ノースマン 導かれし復讐者のレビュー・感想・評価
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とにかく荒々しく死にたいカルトにどっぷりな男どもの悲喜劇。
アレクサンダー・スカルスガルドがずっと温めていたヴァイキング映画の企画を、ロバート・エガースに依頼したら「悪魔合体的にとんでもない怪作ができてしまった!」的な。ヴァイキングや北欧神話に登場人物たちは、とにかく荒々しく戦って死ねばヴァルハラに行けると信じていた、という雑な認識しかなかったが、この映画の主人公たちはそんな先入観そのままに、いや、それ以上にワイルドに殺し合っていて、もうこれはカルトの映画である。
そのカルト思想を、作り手が半ば惹かれ、半ば呆れているのではないかと思わせるような、やたらと力が入ってるけどどこかヘンテコで可笑しい描写が満載で、何を見せられてるんだという戸惑いが作品の面白さに直結していると思う。マチズモ、暴力、復讐、どれもこれも針がマックスまで振り切ることで、よりバカバカしさが浮き彫りになるのは、監督の意図なのか、こちらが勝手にそう受け取っているのか。いずれにせよ、珍品であるとは思うが、ちゃんと批評性も兼ね備えている。
にしても溶岩の中で全裸バトルって思いついてしまい、バカバカしく思われないかなと心配したというエガースのインタビューを読んで、エガースのことがさらに好きになった。
STAR WARS…的な
9世紀、北欧神話がベース。
少年期に国王である父親を叔父に殺害され、母親も連れ去られてしまった
主人公アムレートの壮絶な復讐劇。
復讐の連鎖はどこかで止めないと、、、
人を恨んじゃいけないよ・・・という示唆なのかなと感じました。
こむずかしいことはさておき、
北欧神話の世界観を圧倒的な映像と、さも当時のような意図的な暗い画質と
容赦なく残酷な戦闘シーンと迫力ある音響を浴びるように楽しむ映画でした。
出演している俳優陣を見るだけでも価値がありますし、
その中でもアニヤ・テイラー・ジョイとニコール・キッドマンの演技及び
美しさは際立っていて、アニヤを見るだけでも価値があります!!
ラストの戦闘シーンは、スターウォーズにおける
オビ=ワンとアナキンの戦いを彷彿とさせる場所で、
すごくわくわくしましたし、落とし所も納得感があって良かったです。
!
あの世とこの世の境界線があいまいな世界の描き方がうまい
邦題そのままの内容で、父親を殺された息子が成長して復讐するために戻ってくる。というもの。原題は「The Northman」なので、「城之内 死す」ではないが、邦題がネタバレをしてしまった印象。
ただし、映画としては良い出来だ。
主人公はヴァイキングではないのだが、北欧神話を信仰している世界観になっている。戦って死ぬとヴァルハラにいける、と信じている世界だ。
映画の雰囲気としてはマッツ・ミケルセン主演の「ヴァルハラ・ライジング」(2009年)の拡大版といったところ。製作費は「ヴァルハラ」が7億2千万円であったのに対し「ノースマン」は99億円~128億円ということなので規模が大きい。
「ヴァルハラ」と同規模の製作費の映画はホラー映画の「ハッピー・デス・デイ」で、低予算映画というくくりになっている。ちなみに「ノースマン」の7億2千万円規模の作品は伊坂幸太郎原作でブラッド・ピット主演ということで話題になった「ブレット・トレイン」(2022年)。だいたいの規模感の違いが伝わるだろうか。
ちなみに「ノースマン」の興行収入は99億円、つまり赤字だったが、その後の配信で回収している模様。
「ヴァルハラ」との比較をもう少し続けると、ヴァルハラは研ぎ澄まされた映像で、新しい才能の出現を感じさせた。「ノースマン」はもう少しエンターテイメントよりだ。とはいえ、こちらもかなり映像にこだわっており、素晴らしいシーンがいくつかあった。
本作でいいと思ったのは、あの世とこの世の境界線があいまいになっているところだ。占い師のような存在の人物が突然現れてご神託を伝えたりする。唐突に現れるにもかかわらず不自然には感じない。映像世界をうまく作っている。
北欧神話的、というよりは北欧神話がリアルに存在していると信じられる世界、といったらいいだろうか。日本でいうと、クサナギノミコトのような神話上の人物は存在しないが、八百万の神の存在は感じられる世界だ。
