「リメイクの必要性。原作が好きなのでかなり辛口評価になります。」1秒先の彼 tandemさんの映画レビュー(感想・評価)
リメイクの必要性。原作が好きなのでかなり辛口評価になります。
台湾版のテンポの良さがかなり損なわれている一方、台湾版が台湾に行きたくなる映画になっていたように本作も京都に行きたくなる映画になっていたところが1番素晴らしいと感じました。
加えて、岡田将生さんの高圧的にならず可愛らしくなってしまう「嫌味っぽい」演技も最高でした。ただ、広報で繰り返されてる1秒速い彼と1秒遅い彼女という紹介では『2秒先の彼』になってしまうのでそういう細々とした製作側のリメイクに対する気の抜けた感じが良くも悪くも映画の雰囲気に影響を与えていたと思います。
単純にリメイクとしてではなく作品としてならさすがの監督と脚本家ということで想像以上に成功していると感じました。それでも、これほどの監督と脚本家とキャストが集まってくれたのなら男女を反転させるだけではなくもっと原作を崩して再構築しちゃっても良かったんじゃないかな?とも思いましたし、なんならインスパイアされたという形で全く新しい映画を作ってしまっても良かったのでは?と感じました。製作側から原作への熱いリスペクトではなく、「依頼されたから製作した」という緩い姿勢が伝わってきてしまい正直かなり複雑な気持ちになりました。なんなら全く同じ製作陣、ビターズエンドの配給でSFロマンチックコメディをオリジナルの新作として製作して欲しいです。
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