「めちゃくちゃダウナーな作品」ヴィレッジ さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
めちゃくちゃダウナーな作品
藤井監督は本当にお気に入りの俳優さんばかり使いますね。
一ノ瀬ワタルさん大好きで、こないだインフォーマにも出てましたね。元アナの安東さんも好きですね、最後まで行くにも出てますよ。
流星くん、演技素晴らしかったと思います。眼だけで様々な感情を表現していました。あの重すぎる生い立ちを抱え、虐められ、どうしようない母親にも苦しめられ、ドン底を這いつくばって生きてる姿、目が死んでるし、雰囲気もかなりヤバかったです。
中でも西田尚美のあのダメな母親は最高だったな。いつも笑顔のお母さん役が多い中、一瞬誰だかわからないくらいに幸薄そうな疲れた顔にはさすがだなって思いました。木野花さんもあの特殊老いメイク抜群でした。
奥平くんは言わずもがなですが、彼も役の許容範囲が広いですね。まだまだ演技幅がありそうです。
それにしても、村長の古田新太に、弟の獅童、息子の一ノ瀬ワタルって家族、なんちゅう一家なんだろ、顔みんな怖すぎです。
そして、こういうのを負のスパイラルって言うんでしょうね。
結局、自分も罪を犯したお父さんと全く同じ生き方をしてしまうという、なんとも救いようのない展開。
なんとかここから這い上がってまともに生きようと思っていたのに、その内手の平返すだろうなって思ってたら、案の定でした。結局上の人達は、都合のいいように弱い者を使い捨て、立場が悪くなると全て弱い者に責任を擦りつけ、なんとかしろと言う…これって、村だけの話じゃないんですよね。全てのコミュニティ、社会の縮図なわけです。
結果的に罪を犯した家族を持ってしまった美咲の弟、恵一は村を去って行くようですが、逞しく生きてほしいと願うばかりです。
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