別れる決心のレビュー・感想・評価
全188件中、61~80件目を表示
インソムニア
自分が今も睡眠障害っぽいし、Cパップも使ったことあるためか、ある程度は共感できた。そんな睡眠不足の刑事ヘジュン。夫婦の職場が離れているため週末婚状態。セックスレスだと離婚の危機だと奥さんに聞かされて、とても情熱的とは思えない週末義理セックスを繰り返していた。ザクロやスッポンなんてのもいい伏線。ただ、指に食いつかれて痛そうだった・・・
刑事と被疑者による純愛と言ってしまえば簡単だけど、被疑者ソン・ソレが韓国語が苦手な中国人である点や、意外とデジタル人間であるという設定が面白いのです。絶壁の山頂から転落死した夫は、中国でソレが犯罪を犯していることを知っていて妻を縛り付けていた。彼自身も入国管理局に勤めて収賄なんかの疑惑がいっぱい。しかし、捜査の末、自殺として解決してしまうのだった。
そして13カ月後、妻の住むイポ市へ転勤となったヘジュン。そこの市場において偶然にも再婚したソレ夫婦と出くわしてしまう。新夫は詐欺まがいの投資コンサルタントで儲けていたが、損失が大きくなって逃げ回っていたという。そして第二の殺人事件が起きるのだ。
スマホを交換するといったアリバイ工作がミステリーとして秀逸ではあるものの、どこまでが真実かは闇の中。ヘジュンとしては真犯人だと確信を持ちつつも、ソレへの恋心からか「スマホを海に沈めろ」と忠告したりするのだった。
複雑な刑事の心理(最年少で警視になったとかでなんだか優秀な人みたい)で転任した海辺の町でも指揮を執るが、ソレを庇うやら犯人らしき人物を捜し当てるとか、もう入れ込みようは凄い。何しろソレがいてくれるおかげで不眠も解消したのだから。第二の夫殺しについては、プールの水を抜いて死んでいなかった夫にトドメを刺した感じに描かれつつも、よくわからない。この結末がわからないようにしたパク・チャヌク監督の力量を痛感した。だいたい、不眠症だとか現実と妄想を区別できなくなるストーリーは概ねこのような結末に・・・真実は「霧」の中だよ!
それにしても中国語と韓国語の意思疎通や、デジタルとアナログとの対比(最初の夫の家には大量のアナログレコードがあった)、タバコとかアイスクリームとか魚のさばきとか、なんだか考えさせられるシーンも多い。最も大きな対比は山と海だったでしょうか・・・それにしても絶壁の山が「クソ山」という名前だったので笑いたくなった。
3.5) 変態的カメラワークで見せる艶めかしい男女
複雑なミステリー構造が、終わってみれば一組の不倫劇に集約する。
複雑な犯罪プロット、最新ガジェットの多用で古典的な話を新しく見せる。そこは面白いんだけど、逆に本流である二人の心の動きに集中できなかったような。韓流『花様年華』になれそうでなれず残念。
構造は、最近の映画で言えば『イニシェリン島の精霊』の逆パターン。あちらが単純なプロットから多種多様な解釈を産み出すのに対し、本作は複雑なプロットの全てがワンテーマに寄与するという作り。私は前者のほうが好きかな。
アカデミー賞のノミネートを逃したのは、東洋人の表情から感情を読み取るのがアメリカ人には難しかったのかな。
「私はあなたのxxxxxになりたかった」
このソレの台詞を聞くと、本作が『めまい』ワナビーと分る。思うに、このエンディングから逆算して積み上げた作品か。
猫のお土産は主人の前に並べられる。
ベットシーンがない、大人の愛を描く映画は知的で品が良いから、好きです。
ただ脚本が凝り過ぎて、もう少しイージーにした方が判りやすかった。
猫が主人に、自分が捕獲した獲物(ネズミ、小鳥、ゴキブリ、おもちゃ)を並べて魅せる習性があるが、
