「アイヌ文化や時代背景を丁寧に描いた作品。」ゴールデンカムイ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
アイヌ文化や時代背景を丁寧に描いた作品。
内容は、数々の漫画賞をとった名作・野田サトルの全31巻のゴールデンカムイの実写映画化。最近では特殊効果が盛んなので実写といえば実写と言えなくも無い様な映画がある中で、頑張ってリアルを追求しようと模索した作品でもありました。
印象的な言葉は、アシリパ アン ワ ウンコレ ヤン。『アシリパと一緒にいてください。』アシリパの事を一番に考える祖母フチの言葉。杉元と2人だけの時に杉元に向けて語られる時、その意味を気持ちで理解した杉元は、アシリパさんの未来を思い1人旅立つと心に決める所が、言葉以上の緊張感もあり静かに熱くなりました。大方さんもフチ以上にフチらしく真に迫った演技でこの歳になると目が潤んできます。
印象的な場面は、北ウォール街とも言われた小樽の街並みやコタン(集落)アシリパのチセなどの作り込みが素晴らしく演技が余計にリアルに感じられる所です。衣装も特殊メイクも脱帽です。衣装はアシリパさんの手作り刺繍アイヌ装備が約一年掛かったそうで、その熱意に驚きます。
印象的な状況は、この物語が最初から続編ありきで作られてるという商業性を感じる所です。なので全体的に見れば良く言えば原作に忠実に、悪く言えばアニメの取り直しに思て来るところが気になりました。説明台詞が多すぎる。このまま続編が出来れば、おおよそ6話ぐらいになりそうでがどうなる事やら。
なにわともあれ三十年式歩兵銃は、滅多に映画で見ることもなく映像として見れた事が見応えがあったし、鶴見中尉のボーチャードピストルも時だ背景として忠実で、次に手にするコルト製ピストルも拝めて楽しかった。ゴールデンカムイは、自分自身原作もアニメも好きなので更なる楽しさを程々に期待します。