このような世界を構築できているので、いろいろなことが起こるにもかかわらず不自然さはない。これはうまい。
主演はアレクサンダー・スカルスガルドという俳優だ。有名ではない。復讐の念に駆られて獣のように戦い続ける男を好演していた。
母親役のニコール・キッドマンは、ずいぶんうまくなった。ただ、まだあと一歩突き抜けてほしい。
そして、話題のアニャ・テイラー=ジョイも出ていた。うまいのか下手なのかよくわからないのだが、女優としての度胸があると思う。
かなりインパクトのある顔をしていて、典型的な美人ではない。ただ、観ているとやっぱりきれいな人なので、本作のヒロインとして、適任だった。このアクの強さがフィットしていた。
広大な風景を描いており、自然の美しさ、厳しさが伝わってくる。残念なのはCGで描いているようで、つるんとした印象を受けるところだ。ナショナルジオグラフィックみたいな映像をリアルに撮影するのは無理なのかもしれないが、予算が大きいのだからもう少し頑張ってほしいというのは思った。
北欧神話、一人の男の復讐劇。
とにかくニコールキッドマンが怖すぎ。と言ったらネタバレに
なるのかな。迫真の演技でした。
一言で表せば、豪華キャスト出演の北欧神話なんですが、
あまり刺さるものがなかったです。善悪がはっきりしないので
モヤモヤとした終わりかたでした。
映像は、迫力ありましたね。
復讐は運命じゃない
舞台は10世紀の北欧の王国。ヴァイキング伝説を題材に、北欧神話を絡めて。
そう言われると日本人には馴染み難そうだが、大まかな話は何て事ない。
父王を叔父に殺された主人公の復讐劇。
『ハムレット』『ライオン・キング』『バーフバリ』を彷彿。『ハムレット』のモデルとされる“アムレート伝説”がベース。
でも、ただそれだけじゃない。単純ではない善悪、己の運命、壮絶なドラマや映像美やアクションに圧倒される。
監督は俊英にして鬼才、ロバート・エガース。
『ウィッチ』や『ライトハウス』などスリラー/ホラーを手掛けてきたが、新境地の史劇アクション。初挑戦のジャンルでもその類い稀な才を存分に発揮。
ヴァイキングの営みや風習。美術や衣装に至るまで、徹底的にリサーチ。作り上げたとか再現したではなく、そこに今根付いているようなリアリティー。
ダークながら荘厳。叙事詩的な映像美は圧巻。神秘的でもある。
アクションやバイオレンスは凄惨。血はおびただしく流れ、身体は切り落とされ、内臓も露出し…。野蛮ではあるが、荒々しく猛々しく、一切の妥協はナシ。
初挑戦のジャンルは元より、まだ長編3作目。小規模から一気に大作へ、臆する事なく、こだわりと作家性を貫くスタイルは、もはや名匠の域。
プロデューサーも兼任のアレクサンダー・スカルスガルドは前々からヴァイキング題材の作品を構想。10年の歳月をかけて実現。入魂の熱演からもその熱意が窺える。
『ウィッチ』からアニャ・テイラー=ジョイ、『ライトハウス』からウィレム・デフォーが引き続きエガースをサポート。アニャの美貌も映える。
イーサン・ホークやビョーク、実力派と異色のキャスティング。
中でも叔父役クレス・バングと母ニコール・キッドマンの存在感。特にニコールは凄みすら。何故ならその役所が…。
父王を殺され、母は捕らえられ、国を追われたアムレート。屈強なヴァイキングとなり、預言者の言葉で己の運命と使命を思い出す。奴隷に身を隠し、復讐を…。
父の仇を取る!
母を救う!
叔父を殺す!
母と再会。母も夫を殺され、息子を失い、憎き相手の身に落ち…。
悲劇的な母を、息子がヒロイックに救う…そんなド定番になるかと思いきや、
夫であった王は野蛮人。奴隷にされ、犯され、お前が生まれた。
元々夫など愛していない。お前の事も。しかしそれでも母と息子。母は息子を愛し、息子は母を愛す。
そんな野蛮な夫に比べ、叔父は愛情を示してくれる。
そもそも叔父の謀反ではなかった。野蛮な夫を殺してくれるよう叔父に頼み…。
母から明かされる、衝撃の真実…。
助けようとした母こそ、元凶。
誇り高き王で戦士と思っていた父こそ、極悪人。
復讐相手の叔父こそ、国や民を率いる王に相応しい…?
善悪が逆転。それはアムレート自身も。
復讐心に駆られ、罪も無き叔父の子供、弟たちを殺す。
ヒロイックな戦士の姿など微塵も無い。父親と同じ、野蛮で獣のような憎悪。
叔父も憎悪をたぎらせる。
憎しみ対憎しみ。復讐対復讐。
これが運命なのか、使命なのか。逃れられないのか…?
