「いくつもの言葉達」愛する人に伝える言葉 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
いくつもの言葉達
ステージ4の膵臓がんが見つかり、余命少ない男と、それを見守る母や主治医達との最期までのひと時を描いたドラマ作品。
がんが治らないと宣告され自棄になる男と、いささか過干渉な母親に手を焼きつつも、静かに助言していくエデが素敵ですね。患者だけでなく、看護師達をケアする姿も。
現実にもこんな医者どれだけいるのかな…
また、こんな状態になっても演技指導の仕事を続けるバンジャマンも凄いですね。役者志望の若者にかける言葉は、どこか自分を鼓舞しているようでもあり。。
さらに明かされる家族の過去。
恐らく全く覚えていないであろう肉親の最期にどう向き合うのか、彼には彼の葛藤があったのでしょうね。
とにかく、終始哀しく寂しげな雰囲気の中にも、心暖まる病院の環境や音楽が彩る物語はまさに秀逸。
何も残せていない、自分が死んでも世界は1ミリも変わらない…確かに間違ってはいないかもしれませんが、バンジャマンを大切に思う人は沢山いましたよね!
自分だったら、どんな言葉をかけるだろうな…順番の選択にもグッときた。
そしてラストシーンはホントに必見です!
キャラクターとしては、病院のギタリストがお気に入り。「やってみます」…カッコよすぎだろ。。
医者と患者、残された家族や大切な人達全てが、希望と諦めの狭間で揺れ動く気持ちを抱えながら残された時を過ごす姿に、涙が溢れそうになった傑作だった。
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