個人的にはスピルバーグ・ルーカスという夢のタッグによる唯一のシリーズという贅沢さ、核、ソビエト、赤狩り等、時代背景に合わせた設定の使い方も悪くなく、インディファンとしては大好きなハリソンインディの新作がスクリーンで見られただけで許せてしまう作品であった。
そして今回、御年80歳を超えたハリソンによるインディ新作!
製作発表された時から、ラストを観るまで死ねないと公開を楽しみにしつつ、観ない選択肢はないものの、前作から漂う不安、スピルバーグからの監督変更、STAR WARS(映画シリーズ)をぶっ壊したディズニー傘下による初インディ、海外批評サイトによる酷評、いくら元気とは言ってもハリソンの年齢を考えると、不安感しかなく、過度の期待は持たずに「ハリソンインディを見納めよう!」くらいのおおらかな気持ちで観ました。
感想としては、試写でスピルバーグ自身も語った通り、これは「完全なるインディ映画」で、シリーズ最後を飾るに恥じない傑作だと思いました。
冒頭、機関車でのチェイスでは、ドイツ軍BMWサイドカーによるアクション、列車対空砲による味方に対する掃射、馬上のアクション、ショート・ラウンドに代わるような孤児らしきキャラ、鳥肌が立つような虫類の大量出現、複雑過ぎない遺跡での謎解きと、シリーズを通したシーンのオマージュがさりげなく散りばめられており、全体的にベタなアクションながらも、これぞインディ・ジョーンズ映画と、製作者達の想いが伝わってくる感じでした。
インディ映画に今風なスタイリッシュなアクションや、感情移入できるヴィランなどは要りません!
(ただフォラーがナチのV1ロケット開発者→終戦後、そのロケット技術がNASAで活かされてアポロ計画に活用→月面着陸成功の功により米国捜査機関のバックアップや大統領とのパイプを得ている点は、もう少し説明した方が分かりやすかったかと....)
御年80歳のハリソンインディには、決して無茶苦茶なアクションをさせずに説得力のあるアクションにとどめつつ上手く物語を繋げていて、その中でインディ自身の加齢、時代の変容、Jrの戦死、マリオンとの別居といった不幸も続き、精神的にすこぶる弱くなっているインディの描写、ラストのマリオンとのファン胸熱の掛け合いからの復縁といい、よく出来た脚本だと思う。
確かに元気ハツラツ時代の「最後の聖戦」までの3部作でシリーズを終わらせた方が不朽の冒険シリーズとして良かったとの意見も多いが、ハリソン・フォード自身の加齢と合わせて、「レイダース」から半世紀近くに亘って、インディアナ・ジョーンズという映画界屈指のキャラクターを深掘りして描いてくれた本作にファンとして感謝したい。
なにより、スピルバーグ・ルーカス・ハリソンと現代ハリウッド屈指のトリオによる映画は、後にも先にも観られないと思うので、この贅沢な映画シリーズのラストは是非劇場で観て欲しいと思います。