よく復讐は愚かで身を滅ぼすというが、あまりにも凄惨で、まじまじと見せつけられる。
預言者からの言葉。運命が“乙女王”に繋がっている。
ある女性との出会い。間に新たな命を宿し…。
王家の血は受け継がれていく。
復讐ではなかった。これが運命だった。
ヴァルハラも迎え入れてくれよう。
ヴァイキング最高😆
これ、北欧神話好きにはたまらんけど、詳しくないとついてけないだろうな😅
かくいう自分もドラマのヴァイキングとゲームのアサシンクリードヴァルハラの知識なんやけど🤣
まず前提として、この時代のヴァイキング等は、復讐と血を守ることと闘って死んでヴァルハラに行くことが全て。
この映画はまさにそれ!
叔父に父親を殺され、母親と国を奪われたアムレスが復讐する為にアイスランドに。
映像も美しかったし、演技も凄まじかった!
特にアニャ&ニコールキッドマンは、北欧のヴァイキングの女達の恐ろしさや強さ、神秘性を見事に演じてた。
万人向けじゃないけど、面白かった!
映像は。
楽しみにしてたのですが
ストーリーと趣向が
物足りない…
雰囲気と映像がいいだけに
もったいない。
せめて
もっと残虐性にふるとか
あったらと。
Game of Thronesを
経験した後では
味のないスルメみたい。
長いかな
北欧を舞台とする映画は暗くて重いイメージ、この作品も冬なのか夜なのか画面全体が薄暗いイメージ、少々見にくい
物語はありふれた復讐もの、父である王が弟である叔父に殺害され王座と母である妃も奪われてしまう、その映像を心に刻み復讐を誓い国から脱出した王子アムレート、逞しく青年になる頃にはバイキング?となり掠奪を繰り返す日々
ここまでもだいぶ長いがまだ前章、それでも期待感で見ていたが復讐の為国に戻ってからの展開が神話的でもあるし、舞台設定がよくわからない、羊飼いになっている叔父への復讐の機会を狙ってストーリーは進んでいくが、どうも復讐までのシーンと展開がスッキリしない 父と母の過去と自分の思い込みに翻弄され実の母までも、、、せめてもの救いは彼女の登場かな ハッピーエンドでも良いんじゃない?とも思ったが、、、
復讐もほどほどに
9世紀北欧のとある島国で、王子アムレートは、遠征から帰還した父オーヴァンディル王とともに、王家伝統の儀式を行った。その直後、叔父のフィヨルニルがオーヴァンディルを殺害し、グートルン王妃を連れ去った。10歳のアムレートは殺された父の復讐と母の救出を誓い、たった一人、ボートで島を脱出した。
数年後、アムレートは、獰猛なヴァイキング戦士の一員となっていた。そして、フィヨルニルがアイスランドにいることを知った。奴隷に変装して奴隷船に乗り込んだアムレートは、親しくなった白樺の森のオルガの助けを借り、叔父の農場に潜り込み、復讐の機会を待つ、という話。
感想としては、ナンジャラホイ、って感じ。
なかなかフィヨルニルを殺さず、周りの部下や息子から殺すのは何だったんだ、って感じた。さっさとフィヨルニルを殺せば良いのに、って。
そして母から父の事を聞いて、復讐をやめるのかと思ったら、母や義理の弟まで殺し、全然共感出来なくなった。
自分はオルガのお腹に後継が出来たから良いって事?身勝手な復讐者だなぁ、って感想。
オルガ役のアニヤ・テイラー=ジョイは今作品でも美しかった。
それと、アイスランドの火山を含めた景色も美しかった。
映像の美しい復讐劇ではありますが……
アニャ・テイラー=ジョイ目当ての鑑賞です。
その意味では満点ですが……。
私自身が北欧神話への理解が低いことを差し引いても、あまり語るべきものがないストーリー。
きわめてシンプルな復讐劇です。
主人公は敵役の叔父に大国の王であった父親を殺され、母親を奪われ、城から復讐を誓い脱出します。その後は、ロシアで傭兵をやっているようですが、主人公が落ちぶれた姿があまり描かれないのです。そして、傭兵生活の中で、叔父の噂を聞き、復讐のため奴隷として叔父に近づきます。
そこからがひどくて、叔父はアイスランドの片田舎の山賊のような存在まで落ちぶれていて、荒野に小屋をせいぜい十戸くらい所有している程度の存在になっています(ここの自然の風景はきれいです)。
屈強な兵たちが守ってるわけでもなく、いかにも小物な部下と息子が奴隷相手にえばり散らしているくらいで、復讐劇が全然盛り上がらない。
敵役の叔父は、アニャ・テイラー=ジョイの容姿目当てで、夜の相手をさせようとします。ところが都合よく「生意気」だという理由だけでお役御免になり、よくわからないまま主人公と結ばれますが、あまり運命的なものにも感じられず……。