これは捕獲を誇示しているのではなく、狩りができない人間に 見本を魅せて、狩りを教えようとしているそうだ。
容疑者に心を奪われてしまう話だと、「恋に落ちたコロンボ(TV ドラマ)」が僕の頭に浮かぶ。
3.2嫌いじゃないけど。。。
長く感じた。。。138分だったのか。
もう少し見せ方を簡単にしてくれた方が良かったかな。。。解りにくい部分がありながらの中弛みの様にも感じた中盤。。。ただセックスシーンがあるわけでは無いが深く堕ちていく様は引き込まれたなぁ。。。
五感で楽しむパク・チャヌク
ある山で山頂から男が転落する事故が起きる。
自殺か。他殺か。
容疑者として浮上したのは男の妻であるソレ。
捜査を進めるほど妖しくも美しいソレに次第に惹かれていく刑事ヘジュン。
それぞれの想いが交錯し、2人の愛は思わぬ方向へと進んでいく。
待ってました!パク・チャヌク監督最新作。
なんだかんだで映画館でパク・チャヌク映画を観るのは初めてだったので公開前からかなり期待していた作品。
覚悟はしていたけれど、やはり難解だった。想像の10倍難解だった。あらすじは分かったけれどどこか納得がいかない。
ただ、彼の映画はいつも後味が最高だ。
この難解さゆえに、そこに隠された真意を少しずつ読み解いていくとなんとも言えない味わいがある。
今回もそうだった。
観賞後すぐは「面白かったけどちょっと微妙かな」なんて思ってしまったけれどとんでもない。
おもしれ〜!
山に始まり海に終わる。
この山と海の二項対立が素晴らしい。
水が山から海へ注ぐように、2つの事件は愛を運ぶ。
この物語をただの浮気映画として片付けたくはない。
愛し合ってはいけない2人の間にあったのは純粋な愛だ。
不敵な笑みも幸せ溢れる微笑みに変わる。
魔性の女によるサスペンスロマンスかと思えば、刑事と容疑者によるスリリングなラブロマンスではないか。
韓国語と中国語という言語の壁も、2人が交わることのないはずの禁断の関係であることを印象づける。
翻訳アプリで翻訳して言葉を伝えるシーンには微妙なニュアンスの違いなども表れていそうでさらに深めがいのある演出であった。
そして、この映画の最大の特徴といってもいいのが監督の映像表現の巧みさだ。
独特なカメラワークは1番に印象に残るし、その端々に巧さが光る。
パク・チャヌク監督といえば、過激なエログロが得意なイメージがあるが、今回はそういった直接的な描写をほとんど省いている。
にも関わらず、ひたすらエロい。
ヌードやグロテスクなカットは目を惹くが、それをなくしてここまで官能的に描けるのにプロの技術力を感じる。
リップクリームにそんな力があるとは。
目、鼻、口、耳、手、足……
体のパーツがフォーカスされるカットが何回もある。
見つめ合い、匂いを嗅ぎ、食べ物を味わい、音を聴き、手を重ね、歩み寄る。
五感を研ぎ澄ませるうちに自らも映画の世界に飲み込まれていく。
まるで張り込み中のヘジュンのように。
愛は苦しくて心地良い。
甘美な香りに誘われて迷い込んだ愛のラビリンスからは永遠に抜け出せない。
パク・チャヌク、危ない沼だ。
胸に刻まれるラストの情景。
必死になって踏み固めた靴紐を結ぶ足元。
波が攫う砂の山、地平線の向こうに沈む夕日。
それぞれは何を思いこの結末を迎えたのか。
様々な解釈の出来る結びに未解決のままで良いのかもしれないと思った。
眞島秀和にしか見えないパク・ヘイルとオーラのオンオフが恐ろしいほど美しいタン・ウェイ。
この2人にしか出せない空気感、素晴らしかった。
これだけではとても語り尽くせない。
138分と確かに長めの映画ではあるが、カンヌ監督賞も大いに頷ける傑作。
再鑑賞を検討したい。
なにがなにやら……
