「エンドロール後にも映像あり」ヴィレッジ jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロール後にも映像あり
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主人公の悲惨な人生が、ヒロインの帰郷をきっかけに少しずつ好転してゆく。しかし、序盤からそれが長くは続かないことを示す伏線が張られ、後半には状況は一気に悪化する。
作品終盤の村長の死や、凛々しい顔つきで村を出るヒロインの弟の描写は、一見すると今後の展開が良くなることを予感させる。
しかし、村ぐるみで主人公をいじめていた村人の中から次の村長を選び出す以上、村の性質が変わるとは考えづらい。また、内向的なヒロインの弟は、彼の姉と同じように村の外で挫折する可能性が高い。
状況は今後も変わらず、小さなコミュニティ独特の階級社会や閉鎖感は受け継がれていくことが容易に想像できる。
このような村社会の性質を、演者を変えつつ同じ演目が受け継がれていく能で暗喩しているのかもしれない。「日本人ならこの後どのような展開になるか想像できますよね」と言わんばかりの非常にシニカルな終わり方だったと思う。
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