劇場公開日 2024年1月19日

「エンタメの楽しさが詰まっている」ゴールデンカムイ ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5エンタメの楽しさが詰まっている

2024年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

明治末期、心優しい村の青年は、日露戦争で活躍して「不死身の杉元」と呼ばれるまでになる。
杉元は二百三高地で死んだ幼馴染との約束を果たすため、アイヌの埋蔵金を探す決意をするが、その為には、鍵を握る24人の元囚人を見つけなければならず、アイヌの少女アシリパに協力を求める。だが同じことを目論む連中が次々と現れ……

主人公をはじめキャラクターが魅力的です。杉元がだいぶ年下のアシリパに敬意を払って「アシリパさん」と呼んでいるのも良いです。劇画チックな敵キャラクターもみんな良い。
原作(未読)のきりりとした杉元に対して、山﨑さんは現代的で優し気な顔立ちなんですが、実際に観ると、かなり原作に寄せている感じでさすがです。山田さんも可愛くて凛々しいですね。
特殊メイクも良く出来ていると思いますが、CGの熊は距離感とか大きさとかに少し違和感がありました。

広大な北海道のどこかに眠る埋蔵金探し、異文化交流、激しいアクションに笑い、盛り沢山の内容をテンポ良く見せて、楽しかったです。個人的にはまだ先が長そうなのが気がかりです。

【CGの動物について思ったこと】
オオカミは犬みたいですが、笑い部分も担当してるので違和感はありません。
ヒグマについては、ヒグマが背後から襲い掛かろうとしているのに杉元がすぐに気づかないというシーンがありましたが、熊はネコ科の動物と違ってこっそり近づくことは難しいと思います。その代わりに、時速50キロ以上の速さで追いかけてきます。
あと、子熊が小さすぎです。熊は妊娠2か月で小さく生まれてきますが、パンダと同じでピンク色で熊に見えません。子熊らしい姿になる頃には、懐に隠せる大きさではないです。
些細なことなので、評価には反映してません。

ゆり。
ゆり。さんのコメント
2024年3月1日

もりのいぶきさん、度々の解説ありがとうございました。熊は神なのに、その神を殺すというのがピンと来なくて、事情が呑み込めていませんでしたが、私もイオマンテを検索してみました。神の捉え方が和人とアイヌでは違うというのもありますね。和人から見たら熊を殺しているわけですが、猟の時は肉と毛皮をもたらしてくれる、その神に天にお帰りいただく儀式、ということで、殺すという概念ではないのかもしれないと思いました。

ゆり。
もりのいぶきさんのコメント
2024年2月27日

ゆり。さん、またまたお邪魔します ・_・

>食べはしないけど、ゆくゆくはお供え物になる

あ いえいえ。お供え物にはなりません。・_・;

「熊」は神(カムイ)なので、お供え物をもらって
神の国へと送り返される側の立場です。

アイヌの人たちは、そうやって熊(カムイ)をもてなし
お土産(供物)を持たせて神の国へと送り返せば、再び
熊の姿で尋ねてきてくれる(=毛皮や肉を伴って) と
そう考えて、熊を大切に育てるのだそうです。

もりのいぶき
もりのいぶきさんのコメント
2024年2月24日

ゆり。さん、コメントありがとうございます。

” 熊の子供をどうするのか ” ですが、恐らく食べません。
2年くらい育てたうえで、イオマンテという儀式を経て
神の国へと送り返すのではないか と思います。

イオマンテとは「熊送り」とも言われるアイヌの儀式です。
「熊」は神のなかでも最高位の神なので、しばらくアイヌ
のコタンで大事に育てたあと、贈り物を捧げて神の国に送り
返すのです。

「神の国に送り返す = 命を奪う」という図式にもなるので
明治以降次第に行われなくなっていったようです。・_・;

もりのいぶき
もりのいぶきさんのコメント
2024年2月23日

ゆり。さん、お邪魔します。

>年下のアシリパに敬意を払って「アシリパさん」と呼んでいる
>のも良いです。

ここ、とても同感です。
最後まで、杉本は「アシリパさん」との呼び方を変えません。
作品に流れるスピリッツを感じられて、とても好きです。

もりのいぶき