「頭の風通しがよくなる、怖いもの知らずのおバカ映画」バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー ニコさんの映画レビュー(感想・評価)
頭の風通しがよくなる、怖いもの知らずのおバカ映画
アメコミ系をメインに、色々なメジャー作品をリスペクトをもって茶化しまくった映画。ご想像通り本当に馬鹿らしくて、そういうのはわざわざ映画館で観ないよという方々もいるだろう。でも個人的には、そういう映画をあえて映画館に観に行って、見知らぬ他の観客の笑い声を聞きながら同じ場面で笑うひと時に、映画のあたたかさがある気がして好きなのだ。
序盤から「最強のふたり」を背景でイジるジャブがある。主人公セドリックは、パクリすれすれ作品「バッドマン」の主演俳優の不慮の(??)事故によって急遽バッドマン役に抜擢されるが、撮影後に衣装を着たまま撮影用バッドモービルを私用に使っている時に事故って記憶喪失になる。手持ちの撮影小道具から、自分はバッドマンで、悪人のピエロから家族(設定上の)を救わねばならないと思い込み……。あとはもう、ツッコミ上等アホな展開のピタゴラスイッチだ。
もうね……人間の吹っ飛び方の雑さとか、子供でも容赦無くテキトーな災難に遭うところとか、小学生みたいな下ネタとか、単なる小道具のリストウォッチが突然ハイスペックなとことか、ヒロインがきっちりかわいいとことか、好きですね。トム・クルーズ(本物は出ません)の酷い扱いとか、ノートルダム寺院が……とか、怖いものなしか?(賞賛)
一方、アクションシーンは不相応にクオリティが高い。そして、起承転結もきれい。
パロディ関係では、メインのバッドマンとピエロ、たまたまアベンジャーズっぽく見えたシーンほか、スパイダーマンのシーンやウルヴァリンぽい人など(プジョーの「ローガン」に乗っていた)も出てきた。
下ネタは、下品になり過ぎないレベルで素直に笑えた。海外の下ネタギャグ系映画は、本腰入ってるのは本当に引くほど下品という印象があるが、これくらいは全く無問題。
昔放送されていた私の好きな深夜番組「あらびき団」を思い出す(のは失礼かもしれないが、ギャグのナンセンスレベルが)。そこまでやるか、という馬鹿らしさで、肩の力が抜けて明るい気持ちになれた。