ポーランドへ行った子どもたち
劇場公開日:2022年6月18日
解説
1950年代、北朝鮮から秘密裏にポーランドへ送られた朝鮮戦争の戦災孤児たちの真実を描いた韓国発のドキュメンタリー。ホン・サンス監督作など俳優としても活躍してきたチュ・サンミが監督を務め、韓国でも知られていない歴史の闇にスポットを当てる。偶然目にした映像をきっかけに、ポーランドへ強制移送された戦災孤児たちの存在を知ったチュ・サンミ監督は、10代で命がけの脱北を経験した大学生イ・ソンとともにポーランドを訪れる。2人は孤児たちの悲痛な記憶をたどる旅の中で、異国の子どもたちを我が子のように受け入れ育てた教師たちと出会う。今でも子どもたちを懐かしく思い、涙を流す教師たち。やがてイ・ソンは泣きながら、現在も北朝鮮にいる家族について語りはじめる。
2018年製作/78分/G/韓国
原題:Children Gone to Poland
配給:太秦
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2022年7月4日
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鑑賞方法:映画館
1950年代に北朝鮮からポーランドに送られた戦災孤児の足跡を尋ねて、韓国の監督(女優でもある)が脱北者の若い女性を伴いポーランドを訪れるという内容。韓国/北朝鮮/ポーランドという国境線で区切られた空間的断絶、朝鮮戦争から70年という時間的隔たりや東欧及び韓国の民主化という体制変化がもたらす時間的断絶。これらの断絶を、痛みを抱える者の共感によって乗り越えようとする過程を追った映画と言える。
それぞれの登場人物が抱える分断と越境、痛みの持続と回復の兆しが交差して映し出される。心の痛みが、他者とのつながりを築く事もあれば、他者を遮断する事もある。痛々しい場面もあるが、繋がりや回復を希求するこの映画は、韓国と北朝鮮の分断からの蘇生の願いが込められているのかもしれないと思った。
個人的に異和感があったのは、エモーショナルなBGMが時々流れる事だった。BGMに頼らなくても、登場人物の表情やナレーションなどで、伝えたい事は充分伝わってきた。