「それなりに工夫もあり、B級らしい破綻ぶりもちょうど良い…」トジコメ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
それなりに工夫もあり、B級らしい破綻ぶりもちょうど良い…
WOWOWの放送にて。
ビンセント・ギャロの名前を久しぶりに目にしたので、観てみた。
言わば、ワンシチュエーションスリラー。
主人公が貯蔵庫に閉じ込められてからは、舞台はず〜っと貯蔵庫の中。
大人3人、幼児1人、赤ん坊1人…しか出てこない。
この種類の映画には、この徹底ぶりが不可欠だ。スキー場のリフトに取り残される『フローズン』なども、そう。
低予算(多分)のスリラーとしては上出来。
BS・CSの放送や、配信などで観るにはちょうど良い映画。
元薬中の若い母親が、幼児の娘と赤ん坊の息子を一人で育てている。住まいは祖母(?)から相続した片田舎のポツンと一軒家。生活に困窮して、その家を(多分、仕事がある町に)出ようと、 引越の準備に慌ただしい。そんな最中に事故は起きる。
離婚が成立しているのかどうか分からないが、子供たちの父親は現在進行形の薬中。
やはり薬中の小児犯罪歴のある男の世話になっている。この元犯罪者を演じたのがギャロだ。
貯蔵庫のドアの怪しさをフリで見せておいて、“閉じ込め”は起きるべくして起きる。
割りとあっさり別れた夫に助けられたと思いきや、そこから本題が展開する。
ドアの外には異常者がいて、幼い娘に危険が迫る。
母親はあれやこれや脱出を試みたり、心が折れてしまったり、色々とアイディアを詰め込んでいる。
脱出後、もうひと押しのスリルが用意されているのも良い。
おばあちゃん(主人公の母か、祖母かよく分からなかったが)のリンゴバターで締めくくるのは…いかがなものか。
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