「 ラヴェルの映画を見たので、こっちも見てみようか、とあまり考えもせ...」チャイコフスキーの妻 クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
ラヴェルの映画を見たので、こっちも見てみようか、とあまり考えもせ...
ラヴェルの映画を見たので、こっちも見てみようか、とあまり考えもせず、事前情報無しで鑑賞。
チャイコフスキーは、熱烈な求愛を受けて若い妻と結婚したものの、直ぐにその結構生活は破綻した、と、レコードだったかCDだったかの解説に書いてあった知識しかなかったが、概ねその通りのストーリー。主役はチャイコフスキーではなく、妻のアントニーナの方なので、チャイコフスキーの作曲家らしいシーンは皆無に近い。これを少しでも期待していると肩透かしどころではないだろう。
ロシア映画は、地べたばかり映していて、陰鬱で暗い、という評価を昔何かで読んだことがあるが、まったくその通りの映画だった。
空が映ったシーンは記憶にないし、ほぼ常に曇り空か雨か雪が降っている。(雰囲気ではなく)画面が明るいシーンは、アントニーナの妄想で雪の墓地で記念撮影しているシーンくらいか。
どちらが悪いとも言い難いが、時代背景を考えてもチャイコフスキーが悪いとなるんだろう。アントニーナがどうしてそこまでチャイコフスキーに入れ込むようになったかが、いまいちうまく描写されていない感じで、そこは規定事実です、という風に話が進むので、感情移入も何もなかった。唯一私が哀れだと思ったのは、アントニーナの弁護士だろうか。
まあしかし、裸のマッチョな男が大勢登場すると、皆ゲイにしか見えない。ヴィレッジ・ピープルとか、ボーイズ・タウン・ギャングのあの曲で、ボーカルの女性の脇で踊る二人の男性とか頭に浮かんで、思わず笑ってしまった。深刻なシーンなんだろうけど。
アントニーナは便利な隠れ蓑。
ゲイ=犯罪者の法律は欧州全体にあり(フランス除く)ゲイの偽装結婚はありがちな事。世情に疎い妻の妄執は夫からすればウザイだけでした。