「ごめんなさい。僕にはわからなかった。」EO イーオー Jongoさんの映画レビュー(感想・評価)
ごめんなさい。僕にはわからなかった。
イエジー・スコリモフスキ監督は今回が初鑑賞
『バルタザールどこへ行く』は未見(TSUTAYAにすら無いとは驚いた)
それが良くなかったのか、イマイチ流れに乗れなかった。
最初の動物愛護団体のいわゆる誰得運動は良かった。
動物のことなど微塵も考えてなく、ただ自分が信じる正義に酔いしれたいだけの偽善者であることは、その後のEOへの仕打ちから明白である。
次に、白馬と雑誌(?)の撮影をしている光景を見かける際も、結局人間は動物を都合の良いインテリアにしか思っていないということが伝わってくる。
この流れから「EOはこれからいろいろな善人や悪人と会うけれども、どいつもこいつも人間様が偉いというスタンスは自覚的であれ無自覚であれ同じで、そいつらの身勝手な行動によりEOはどんどん不幸になっていく」という話を想定したが、どうも微妙に違った。
サッカーチームのところまではその観点で見ると面白かったが、そこからどんどん人間の所業とEOの運命の関連性が希薄になっていったように感じた。
特にイザベル・ユペールが出てくるあたりでは、人間側の行動とは関係なくEOは自由に動けてしまう。
よってあのラストも「人間の身勝手さのしわ寄せを一身に受けた成れの果て」という感じがあまりせず、理不尽さや不条理さもさして感じなかった。
そのような憤りを感じさせることがこの作品の目指していたところだとは思うが、以上の理由により僕にはイマイチ響かなかった。
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