「エディとアンバーの関係の描き方が良い!」恋人はアンバー ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
エディとアンバーの関係の描き方が良い!
関係性オタクとしてはエディとアンバーの関係がめちゃくちゃ良かった…。
精神的には最初から既存の男女観の型にはまろうとしないレズビアンのアンバーと、ゲイであることは自覚しつつも、ゲイであることを隠して生きようとする思いと本来の自分との間で揺れ動くエディ。
男女の恋人にはならない2人が友情を育んで、ラスト、アンバーがエディの背中を押すところがとても良かった。なんと尊く美しい関係だろう…。
特にアンバーがエディの心の繊細で柔らかい部分を守ろうとしているところに、ひとり泣きそうになってた。
ラスト、アンバーが貯めたお金をエディに渡すシーン、そしてずっと言葉にするのを避けてきたエディが「僕はゲイだ」とアンバーに話すシーン、見ていて涙が出た。
互いの心の柔らかい部分を預かり、守り合う関係(私は「ソウルメイト」と名付けている)が大好きなのだけど、エディとアンバーはそういう関係だったのだと思う。これ以上ない愛だよ…。
セクシャリティへの価値観が古い街からずっと出たかったアンバーはエディや母親、恋人という自分をそのまま受け入れてくれる理解者を得られたからこそ、エディの背中を押せたんだよな。
「恋人になろう。セックス抜きで」と言うものの、男女の恋人には決してなれない2人の様々な葛藤や、心の揺れ動きがとても丁寧に描写され、画面から伝わってくる良い作品だった。
そして本作はアンバーやエディをはじめ登場人物がみんなキュートで憎めないのが良い。
エディの友人の男の子(名前忘れた)も色々男女のこと口出す割に彼女の尻に敷かれてたり、卒業時にはアンバーにサイン書いてもらったり憎めないやつだったよね。
ちなみにエディたちが見せられてた地獄のような性教育ビデオはちょっと笑ってしまった。
日本とキリスト教圏とではまた性に関する意識も違うんだよなあと改めて思った。