「ハリソン・フォードが歳をとっても、監督が交代しても、これは、紛れもないインディ・ジョーンズ」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリソン・フォードが歳をとっても、監督が交代しても、これは、紛れもないインディ・ジョーンズ
全編、見せ場の連続で、2時間半という上映時間があっという間に感じられる。
アクションも、追いつ追われつのチェイスが主体となっていて、ハリソン・フォードの年齢が気にならないように工夫されている。
ただし、主人公のインディ・ジョーンズが、いったい何をしたいのかがよく分からない。
友人から壊すように言われたダイヤルを、なぜ大切に保管していたのか?
ダイヤルを敵に奪われても、それを取り戻そうとはせず、もう片方のダイヤルを手に入れようとするのはどうしてなのか?
敵も、当然、もう片方を手に入れようとしているはずなのに、それにしては警戒心が薄すぎるのではないか?(おかげで、せっかくのアントニオ・バンデラスが、あんなことになる・・・)
そもそも、2つのダイヤルが揃ったら何か恐ろしいことが起こると分かっているのに、なぜ、わざわざ敵に塩を送るようなことをするのか?(放おっておけば、ダイヤルの力が発揮されることはない!)
そこには、「考古学者の好奇心」では済まされない「自覚と責任」の無さを感じてしまうのである。
敵の爆撃機に乗り込もうとするヒロインが、少年に飛行機で付いてくるように指示する展開も、まるで、これから起きることを予見しているかのようで不自然だ。
ついでに言えば、爆撃機があんなに低空で飛ばなければ、撃墜されることはなかっただろうし、そのくせ、パラシュートで脱出できるだけの高度がいつの間にか確保されているのも辻褄が合わない。
最後は、インディの決断どおりのエンディングにしても面白かったのではないかとも思ったが、それでも、本当の「居場所」を見い出した彼の姿には、やはり胸が熱くなった。
ハリソン・フォードは、これが最後のインディ・ジョーンズと言っているようだが、CGの技術て若くなった彼が活躍するオープニング・シークエンス(これが、結構長い!)を観ると、まだまだ第二次世界大戦前後の時代(インディの敵は、ナチスに限る!)を舞台にしたシリーズが作れるのではないかと思ってしまった。