山頂から転落死した登山者の事件を調べる刑事と、謎めいた言動を続ける被害者の妻。捜査の過程で2人はいつしか惹かれ合っていくが……。
パク・チャヌクらしいといえばらしいし、エロも暴力もないのはこの人らしくない気もする。緩急が激しく、まったりした画面からいきなり核心に迫ったりするので気が抜けなかった。
しかしまあ、期待していたような作品ではなくて、ひたすらタン・ウェイ(被害者の妻役)を目で追いかけていた。
心臓
渦を覗いている様で物語に吸い込まれていって見応えがあった。
正直これはハッキリ好みが分かれそうな作品だけれどこういった男女のもつれたギリギリを攻める話が好きなんですね。ヒッチコック的な感触で、映画の演出の仕方、独特のカメラの使い方、見応えがありました。
容疑者と被疑者であり、男と女。
出会わなければこんなふうにならなかった。
それでも出会ってしまった。
気付いてしまったら、もう戻れない。
そんな男女の機微がエモーショナルに絵が描かれていて、こんな恋に溺れてしまいそうになる。
決心ってのはどれだけ悩んで決めていてもやはり後悔は残るし、後ろ髪引かれるものがある。それでも決めたからにはやらないと気が済まない事に吸い込まれていく。山頂に辿り着く様な、美しい波に吸い込まれるような。さようならを伝えなければならない時、自分がどれだけ大切にしていたかを気付くし、また、自分が思っていた以上に大切にしてもらえていたことに気付く。
気が付いたとしても戻れない。
もし今後2回目見た時、台詞の意図がまたぐるぐると変わりそうでそういった見方が出来そうで楽しみ。
パンフレットがびっくりするデザインでオシャレでした。珍しいスタイルなのにお手頃価格なので驚きました。
パクチャヌク監督はJSAしか見た事がなかったので他の作品も見て見たいと思います。
オールドボーイと、お嬢さん見ます。
映画は終わっても、物語の迷宮からはしばらく抜け出せそうになることでしょう。
刑事と容疑者が、男と女としてひかれ合う。いかにも陳腐な話が、パク・チャヌク監督の手にかかるとこれほど面白いのかと驚きました。
サスペンス、ブラックユーモア、ミステリー、ハードボイルド、アクション。様々な顔を持ちながら、それらはすべて切なく出口の見えない大人のロマンスに収束されていく。練りに練った脚本と凝りに凝った編集、そして巧妙な語り口。まさに鬼才の逸品です
。
「オールド・ボーイ」など、暴力や官能描写が際立つ刺激的な作品で名高い人ですが、今作では「古典的スタイルの映画」を志向したというのです。
物語は、ある男が岩山から転落死する事件で始まります。男の妻ソレ(タン・ウェイ)が夫の死に全く動じないことに、刑事のヘジュン(パク・ヘイル)は疑念を抱きます。
取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくるのです。いつしかヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始めます。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えました。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりでした。
妻がいて仕事熱心。生真面目に生きてきた刑事が、美しく謎めいた女に魅了されて深みにはまってしまいます。運命の女に人生を壊されていくのです。
女のアリバイを刑事が崩そうとする推理劇的な面白さもあります。情感たっぷりの韓国歌謡が流れ、韓流フィルムノワールとしての見どころは多いとは思います。ただそれだけではありません。細部が実に面白い!
