「30年会えなくても愛し続けることは可能か?」千夜、一夜 トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
30年会えなくても愛し続けることは可能か?
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30年前に失踪した夫を待ち続ける登美子。
閉鎖的な港町で立ってしまう波風。
登美子以外の人物の方が共感しやすいし
普通だと感じてしまいますが
愛し方や幸せの感じ方は十人十色。
先入観や固定観念で鑑賞すると登美子や
この作品を理解することは出来ないと感じました。
30年もいなくなった人を愛することは
不可能だと感じてしまうからです。
しかし登美子には当たり前にそれが出来てしまう。
テープに録音された僅かな思い出だけで
30年間更新されることが無くても消えない愛。
寧ろ、時間が経つにつれ忘れそうになる
自分が許せないと嘆く。
相手が存在しない愛を演じる田中裕子さんが
複雑な感情を沁みるように届けてくれます。
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NOBUさんのコメント
2022年10月8日
今晩は。
私は今作を見て、”私が愛した人が失踪したら本当に30年も待つ事が出来るのだろうか・・”と考えながら観ていました。
そして、物凄い精神力と深い愛を持ちつつ、夫の帰りを待つ田中裕子さんの抑制した演技に魅入られました。
愛した人との遣り取りを録音したテープを30年も聞きながら待つ姿。
けれど、日本には特別失踪人を只管待つ人たちがいるんだよな、という厳しき現実も脳裏に過った映画でしたね。では。