「穴から抜け出せ・・」なまず odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
穴から抜け出せ・・
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ソウルのマリア病院の看護師ユニョンと彼氏のソンウォンの同棲生活を描いた恋愛ドラマ。冒頭から、勤務中にX線技師が患者とH、男女の陰部を撮ったレントゲン写真をチラチラさせる下品極まりない演出。
タイトルの鯰は患者が病室で飼っているという、これまた無茶苦茶な設定、なんで鯰かと言うとソウルの町で陥没事故が多発という設定に絡めたかったんでしょう。地震と鯰というのは安政の大地震にまつわり鹿島神宮で広まった逸話でしょうに韓国でも言われていたんですね。
ソンウォンが落とした婚約指輪を土木工事の同僚が足に嵌めていたのに回りくどい取り返し方、どうやらテーマは猜疑心の熟慮なのかな。
監督の話では2017年に国家人権委員会から「重みと軽さを併せ持つ映画を作らないか?」、「青年」「青年の暮らし」「人生」というキーワードを与えられたのが製作のキッカケだそうです。当時の韓国は盗撮やデジタル性犯罪事件などが多く発生、多くの女性たちが不安を抱えていたそうです、不安は、自分できちんと向き合って処理することが大切で、持ち続けていても何も解決しません。だから私たちを覆う不安を映画で表現してみたら、不安も少し減るのでないかなと思ったそうです。不安の象徴が穴でしょうかね、「穴に落ちた時にやるべきことは掘り進むことでなく、そこから抜け出すことだ」と劇中で何度も語られていましたね・・。
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