テラフォーム 侵略
2021年製作/110分/オーストラリア・アメリカ合作
原題または英題:Risen
スタッフ・キャスト
- 監督
- エディ・アーリア
- 製作
- エディ・アーリア
- 原案
- エディ・アーリア
- 脚本
- エディ・アーリア
- 撮影
- スーザン・ラムスドン
- 美術
- イルマ・グステイタイト=カラブレーゼ
- 編集
- エディ・アーリア
- 音楽
- フィリップ・J・ファドゥール
-
ニコール・シャルモ
-
ジャック・キャンベル
-
ドミニク・ストーン
-
ケネス・トルヒーリョ
2021年製作/110分/オーストラリア・アメリカ合作
原題または英題:Risen
ニコール・シャルモ
ジャック・キャンベル
ドミニク・ストーン
ケネス・トルヒーリョ
冒頭で思い出した映画がある。
1971年制作のアンドロメダ…
あの映画は衝撃的だった。
未知のウィルスという斬新な発想もさることながら、
緻密なSF考証に基づき 作り上げられたウィルスの研究基地も
考察されていて素人目にもディテールまで科学的に完成度が高かった。
ところが当作品はといえば、設定が似ているだけ。
とても粗が目立つ。
例を挙げれば、
・現地調査は防護服を着てるのに、犠牲者の解剖は無防備。
ウィルスの疑いのある状況で、命しらずの無神経ぶり。
・細菌兵器のような匂わせ方だったのに、植物のような外見から
巨大化した途端に 精神乗っ取り、果てはバリア。安直すぎる
テラフォームなのに人間以外の生物を無視する展開にも違和感。
・主人公が幼児期に乗っ取られたとされるエピソードが穴だらけ
セキュリティが雑な軍事施設といい、通信施設のハッキングや
通信内容、DNA変異。全て表面的な羅列で薄っぺらい。
最も嫌いなタイプのいい加減なSF作品
本作は、実際にロシアに飛来した隕石落下をヒントにして作られた作品。『宇宙戦争』と『未知との遭遇』を足した様な内容だが、『侵略』という表題から連想する、SF的な派手な破壊や戦闘シーンは無く、登場人物も限られ、モノトーンの映像の中でストーリーは展開される。
宇宙から飛来した隕石。その衝撃で一つの街が消滅し、全住民が死亡するというシーンから幕を開ける。隕石と思われた飛来物は、実は宇宙植物の種。そこから人類には毒となるガスが発生し、宇宙植物が芽吹き成長を始める。それは、エイリアンが地球を居住地とするための地球環境改造計画の始まりだった。
それに気づいたのが、主人公は、アルコール依存症の惑星生物学者のローレル・ストーン。最初に、彼女は隕石落下の調査をした時に、小さな宇宙植物の芽を発見するが、報告を怠った。しかし、その芽はアッという間に巨大化し、ミサイル攻撃をしても歯が立たず、おまけに、隕石落下で死亡した住人が生き返るという奇妙な現象に遭遇する。
実は、こられ一連の現象は、彼女の幼少期に起きた、ある出来事に起因することが明らかになっていくのだが、そのラストは、非常に意味深なシーンで幕を閉じる。
宇宙植物によって地球の環境を改造してしまおうという発想は、『宇宙戦争』でも扱われた設定でよくあるパターンで、内容も映像も、とにかく暗いB級作品。ヒタヒタと迫り来る侵略の恐怖を描いているのだろうが、エイリアン侵略のSF映画に、自分が求めるモノとはちょっと違っていて、鑑賞途中睡魔に襲われた。
テラフォームとは惑星の植民地化の為の環境改造、たとえば火星を緑化して移住できるようにするとか言えば良いだろうか、映画ではエイリアンが地球環境を改造するために妙な植物の種を隕石としてまき散らすというストーリー展開になっている。
H・G・ウェルズの宇宙戦争でも攻めてきた火星人は地球の環境に適応できずに敗退してしまうが、それなら先ず環境適合だが自身でなく環境の方を変えてしまおうと言う荒業、お膳立てですね。
エディ・アーリアさんは余程このアイデアが気に入ったのだろう、2013年のロシアのチェリャビンスクの隕石にインスピレーションを受け原案・脚本・製作・監督と並々ならぬご執心、というか自己陶酔。そのせいか異論を唱えるスタッフもいなかったのだろう、遅々として進まぬテンポの悪さは耐えがたいほど。
(ネタバレ)
主人公ローレン・ストーン博士(ニコール・シャルモ)はアル中の惑星生物学者で隕石調査に駆り出されるが死者が蘇る奇妙な出来事に巻き込まれる、執拗にストーン博士ばかり深堀りするのでおかしいと思ったら幼少の頃のエリア51でのエイリアン接近遭遇に全ての謎の起因ありと言うトンデモストーリーでした。
まあ、作家性の強い映画なので好みが分かれるところでしょう、私はこの超スローテンポにはついていけませんでした。