「禁断の愛の先にあるのは幸福か、それとも破滅か……?!」愛に奉仕せよ バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
禁断の愛の先にあるのは幸福か、それとも破滅か……?!
権力欲のある妻のために、出世のために必死になる男を認めて身の回りの世話をさせることにした上官。その上官の妻……。
ドロドロした昼ドラの要素が詰まった設定ではあるが、まさにドロドロの愛憎劇だ。
妻との関係に悩むムグァンと夫との関係に悩むスリョンが出会い、互いに足りない愛を求め合うが、その先に待っているのは、破滅の道でしかない。
時代背景や立場など、全てにおいてマイナス要素だらけ、比喩ではなく、知られれば即処刑される状況の中で、それでも愛に生きる道を選ぶ男と女の本能を官能的に描いた作品である。
はじめはスリョンの挑発や、上官の妻という断れない状況下の中で関係をもってしまうが、 出世できない自分へのイラ立ちか、それとも上官への経緯を踏みにじる行為に快感を感じるのか……。
男女の愛欲だけでは説明できない感情の高ぶりが絡み合うことで、どんどん泥沼化していってしまう。
互いの屈折した愛欲が、次第に純粋に愛に変化していく中で、より互いが離れない関係になっていることに気付いていくふたり。
そんな関係を続けているわけにはいかないと思いつつも、やめられないし、やめたくないという葛藤の中で、”死”に対する緊張感が脳裏から離れない。
これでもかっ!と見事なまでの設定のつるべ打ちには、東海テレビ制作の昼ドラファンとしても納得の作品であった。
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