例えば、何げないセリフが後になって重要な意味を持ってくるのです。セリフに限りません。刑事の革靴、ポケットに入れたリップクリーム、取り調べのときに出前でとる寿司、スマホの翻訳ソフト、緑にも青にも見える女のドレス。
それらは繰り返し登場し、場面によって意味が変わることで、愛の迷宮に入り込んでしまった2人の複雑な心模様を雄弁に物語るのです。その見事さに舌を巻きました。
なかでも中国出身で韓国語が苦手な女との言葉のすれ違うところは出色です。
本作の主人公たちの間で重要な役割を果たすのが、「言葉の壁」です。もともとは、中国出身のタン・ウェイを起用するために生まれた設定だったそうですが、見事に物語に活かされたと思います。
パク監督は、「言葉の違いは、大きな障壁だが、逆の効果もある。相手が言わんとしていることがよくわからないからこそ、きちんと耳を傾け、表情にも注意を払う。不慣れな言語を使うことにより、言葉遣いに独特のユーモアや感動が生まれたりもする」と解説しています。
特に、翻訳アプリを使う場面では、相手が言葉を発してから、その意味がわかるまでの「時差」が劇的な効果をもたらしたのでした。
さらに本作では「マッチカット」という技法を効果的に用いています。
連続していない二つの場面を同じような映像でつなぐ手法を「マッチカット」というのです。例えば、ジャングルの猿の目の大写しから、都会の人の目へと場面をつなぐような場合です。
この作品ではマッチカットに次ぐマッチカットが続きます。それが、そこはかとないユーモアや笑いを生んでいるので、鮮やかな対比を見せて、物語をリズミカルに進展させるのです。
あり得ないアングルだったり、現実と想像が入り交じっていたり。話は深刻でも、刑事の心の中を視覚的に表現する映像は奇妙でおかしかったです。
事件の捜査が終わると刑事は女と別れます。しかし第2の事件が起こって再会するのです。破滅に向かって進むしかない2人の恋の行方は切ないものでした。ラストは暮れゆく海辺の風景。映画は終わっても、物語の迷宮からはしばらく抜け出せそうになることでしょう。
恋を描くのに、愛してるもセックスも必要ない
ところどころにユーモアを織り交ぜながら、詩的かつ倒錯的に綴られる二人のロマンス。
ある意味、こんなにロマンチックな作品は初めて見た気がします。
運命の人に出会って人生を滅茶苦茶にされたい、
自分自身が崩壊しない恋なんて恋じゃない、という方におすすめ
強制終了は負荷がかかります
んー、映像技術は凄いんだけど、ストーリーは掴めず何だか面白くない。「非常宣言」に続き、韓国サスペンス、今年は不調か?面白いはずなのに、面白いと思えない。痒いところに手が届かないような、そんな感覚が居心地悪かったです。
前半は華麗なストーリー展開。
美しき女性と謎に溢れた事件に取り込まれるばかり。寿司を絡めたちょっとした小ネタがあったり、とんでもない事になるぞ...的な雰囲気があったりで、ナイスなスタート。韓国ノワールの巧みな技といったところ。2人とも、とてもいい演技で、中々面白かったです。後半になると、この面白さが恋しくなるが...。
雰囲気や役者以上に息を呑んだのは、択烈した映像技術。回想シーンへの導入、新たな場面への挿入があまりにも美しく見事で、結構冗長に感じてしまいますが、この素晴らしい演出のおかげでラストまで飽きることなく見ることが出来ます。重くのしかかり、他の映画よりもずっと没入させる。ストーリーはどうであれ、この演出はもっと褒め称えられるべきものかと。映像に関しては満点です。
述べたように、前半はとても面白く見ることが出来たのですが、話の膨らませ方が何故だかすごく下手くそで、感情移入も出来ないし、段々と物語の進展に興味が薄れて、残念な感じで終わってしまいます。スローペースで話は進むのに、飛ばし飛ばしのかなり雑な作りで、全く理解できない。納得のいくものがひとつも得られません。
結局どうなったの?そもそも、何が起きたの?前半の面白さは一変。話の掴みだけ考えました、みたいな脚本。いい映画だなってのは、建前だったのか?物足りないってのは特段思わないんだけど、モヤモヤが大量。説明不足なのか、理解不足なのか分からないが、不満は残ってしまいました。
割と期待していただけにがっかり。
韓国はもっと面白いもの作れるぞ!このまま、良作が見れぬまま、韓国映画離れしてしまうのは残念すぎる!次の韓国サスペンスはどんな作品か分からないけど、次に託すとします。