その後も一気に復讐するでもなく、一度は復讐をあきらめ逃亡しようとするも、使命に気付いて復讐に臨みますが、締まらない終わり方のままエンディングに。
もっと壮大な話だと思ってたんですけどね。尺が足りない感じはありましたが、褒められる出来の映画ではないです。
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
いやぁ〜、面白かったなぁ!!笑
ここ数年の間でも面白い映画は沢山あったとは思うけど、見終わった後、「ここ最近で1番面白かったかも」なんて言葉が思わず口をついて出て来るぐらい、なんとも見応えのある作品でした。
最初は時代物かと、ちょっと躊躇したんですが、これは見逃さないで良かった(笑)
ラストの対決シーンは、スターウォーズのまるであの"シーン"を彷彿させるかのような、正に"熱い"場面で、久しぶりに興奮しました。
この作品、IMAXとかでやって欲しいなぁ…。
超オススメ!!笑
スマートじゃないけど
父を殺され憎悪を抱え生きる男が辿り着く選択。
北欧の景観美と対比して冷酷で無慈悲な時代をしっかり捉え描く物語は魅了するものを持っている。
そして命の取り合いを残酷までにストレートに描くことで人間の醜さを浮き彫りにしつつ、男が歩んできた道程から導き出す答え選択にも心を震わすものを感じた。
とても男臭くスマートじゃないけど、そこがとても良く観るものを惹きつける。
ヴァルハラへ....。
まさにリアルハムレット。血に飢えた獣のように復讐心に取りつかれた男による凄惨な復讐劇が繰り広げられる。
キリスト教が未だ異端とされた中世バイキングの時代を舞台に繰り広げられるこの復讐譚は北欧神話をベースに現実と幻想が入り乱れるまさに悪夢のような世界観を創り出しており、エガース監督の真骨頂と言える作品。
それは単なる復讐劇では終わらない。感性を刺激するおどろどろしい描写の数々は耽美的でさえあった。
ストーリーはまさにハムレットの元ネタとされる人物アムレート王子による復讐劇。最初は復讐心によってさらに新たな復讐心が芽生えるという不毛な内容、すなわちアムレートが復讐を果たし殺されたフィヨルニルの息子が復讐を誓うという無間地獄のような落ちかと思ったが、それは違った。アムレートは子供共々殺してしまったので。
復讐を遂げた主人公の魂は彼らが神と崇めるオーディーンの宮殿たるヴァルハラへと昇ってゆく。
つまり本作では不毛な復讐劇をけして否定的には描いてはいない。
最近、アメリカではキリスト教離れが進んでいるという。特に若い世代でそれが顕著で無宗教の人間が増えている。本作もアンチキリスト教的な作品といえるのかもしれない。
主人公が犯す数々の残虐行為をキリスト教信者の行いだと劇中語られることからも。
内容的にもいろいろ考えさせるし、また映像はやはりエガース監督らしい満足のいくものだった。
北欧神話のを知らないと面白さ半減?
北欧のどんよりした空気感と
目を見張るほどの豪華キャストと
ニコール・キッドマンのいつまでも美しい容姿と
アレクサンダー・スカルスガルドの
見事なゴリマッチョと
一瞬ビョークとはわからないけど
やっぱりビョークだった預言者と
圧倒的存在感のウィリアム・デフォーと
最近よく見かけるアニヤの美しい裸体
これだけでもうお腹はいっぱいw
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オーディン、ヴァルハラ、ヴァルキリー
ヨルムンガンドなどの北欧神話に
出てくる神々の名前が出てくる。
あとは預言者、魔女や魔術などなど
北欧神話などに長けている人であれば
より楽しめる作品だと思う。
数年後…
幼い王子アムレート(推定15歳)
どうみても20歳前後には見えませんw
20年後くらいだよ、あれは🤣
(観た人なら賛同してくれるはずw)
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「導かれし復讐者」とあるけれど
復讐劇というよりは神話劇で
好みは分かれそう…。
ただただどんより暗くなるので元気な時にどうぞw
略奪時代
えーっと、仮面を被ってるわけじゃないけど、ほぼ仮面に近いし。これってビョークって分かり難いよね。と言うか、逆にデフォーは顔だけが強調されとるしw
キャストはデラックスですけど、ほぼ4人で物語は回ると言う、「クレジット上は超豪華キャストあるある」です。が、所謂、無駄遣い的な感じがするのはデフォーくらいでしょうか。
