「「わたし、狂ってるから」」千夜、一夜 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
「わたし、狂ってるから」
「わたし、狂ってるから」
登美子(田中裕子)のセリフ、こういう言葉をサラッと言ってのける凄み、今回も田中裕子さんは切れ味鋭く、魅力的な女性を演じています。相変わらず、「無言」の中にも多くを物語っているような印象は、特に今作を背景に「男」である自分からしたら肩身の狭い思いすら感じるほどです。
そして尾野真千子さん、この人も田中さんにも負けず劣らず、観ていていつしか「演技」を感じさせないほど自然な感情表現のボリューム調整は、そのミキシングが完璧すぎます。素晴らしい。
他の出演者にも一定の「理解」が出来る違和感のなさは、俳優の皆さんが長けていることも然ることながら、これぞキャスティングの妙だと言えるでしょう。ダンカンさん、実にハマってます。
物語はミステリーを題材にしたヒューマンドラマ。中盤以降の展開はなかなか面白く、意外性もあって前のめりに観られます。特にキーとなる小道具「カセットテープ」から、終盤に起こる登美子の「夢遊」に震えます。
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