「中国文化に身近に接することができる作品で良作。今週おすすめ。」雄獅少年 ライオン少年 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
中国文化に身近に接することができる作品で良作。今週おすすめ。
今年170本目(合計821本目/今月(2023年5月度)27本目)。
この手の映画では、「大人の都合」なのか、事実上日本語吹き替え版を事実上強制させられるようなスケジュールになっていることが多いですが、大阪市内では「字幕版」で見ることができました。
獅子舞や獅子舞をテーマにした(映画で描写される)大会というのが、日本ではコロナ事情を考慮しなくても「日本国内では」あまりメジャーではないようで(同好会、といったものや、場所柄、いわゆるチャイナタウンがある地域では実施されている模様)、最初は戸惑う部分もありますが、この映画は中国映画でありながら日本が漢字文化圏であるという性質上、ある程度文化上類推をきかせながら見ることができる点で好印象です。
※ とはいえ、このようなどう考えても子供向けに近いアニメでも「国家検閲済み」といったマークが冒頭に出ますので、やはりそりゃ「そうなんでしょう」ね…(映画内では政治思想をうかがわせるような発言は出ない)。
良かった点としては上記の獅子舞に関する文化など、漢字文化圏という事情もあって「ある程度知っているが、個々細かいことは知らない」という点について、本国からの情報発信があった点、ちょっとどうかな…と思ったのは、私は日本語字幕版で見ましたが、この映画、地方の農村(一部、地方都市)を描くため、いくつかの看板を見ることができますが、「電話」「魚」「醤油」といった映画内での看板等の翻訳がない点で、一方で獅子舞大会のシーンで明確に「日本の漢字教育の範囲で類推がきかない」点は字幕がつくため、反対解釈すれば「電話」「魚」などはその意味なのだろう、という点を理解しないと先に進まなくなる、という妙な部分があります(とくにこの映画は「電話」は一つの理解のポイント)。
またよくわからない点は、物語後半の獅子舞大会の地方大会決勝?か何かになると、日本の漢字文化を類推してみてもまったくわからないものが「大会の看板に次々と登場する」点で、「広い意味での広告挿入型映画なのかな」とは思えます(正直、何が正解なのかわからないが、少なくとも獅子舞大会とつながりが??な漢字や表現他が何の断りもなく登場します)。ただこの点、広い意味での広告挿入かどうかは別にして、特にそれらの字幕には意味はないので(実際に意味があり、解釈上必要な部分は字幕がつきます)、ここは思い切って解釈する必要があります(無視するなら無視でもOKかなと思います)。
総じていうと、これをアニメ枠というかは別としても、5月4週のアニメ枠?という観点ではおすすめ(日本語吹き替え版のほうが観客数多いんでしょうか?)というところです。
評価として気になったのは下記です。
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(減点0.3/「続きがあります」@エンディングロール)
・ よく、マーベルシリーズ等で「おまけがあるので最後まで見てください」に相当するもので、日本語字幕版では「おまけがあります」になっていますが(漢字の部分でも一応推測は可能)、その「おまけ」は一応出るのは出るのですが、何の会話もなく3秒~5秒、登場人物が出てきて特定の行動をとるだけ、というもので、一応趣旨は理解できるものの、マーベルシリーズ等でいう「おまけ」とは明確に違い、それとは違うのかな…と思って、大量のエンディングクレジットを見ると、最後まで「おまけ」らしきものは出てこなかったりします。
ここは結局「おまけ映像」に何を含めるのかという文化の違いに究極論落ち着くところはあるとは思いますが、ちょっとわかりにくいかな…というところです(映画館側のトラブル?と思われても仕方がない)。
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