落ち込んで帰った日
「仕事終わりに気分転換に映画館に立ち寄り、爽快感や充足感を得て、気持ちよく家に帰れるような映画」ではありません。。笑
個人的には色々な意味で、見ていてエネルギーを持っていかれてしまう映画でした。(物語の核心を考えるのにも疲れて途中で放棄、あまり掴みどころもなく、ずーんと澱んだ空気感が続き、時間が経つ毎にふたりの行く末に興味も持てなくなってしまった)
分かりやすく引き込んでくれる、エンタメ性やメッセージ性のある物語が好きな人には向かないと思います。文学作品のような「趣き」を楽しめるタイプの感性を持っている人、簡潔な説明がない映像を自分なりの考察で興味の範疇に持ってこれる人、には刺さるのかもと思いました。私は映画の纏う空気感に落ち込み、難解なシーンが多く自分の頭が悪いのだろうかと落ち込み、色々落ち込んで帰ってきました。笑
まあまあだった
退屈ではないのだけど、長くて眠い。最初の事件で終わりかと思ったらその後も事件があって、そっちが長くてウトウトした。特にヒロインが主人公の刑事の不眠を直そうとして、寝させようとするのでこっちまで眠くなる。
予告でイメージしたことには届かなかった
詩的…という感じですかね。
スカッとする作品ではありません。
印象的だったのは、目薬をさす目、写真の目…監督さんは「目」にこだわりがあるのかなと思いつつ観ていました。
容疑者と刑事が引かれ合うという内容なのは分かるけど、何となくすっきり自分の中に落ちてこない…
もう1回観たら、少し分かるかな
難解
男女の視線が混じり合うサスペンスドラマ。
見終わったあと、別のタイトルがなかったのかと思った。
現実と想像と過去が同一画面で交錯する場面があり、時々??とオロオロした。
緊迫感のある場面では登場人物がスマホを使って画策することが多々あり、それは現代ではリアリティのある行動なのだろうが、なんとなく冷めてしまった。
カメラワークは面白く工夫されていたが、わかりにくいストーリーについていけず誰にも感情移入も出来ず、難解で退屈な印象。
タン・ウェイは憂いを帯びた目が健在で、相変わらず美しい。
何度も考えたくなる作品
張り込み中に容疑者の女の部屋に入り込んでいる妄想をしてしまう刑事。彼が触れるであろうキズのバンソコに香水を振りかける女。二人はじれったいほど、だんだんと距離を縮めていく。
しかし、刑事が真相にたどり着くことで、関係は破綻する。女を追っていた男が去り、今度は女が男を追っていく。そして、また、男は女を追い始める。
主演のタンウェイを観たのがラストコーション以来だったので、前半は歳を重ねてずいぶん地味になったなあと思ったが、後半にあざやかな転身をしてくれていて嬉しかった。
映像の構図が面白く、衣装や部屋のデザインも美しい。抑えた音楽も二人鼓動を聴くようでテンションが上がる。
しかし、物語全体としてはよく分からない所が多かった。何度も何度も思い出しては頭の中で整理した。ラストはどうしてああならざるをえなかったのか?
今回は刑事が悪女を追う物語として観ていたので、愛を求める女の目線で伏線を確認したくなった。
大人の純愛
ヘジュンは睡眠障害に苛まれているが、それは未解決事件のことが常に頭にあってその呪縛から逃れられないからだ。しかし、ソレと接している間はなぜかその症状が和らぐ。ヘジュンにとってソレは眠りを誘う存在であり、安心できる相手だからだ。
私も不眠症に悩まされているが、リラックス感が得られる改善方法はいろいろ試してみても根本的な解決にはならないことが多い。心からリラックスできる人と一緒に過ごすということが解決策になるのなら、ぜひそういう人に巡り会えたらと思う。
この映画のメインテーマは純愛である。「愛していると決していわないラブストーリー」というキャッチコピーがあり、刑事と容疑者という禁断の愛がゆえに言葉ではなく身体で愛を確かめ合うという方法で描かれている。自分はもう純愛はできないではないかと諦める年代になってしまったと思っていた。しかし、この映画を観て突然降りかかる中年の恋も十分にありうるのではないかという希望が生まれた。
ラストシーンの衝撃は忘れられない。別れる決心をしたソレが起こした行動はあまりにも大胆で切なかった、女に未練はなく、男には未練が残るという男女関係のセオリーはこのカップルにも当てはまった。二人の関係は永遠に未解決のまま終わった。
全188件中、61~80件目を表示