「たらい回しの旅」EO イーオー 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
たらい回しの旅
イーオーにとって傍迷惑でしかない動物愛護団体による無駄な正義感から人間の愚かさをロバの目線で描く目的ですら定かではない旅、サーカス団は居心地の良い場所でカサンドラとの再会を待ち望んでいる、そんな寂しげな表情を見せるけれど、それですら人間側の勝手な考え方でしかない、仄々とした動物映画をイエジー・スコリモフスキが、そんな意外性を感じながら、危機感を煽るショッキングな映像描写から優雅で自然美溢れる映像とロバに癒されるだけの映画にはならない、人間が世界の中心で暴力が当たり前の日常でしかない。
イザベル・ユペールが登場してから別の映画が始まるようで短編にもならない本作との重要性も感じられない不思議な感覚、インスパイアされたロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』と比較しなければならないか、少しだけエミール・クストリッツァだったらどう撮っていただろう、と、関係無いけれど思ってみたり!?
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