「【”上を向いて歩こう。そして正義に乾杯。”予想の遥か斜め左上を行く、二転三転四回転半捻りの秀逸なるストーリー展開に魅入られた作品。SNSサイトに真夜中に集う”顔の亡き”人達の姿も印象的な作品である。】」#マンホール NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”上を向いて歩こう。そして正義に乾杯。”予想の遥か斜め左上を行く、二転三転四回転半捻りの秀逸なるストーリー展開に魅入られた作品。SNSサイトに真夜中に集う”顔の亡き”人達の姿も印象的な作品である。】
ー 今作は、何層もの仕掛けを施した、観客の予想を次々に嘲笑うように裏切っていく岡田道尚氏の優れたるオリジナル脚本が燦然と輝く作品である。
噂が伝わっていたのか、日曜日の午後という事もあろうが、私の居住区の劇場では異例の8割の入りでビックリしたが、観客は良作をキチンと見分けているんだよなあ・・。
当然の如く、途中退場する人もなく、滅多にない事であるが客電が上がってからも多くの人が”凄かったね・・。”と囁いていた。ー
◆感想
・観客は序盤は、不動産会社の優れた営業マン川村(中島裕翔:彼の出演作には「ピンクとグレー」という、コレマタ優れたる脚本作がある。)が結婚式の前日にマンホールに落ちて、スマホの機能をフル活用して、必死に脱出しようとする姿に、ハゲシク内心で応援するだろう。
ー 私も同様だが、スマホ機能の凄さとGPSが狂わされているという脆さも描いている。-
・川村が、急遽SNSサイトに”マンホール女”と言うアカウントを作り多くの姿が見えないユーザー達に助けを求めるシーンも印象的である。
ー 揶揄するモノや、人の不幸を愉しむモノ、正義の意味を勘違いするモノ・・。-
・今作が優れているのは、中盤までは”可哀想な、結婚を控えたイケメン川村”の本性が、5年前に一方的に別れを告げた女性(奈緒)との電話での遣り取りの中から徐々に露わになっていく過程の描き方であろう。
ー 観ている側の、川村に対する感情も徐々に変わって行く・・。そのまま、一生マンホールの中で過ごせ!と思っていたら、更にあわわわ・・、なストーリー展開にもう、釘付けである。-
・今作のフライヤーには、黒木華さんの名前は掲載されていない。
名前って何だろう、と思ってしまった作品である・・。
<当たり前であるが、優れたる脚本が有れば、(アメリカであれば、ブラックリストみたいな感じかな。)お金を掛けなくても優れたる映画が出来るのである。(お金が掛かっていたら、申し訳ない。)
今作は、イケメン中島裕翔さん演じる男の爽やかな笑顔の裏にあった人間の嫉み、妬みなどの心の闇にも戦慄した作品である。>