兎に角、なんと言っても寒そうなんですよ。冷たそうなんです。冬景色も、地面も、水たまりも。もう何もかもが。「ノースマン」のタイトル通りに、寒さ・冷たさがヒシヒシと伝わって来るんで、これは製作陣の狙い通りってことでしょうか。
物語りとしては、これと言って目新しさも無く、マンネリだろ!って突っこみたくなる尾は無いなんですが、この手の復讐ものが、久しぶりだったせいか、飽きずに見れると言う。ニコール・キッドマンとアーニャ・テイラー・ジョイと言うゴージャスな取り合わせのせいか、「予算低めのB級感」は希薄ながら、大人数を動員することなく、戦闘場面を値切った感覚無しに撮り切ってしまってるのには感心しました。ヴァイキングの集落や国家のサイズ感なら、この程度で行けるってことですかね。
北欧の略奪時代は、「軍拡」と呼ぶのが相応しい武器兵器の強化と、衝突の挙句、「力の均衡」がもたらされるまで続くわけです。と言うか、欧州内で「均衡が取れたのっていつのことよ?」ってのはあるんですけどね。
残忍・残酷な物語ではありますし、野蛮な場面の連続でもあったりする訳ですが、こんなのまだまだ序の口だよ、って事で。
一本の劇場用映画としては、結構面白かったです。
でも、この手のやつは年に1本で充分なんで、今年中は類似作品が来ませんようにw
無駄にグロい
イーサン・ホーク、ニコールキッドマン、アニャテーラージョイというキャストにつられて?観てしまったという方もおられると思いますが。
(個人的にはやはりイーサンホークは良かった)
とにかくダークファンタジーというジャンルになるのかな?無駄に流血、内臓、首跳ねが辛い。
ファンタジーシーンが安っぽい。
主人公に魅力がない。
というところ。
けっこうよかった
もしかして照明を使わず、ろうそくや焚火の光で撮影しているのかと思うほど、夜が暗い。今、タクティクスオウガリボーンというゲームをしていて、魔法使いやドラゴンや鳥人間が出てきたらそのままゲームの世界だと思うのだけど、それらは出ず剣と鎧と奴隷が出る。魔女みたいなのはいる。
当時の人々の生活や文化は図り知れないのだけど、それをリアルに再現しようとしているようで、美意識が徹底している。野蛮で今とは全く常識が違う。人権など全く関係なくて、恐ろしい。頭がよくて勇気と行動力があって、腹が座っている人が強いのは今と一緒だし、怖い女がいるのも同じだ。
復讐するは我にあり…
激過激、激バイオレントなハムレット!
バイキングなんだから、復讐するは我にあり、とばかりにただそればかりを追い求める。
これほどまでに中世北欧の呪術的な世界観のリアリティを追求した映画があったのだろうか…
そしてそれが達成された場合、どうなるんだろうか…?
演出も音楽も素晴らしいが、なによりも北欧の光を(おそらく人工の照明なしで)再現した撮影スタッフが素晴らしいと思われる…
まずはベスト級降臨…
人間の本性を曝け出すドラマ
ドラマの中で何度となく出てくる四つん這いになって、遠吠えする男たち。人間も、理性で着飾ってはいるけどそれを剥ぎ取ると、野獣、そしてストレートな感情。こういう人間の赤裸々な姿は、現代劇では描けない。
たとえば、ビルの谷間で男が長い髪を振り乱して、人に襲いかかるなんて、それはホラー映画でしかあり得ない。でも、どんなに着飾った人間にもそういう野生としての血はあるんだろうと思う。
ストーリー全体を覆うのは復讐。親を殺された憎しみ。それが人間を突き動かす。現代の殺人事件にしても、そういう野生的な側面が理性を抑え込んだとき起きる。しかし、大概のひとは、対人で嫌なことがあってもグッと堪える。だから、著名人が計画的に殺人を犯す刑事コロンボは、ちょっと嘘っぽい。
最後は相打ちで主人公も亡くなるが、邪悪な相手を倒して、かつ、なくなっていく。これは、悲劇か?とも思ったが、上映後のトークショーでハッピーエンドだったと聞いて、そうか、そういう見方か!と思った。愛した女性の中に子孫を残せたから。だから、最後は安らかな顔がスクリーンにあらわれたのだ。
勧善懲悪で、悪い奴をやっつける同じ北欧神話のマーベルのマイティソーもいいが、ノースマンの方が人間の本性をえぐるドラマになっていてよい。ソーの兄弟のロキは殺されても殺されても死なないわけで(笑
今回は東京国際映画祭でみたが、1月の公開で再度見てみたいと思った。
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